ミニ・レビュー
前衛のみならず、調性やジャズを含めた多様な音素材を絡め合わせ、坩堝と混交させて響きを増殖しパワフルに情動を焚きつける。しかし、どこか尖鋭に突き抜けず、芸術至上への韜晦とも与せず、カラリと普段着風情で音に耳とカラダを解放する水野作品。その洗練に納まらない音の姿がゴツと面白い。
ガイドコメント
『現代日本の作曲家』シリーズの第42集は水野修孝の作品集。クラシック、ジャズ、ロック、民俗音楽、ポップスと、多様な音楽様式を取り込んだクレオール主義と呼ばれる時期の作品を集めている。刺激に富んだ一枚。
収録曲
水野修孝:
01交響曲第1番
02マリンバ協奏曲
03カリンバの音源をもつシンセサイザーのためのソナチネ「時の魔術」
04除夜のためのエチュード
演奏
(1)外山雄三指揮 東京交響楽団 (2)高橋美智子(マリンバ) 小松一彦指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 (3)(4)岡部裕美(キーボード,P)
録音
(1)90.6 (2)83.3 (3)96.4 (4)97.10