ミニ・レビュー
9枚目のオリジナル・アルバム。当然のごとくクオリティはめちゃくちゃ高い。ハード・ナンバー連発で圧倒する前半をはじめ、爽やかポップスやセンチメンタルな曲、壮大なバラードなど、粒ぞろいの曲が並ぶ。なにより彼女の、凄味のある低音を中心とするヴォーカルの表現力が見事。さすが。
ガイドコメント
デビュー20周年を迎える2012年。オリジナルとしては『PAST<FUTURE』以来となるアルバム。「Break It」「Get Myself Back」から「Go Round」「YEAH-OH」までのシングル9曲を含む、超豪華作だ。
収録曲
01In The Spotlight (TOKYO)
2012年6月リリースの9thアルバム『Uncontrolled』の冒頭曲。滑らかに全編英語詞の歌詞を紡ぐヴォーカルと4つ打ちのダンス・サウンドが絶妙にマッチした、クールなナンバーだ。アルバムの幕開けにふさわしいワクワク感がつのる楽曲。
02NAKED
大沢伸一が作曲、VERBALが作詞を手がけたサイバーなダンス・チューン。自分自身を奮い立たせるような歌詞と疾走感あふれるサウンドが焦燥感を煽り、低音のコーラスとリズムを刻む重低音が緊張感を与える。コーセー「ESPRIQUE」CMソング。
03GO ROUND ('N ROUND 'N ROUND)
コーセー「ESPRIQUE」CMソングに起用の、全編英語詞のダンス・チューン。流麗なメロディと力強さとしなやかさが同居したヴォーカルに激しい4つ打ちのリズムが加わった、思わず踊りだしたくなること必至の楽曲だ。
04Sit!Stay!Wait!Down!
「WILD」以来のT.Kura&michicoプロデュース楽曲。緊張感あふれるダンス・サウンドから一転、浮遊感に満ちたスロー・テンポになり、またダンス調に戻る目まぐるしい展開。フジテレビ系ドラマ『私が恋愛できない理由』劇中使用曲。
05Hot Girls
クール&セクシーな魅力全開の、全編英語詞のダンス・チューン。ヴォコーダーを取り入れたヴォーカルは気だるいムードが漂う艶やかな印象で、一方タイトルを叫ぶコーラスはエモーショナルだ。コーセー「ESPRIQUE」CMソング。
06Break It
高揚感を煽る畳み掛けるようなメロディとノイジーかつサイバーなアレンジがよりいっそう焦燥感と緊張感を高める、疾走感に満ち満ちたスペーシーなダンス・チューン。力強くたくましいヴォーカルが冴えている。「コカ・コーラ ゼロ」CMソング。
07Get Myself Back
くじけそうになった自分を奮い立たせるようなポジティヴな歌詞を流れるようなメロディに乗せた、滑らかなポップ・チューン。ドラマティックな展開の畳み掛けるようなフレーズをノンブレスで繋ぐヴォーカルはみごと。
08Love Story
初のT-SKトラックプロデュースによるバラード・ナンバーにして、フジテレビ系月9ドラマ『私が恋愛できない理由』主題歌。タイトルどおりの、人を愛する切ない思いを綴ったラヴ・ソングで、すべてをつつみこむような柔らかく優しいヴォーカルに癒される。
09Let's Go
セクシーで刺激的な歌詞とアグレッシヴなヴォーカル、攻撃的な重低音がアクセントになっているダンス・サウンドが絶妙にマッチした、クールなナンバー。日々のあらゆる戦闘態勢を整えるにはバッチリのテーマ・ソング!?
10SINGING “YEAH-OH”
民族音楽的なフレーズを取り入れた、エキゾチックな趣もあるハイテンポな全編英語詞のダンス・チューン。音を聴いているだけで切れ味抜群のダンス・シーンが目に浮かぶような、ライヴ映えするアグレッシヴなナンバーだ。
11Fight Together
4つ打ちのリズム&エレクトロなサウンドと穏やかなメロディが心地よいポップ・チューン。力強さを感じさせる一方、優しさに満ちたヴォーカルが味わい深い。フジテレビ系アニメ『ONE PIECE』テーマ・ソング。
12ONLY YOU
「ネバーエンディングストーリーのテーマ」的な80年代の洋楽のテイストを取り入れた、どこか懐かしさを感じさせる全編英語詞のポップ・ソング。大らかな気持ちになれる穏やかなナンバーだ。WOWOW『欧州サッカー』テーマ・ソング。
13Tempest
穏やかな鍵盤の音色や美しいストリングスの響きが心地よい、壮大なバラード。伸びやかで柔らかいヴォーカルで紡がれるのは、自分のまわりにあるものすべてへの慈しみの気持ち。NHK BS時代劇『テンペスト』主題歌。