[Disc 1]〈1987-1991〉
01NEW SEASON
ヒロインとして自身が出演した映画『あいつに恋して』主題歌となったデビュー・シングル。気が変わっても電話しないでと、土曜の夜に終わった恋を忘れようとする……けなげな女子の気持ちを綴るニューミュージック風ポップスだ。
02オーバーヒート・ナイト
シンセ・サウンドを駆使したグルーヴィなポップ・チューン。伊秩弘将らしいドラマティックなメロディ・ラインに乗せ、大胆に仕掛けてきてと迫る。セリフを含め、ちょっぴり背伸び感のあるヴォーカルが初々しい2ndシングル。
03GET SMILE
3rdシングルとなった島健編曲のオリジナル・ヴァージョン。失恋に落ち込む自分に“行くぞ”と吹っ切れようとするフックが心をくすぐる。甘酸っぱさとノスタルジーが同居したような80年代ならではのサウンドも魅力だ。
04ザ・ミーハー (スペシャル・ミーハー・ミックス)
初めて作詞した「ミーハー」をカットした4thシングル、スペシャル・ミックス。“お嬢様じゃないの わたしただのミーハー!”のフックや美形の森高が“すごくカルイ”と発する大胆で斬新な詞が話題に。オーケストラヒット連発のセンセーショナルな演出も印象的。
05ALONE
アーシーな雰囲気も微かに感じさせるパーカッシヴなアレンジを背景に綴られるラヴ・ソング。強烈ではないがジワジワくる“好きよ、好きよ……あなたが”と繰り返されるコーラスや、サビ前の裏声が印象的。心に穴がぽっかりと開いたような孤独感が伝わる5thシングル。
06ザ・ストレス (ストレス 中近東ヴァージョン)
自身の入院体験をもとに書かれた6thシングル。うめき声やめまいを想わせるフレーズの導入と艶やかでミステリアスな雰囲気のアレンジがマッチした中近東ヴァージョン。超ミニスカのウェイトレスのコスプレをしたPVも注目された。
0717才
南沙織をカヴァーした7thシングルで、「17才」を再びシーンへ呼び戻したヒット曲。ユーロビート全開の打ち込みサウンドが時代を感じさせるが、筒美京平メロディとの相性はバッチリ。瑞々しさと脆さに揺れ動く思春期を凛と描いた名曲だ。
08だいて (ラスベガス・ヴァージョン)
アルバム『非実力派宣言』からカットされた8thシングル、ラスベガス・ヴァージョン。のどかで西部的なロックだが、これだけ“だいて”と歌う曲もないのでは。ただし、森高の歌唱ゆえセクシーというよりも不器用に一途といった感じだ。
09道
グリコ「ポッキー」CMソングとなった9thシングル。二人で来た坂道を忘れないと思い出に耽る歌で、“春も夏も”の後で”ゴミもあき缶も”四季と日常を独特のセンスで描いた詞が絶妙。キラキラとした輝きと郷愁が溶け合った曲調も魅力。
10青春
「道」と両A面となった9thシングル。あなたと別れてからが本当の私の青春と、失恋に負けない女子を描いている。切なさとどこかホッとした愛着を感じるミディアム・ポップスだ。日本テレビ系ドラマ『いけない女子高物語』主題歌。
11臭いものにはフタをしろ!!
理屈っぽいおじさんに強烈なパンチを食らわせる、ロックンロール全開の痛快なナンバー。ロックンロールは頭じゃなくて身体で感じろと逆に言い返す森高がカッコイイ。その後「ロックン・オムレツ」へと曲風が受け継がれた10thシングル。
12雨
冷たい雨はきっと思い出も涙も流してくれる……失恋に戸惑いながら別れを告げようとする気持ちを歌ったミディアム・バラード。森高の楽曲のなかでも代表的なバラードとなった。一言ずつ噛みしめるようなヴォーカルが印象的な11thシングル。
13勉強の歌
ユーロビート風シンセ使いのチープなアレンジが軽やかなノリを生む、ダンサブルなナンバー。勉強はにんじんと同じくらい栄養があるみたいという対比も実に森高らしい。ラストにささやく“大好き”のフレーズまで、遊び心満タンだ。
14この街 (HOME MIX)
グリコ「ポッキー」CMソング起用の12thシングルで、「17才」路線のダンサブルなHOME MIXヴァージョン。“夜のおかず何にすっと?”から始まる熊本弁のセリフがイキイキしていてキュート。生まれた街への愛着がたっぷりと伝わる歌だ。
15八月の恋
筒美京平が森高をイメージして書き下ろしたという、ベスト盤『ザ・森高』からの先行となった13thシングル。70年代歌謡曲のようなしなやかで優しいメロディに乗せて、夏の恋の終わりを綴っている。どこか大人びた雰囲気を感じさせる歌だ。
[Disc 2]〈1991-1995〉
01ファイト!!
91年10月にリリースされた14枚目のシングルのタイトル曲。同年のバレーボールワールドカップのイメージ・ソングに起用された、練習しても補欠の“太郎君”を応援する女子の気持ちを綴ったポップ・ソング。甘酸っぱい青春の1ページが蘇るはず。
02コンサートの夜
92年2月にリリースされた15thシングル。卒業式の夜にみんなで行ったコンサートについて綴った楽曲で、明日からもう別々の道を歩む仲間とみんなで一緒に歌を歌って帰ったエピソードなど、かけがえのない青春の甘酸っぱい思い出が詰まっている。
03私がオバさんになっても (シングル・ヴァージョン)
日本テレビ系ドラマ『まったナシ!』主題歌に起用の、92年6月発表の16枚目のシングルにして大ヒット・ソング。サイパン、ディスコ、オープンカーなど、歌詞には時代を感じさせるキーワードがちりばめられてはいるが、乙女心はいつになっても変わらない。
04渡良瀬橋
後に松浦亜弥など多数のアーティストがカヴァーしてさらにヒットした、92年10月発表の17thシングル。栃木県足利市にある橋をタイトルに冠した、その土地で生きていくことを決めたために恋人と別れた女性の、切ない心情を綴ったラヴ・ソング。
05ライター志望
「渡良瀬橋」との両A面でリリースされた、92年10月発表の17thシングル。物書きになりたいという大きな夢を抱く女子が、“君は才能無いんだから”と呆れている彼氏に否定されながらも夢へ向かって走る、ポジティヴなポップ・チューンだ。
06私の夏
93年4月リリースの18枚目のシングル。彼氏と別れたばかりの夏、友達と休暇を過ごす計画を立てるという、切なさとワクワク感が同居したポジティヴ・ソング。キャッチーなメロディと心が弾む歌詞が心地よい、思わず口ずさみたくなるナンバーだ。
07ハエ男 (シングル・ヴァージョン)
フジテレビ系『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』の「ハエ男」コーナーの挿入歌にして93年6月発表の19thシングル。本人が作詞作曲の両方を手がけた初のシングルで、コミカルな歌詞が楽しいノイジーなロック・チューンだ。
08Memories (シングル・ヴァージョン)
「ハエ男」と両A面でリリースされた19枚目のシングル。学生時代のアルバムを開き、甘酸っぱい思い出に浸る切ない気持ちを綴ったバラード。しっとりとしたメロディと滑らかな男性コーラスが、センチメンタルな気分をよりいっそう盛り上げる。
09風に吹かれて
93年10月にリリースされた20枚目のシングル。傷心をいやすために遠いところへ行きたいと願う女性の気持ちを綴った切ないラヴ・ソング。大分県の湯布院の街並みをモチーフとした温泉宿を回想する歌詞など、丁寧な描写が印象に残る。
10ロックン・オムレツ
フジテレビ系『ポンキッキーズ』挿入歌にして、94年11月にリリースされた21枚目のシングル(ジャケット・イラストはリリー・フランキー)。ノイジーかつゴキゲンなロック・サウンドに乗せて、パパとママとオムレツについて歌った楽しいナンバーだ。
11気分爽快
本人出演のアサヒ生ビール「Z」CMソングに起用された、サビの“飲もう”というフレーズが印象的な94年1月発表の22thシングル。好きな人と付き合うことになった親友を応援する、切ない歌詞がドラマティック。
12夏の日
94年5月リリースの23枚目のシングル。女友達と休暇を過ごす計画を立てる「私の夏」のアンサー・ソングとも言えそうな、恋人ができて幸せいっぱいのポップ・ソング。浜辺や潮風、連絡船など、夏ならではの歌詞をちりばめた爽快な楽曲だ。
13素敵な誕生日
大好きな彼の誕生日にグラタンを作る健気な彼女のキュートな気持ちが詰まった、94年10月発表の24thシングル。カントリー・テイストを取り入れたギター・フレーズがアクセントになった、親しみやすいポップ・サウンドに仕上がっている。
14私の大事な人 (シングル・ヴァージョン)
「素敵な誕生日」と両A面でリリースされた24枚目のシングル。好きな人に夢中な、目がハートマークになっているに違いない心境を綴ったラヴ・ソング。タンゴ調のハイテンポなサウンドと“ウッ!”という掛け声がエモーショナル。
15二人は恋人
95年2月にリリースされた25枚目のシングル。そっけない態度を取る彼氏にやきもきする女性の、“長く付き合っている恋人同士あるある”なエピソードが満載のラヴ・ソング。穏やかなメロディが心を癒してくれる。
[Disc 3]〈1995-1999〉
01休みの午後
ピアノを中心に据えたミディアム・バラード。かつて共に過ごした友人からの手紙の返事、というスタイルのもと飾らない言葉で郷愁たっぷりに綴る歌詞が胸にじんわりと沁みる。ささやくように歌い上げる歌唱、感極まったように熱を帯びていくアレンジともに秀逸。
02ジン ジン ジングルベル
本人出演のサントリー「アイスジン」のCMソングをアレンジした95年発表のシングル。タイトル通りのキュートなクリスマス・ナンバーで、歌詞もメロディもシンプルでキャッチーさは抜群。ロックンロール調のキーボードがいいアクセントになっている。
03SO BLUE
伊秩弘将が作曲を手がけた96年発表のシングル。「エリナー・リグビー」を思わせるイントロにはじまり、サウンドはビートルズ・テイスト。彼にフラれても忘れられない心の内を描いており、“どうかあの人を 私に返して”という悲痛な叫びに胸が痛む。
04ララ サンシャイン
フジテレビ系『めざましテレビ』のテーマ・ソングとして日本の朝を彩ったナンバー。タカタカとまわすドラムやギターなど、ビートルズ・ライクの爽やかなサウンドは朝にぴったり。明日のための大切な今日をポジティヴに過ごそう、という歌詞も元気をくれる。
05銀色の夢
降りしきる雪をそのまま音にしたかのような切ない冬のラヴ・ソング。大切な人との別れを経験し、傷ついてしまった心を真っ白な雪で包み込んで欲しい、と北国に想いを馳せる。イントロから登場する大正琴のメロディが独特な雰囲気を作り上げている。
06Let's Go!
ローソンのCM「ローソンへ行かなくちゃ」に起用された97年発表のポップ・ナンバー。ギターやピアノを中心に、やわらかであたたかなサウンドが展開。変わらないものなどないから先へ進もうというメッセージだが、どこかのんびりとした雰囲気が心地よい。
07SWEET CANDY
「Let's Go!」に続いてローソンのCMソングに起用されたナンバー。夏の終わりに訪れた大切な人との別れを綴った歌詞で、スタイリッシュなサウンドと切なめのメロディが映える。スカのように裏打ちで刻むギターも印象的。
08ミラクルライト
細野晴臣が作曲/編曲を手がけた97年発表のシングル。ドラムを森高本人が、ベースをはじめその他の楽器を細野が演奏したカントリー・テイストのナンバー。UFOや呪文が登場する歌詞も相まって、どこか不思議な世界が作り上げられている。
09SNOW AGAIN
97年に発表された切ない冬のラヴ・ソング。“逢いたいもう一度だけ”とまっすぐに伸びるサビは、一面の銀世界に響きわたるようで胸を打つ。PVの映像が使用された明治チョコレート「Melty kiss」CMソング。
10電話
鳴らない電話を待ち続ける切ない胸の内を綴ったアップ・テンポのナンバー。ラストで吹っ切れたように“きれいになるよ”と言い切る姿が頼もしい。ドラムのほか、アコーディオンの演奏も担当する森高の才能に驚かされる。
11海まで5分
久保田利伸が作曲を担当した98年発表のシングル。TBS系で放送された同名TVドラマの主題歌で、スティールパンやパーカッションがアクセントになったトロピカルなポップ・チューンだ。色彩感覚に富んだ言葉が並び、心も弾む。
12冷たい月
ギターとピアノが複雑に絡むアンサンブルが美しいミディアム・バラード。大切なあなたとの別れ、夜になると心をかき乱すようにフラッシュバックする二人の思い出を綴る。長い夜を表わしたようにたっぷりとした余韻を持つラストが印象的だ。
13私のように
本人出演のキリン「ナチュラルズ」CMソング。少ない音数で幕を開ける前半から少しずつ楽器が重なっていくアレンジ、“曇りの日に傘を持って出るか悩む”など、身近な出来事を描いた歌詞が秀逸。コーネル・デュプリーのギターも聴きものだ。
14まひるの星
レスリー・チャン、常盤貴子の共演で話題を読んだ映画『もう一度逢いたくて -星月童話-』主題歌。スガシカオが作曲を手がけており、あなたへの想いをまっすぐに綴った歌詞も胸を打つミディアム・アップのラヴ・ソングだ。
15一度遊びに来てよ'99
9thアルバム『STEP BY STEP』収録曲をリアレンジした99年発表のシングル。大学時代をともに過ごし、想いを打ち明けることのできないまま卒業を迎えてしまったあなたへの想いを綴った青春ソングだ。本音が見え隠れする歌詞が微笑ましい。