ガイドコメント
2012年5月10日発表のベスト・アルバムの“macro”篇。2枚同時リリース『Mr.Children1992-1995』『Mr.Children1996-2000』に続くベスト第2弾で、2005年から2010年までの彼らの軌跡がたどれる。
収録曲
[Disc 1]
01Worlds end
リズムを急かすように細かなフレーズを組み込む鈴木英哉のドラミングが印象的なロック・ナンバー。分厚い雲を突き破り進む飛行機に自らの姿を重ね、“僕らはどこまでも行ける”と力強く歌う。熱を帯びるアウトロからの唐突なカット・アウトも鮮烈。
02僕らの音
数日のみ日清食品「カップヌードル」CMソングとして放送されたミディアム・バラード。ピアノとアコースティックギターを基調としたシンプルなサウンドにより、ときに懇願するように、ときに繊細に歌い上げる桜井の表情がダイレクトに伝わってくる。
03箒星
風を切るように心地よく走るビートに爽やかなメロディが映えるアップ・テンポのポップ・チューン。ひたすらにポジティヴなサウンド・メイクに引っ張られてか、歌詞の世界も気恥ずかしくなるほどにストレート。目一杯振り切った感覚が楽しい。
04しるし
日本テレビ系ドラマ『14才の母』主題歌の29thシングル。ゆったりとしたテンポで、7分以上の長さを誇るラヴ・ソングだが、しっかりとストーリーを描き長さを感じさせないアレンジが絶妙。言葉遊びにも似たサビのフレーズも耳に残る。
05フェイク
テクノ的なアプローチを感じさせるデジタルなサウンド、緊張感をはらんだコード・ワークなど攻撃的な一面を存分に発揮した30thシングル。エロティックな描写を交えつつ、“フェイク”に満ちた世の中を歌う。映画『どろろ』主題歌。
06彩り
13thアルバム『HOME』のリード・ナンバーといえるポップ・チューン。なんてことのない作業が、回り回ってどこかの誰かの笑顔を作っていく……過度に装飾を施さないシンプルな演奏も相まって、心をじんわりと温めるナンバーに仕上がっている。
07旅立ちの唄
新垣結衣、三浦春馬出演の映画『恋空』主題歌のミディアム・バラード。“とりあえず「さよなら」”と、別れを描きつつも新たな旅立ちを温かく受け入れる姿が感動的。たっぷりと余韻を残すエンディングもじんわりと心に響く。
08GIFT
“一番きれいな色ってなんだろう?”という歌い出しで幕を開けるNHK北京オリンピック・パラリンピックの放送テーマ・ソング。“メダルの色”というオリンピックならではのテーマを意識させつつ、人生そのものにもあてはめることのできる応援歌だ。
09HANABI
フジテレビ系ドラマ『コード・ブルー』シリーズ主題歌の33rdシングル。イントロにも用いられるメロディが中心ながら、サビではよりキャッチーな方向へと展開するユニークな手法で魅せる。“もう一回 もう一回”のリフレインが胸に響く。
10花の匂い
中居正広主演の映画『私は貝になりたい』の主題歌にして、彼らにとって初の配信限定シングルとして発表された壮大なミディアム・バラード。「ボレロ」を思い起こさせるドラム・パターンが、ラストの盛り上がりを巧みにサポート。
11エソラ
「君の瞳に恋してる」を意識した、とびきりカラフルなサウンドにブラスが映えるポップ・ナンバー。“Rock me baby”というある意味らしくないフレーズも新鮮だ。PVはSPACE SHOWER「MVA 2009」でベスト・ディレクションを受賞。
12fanfare
アニメ『ONE PIECE』劇場版の主題歌で、配信限定シングルとして発表されたポップ・チューン。“ヨウソロ”“デカい帆をはれ”など、海賊を意識したフレーズを多く用いつつ旅立ちを歌う。“ファンファーレ”風のメロディも楽しい。
13擬態
爽やかなギターのアンサンブルで幕を開けるポップ・チューン。身近にある言葉を多く取り入れつつ、その取り合わせの妙で象徴的な意味を持たせる桜井のセンスが光る。伸びやかなフレーズで突き抜けるサビのメロディが心地よい。
14365日
愛しい君への想いを綴るミディアム・バラード。余計な言葉やエピソードは用いずに、たたひたすらにあふれるほどの愛を歌い上げる。ドラマティックなストリングスとともに迎えるラストのサビは感動的。NTT東日本・NTT西日本CMソング。
[Disc 2]〈DVD〉〈Music Videos〉
01Worlds end
02箒星
03しるし
04フェイク
05彩り
06旅立ちの唄
07GIFT
08HANABI
09花の匂い
10エソラ