スキマスイッチ / DoublesBest [廃盤]

ミニ・レビュー

デビュー10周年を記念したセルフ・カヴァー・ベスト。ピアノとアコギによる「全力少年」、４つ打ちのリズムを取り入れた「アイスクリームシンドローム」、レゲエのリズムを軸にした「螺旋(らせん)」など、多彩なアイディアに満ちたサウンドと奥深い表現力をたたえた演奏／ヴォーカルが堪能できる。

ガイドコメント

2003年のデビューから満9周年を迎え、10周年記念イヤーへ突入したスキマスイッチのセルフ・カヴァー・ベスト。ファン投票で選ばれた楽曲をリアレンジ＆新録。弾き語り、ピアノ二重奏、打ち込み……と、遊び心たっぷりに全曲を完全リメイクしている。

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チャート

収録曲

01全力少年

彼らの飛躍のきっかけともなった5thシングルのリアレンジ・ヴァージョン。“せーの”で録ったような勢いとディテールの細かさを両立させたアレンジの妙は見事。ストリングスを用いた原曲よりもスケールの大きさを感じさせるのが不思議。

02アイスクリームシンドローム

『劇場版ポケットモンスター』主題歌に起用された13thシングルのリアレンジ・ヴァージョン。入念に練られたコーラス・ワークとピアノのフレーズが神秘的な雰囲気を作り上げている。詰め込み気味の歌詞がもたらす疾走感は健在だ。

03ふれて未来を

2004年に発表された3rdシングルのリアレンジ・ヴァージョン。ストリングスやブラスを用いて多幸感のある仕上がりだった原曲とは一転、ピアノと歌のみのシンプルなアレンジに。曲の中でテンポを変えてドラマ性を持たせ、大橋の伸びやかな歌唱も映える。

04藍

3rdアルバム『夕風ブレンド』のリアレンジ・ヴァージョン。原曲に近いアレンジではあるが、大橋のヴォーカルがよりエモーショナルに進化。“愛”というシンプルにして複雑なテーマを、彼らならではのリズム感のある言葉で綴るバラードだ。

05螺旋（らせん）

メジャー・デビュー・アルバム『夕風ブレンド』収録曲のリアレンジ・ヴァージョン。重ためのレゲエという彼らにとって新境地ともいえるアレンジだが、違和感なくこなすのは二人の音楽センスの高さゆえか。コーラス・ワークも冴えたスタイリッシュな仕上がり。

06ボクノート

『ドラえもん』劇場版の主題歌の7thシングルのリアレンジ・ヴァージョン。前半はア・カペラで進行、その後も最低限のキーボードとコーラスのみで構築した荘厳な音世界を、圧倒的な歌唱力と表現力を持つ大橋のヴォーカルで包み込む。

07雫

11thシングル「虹のレシピ」カップリング収録の楽曲のリアレンジ・ヴァージョン。民俗風のアレンジが印象的だった原曲から、ピアノと歌によるゆったりとしたアレンジに変化。曲の持つスケールの大きさが際立っている。

08晴ときどき曇

15枚目のシングルのリアレンジ・ヴァージョン。アレンジ面では原曲とさほどの違いはないが、カウントの声など、セッションがはじまったかのような幕開けが楽しい。ウーリッツァーの音色が印象的なハートウォ-ムなナンバーだ。

09view

記念すべきメジャー・デビュー・シングルのリアレンジ・ヴァージョン。インディ時代に演奏していたというライヴハウス、新宿LOFTでライヴ録音したもので、その緊張感がこちらにも伝わってくるよう。ライヴハウスならではの音の鳴りも楽しい。

10ガラナ

映画『ラフ ROUGH』主題歌、8thシングルのリアレンジ・ヴァージョン。大橋が叩くドラムで幕を明ける正当派ロックンロール・ナンバーで、テンポは原曲よりもだいぶ落としているが心地よいグルーヴ感が曲を包み込む。コーラスもいい感じ。

11奏（かなで）

2ndシングルをピアノとギターと歌でリアレンジ。キーを半音下げ、テンポもグッと落としてよりエモーショナルな仕上がりに。曲中の細かなタメやテンポの変化は息のあった二人ならでは。上京することではなればなれになる男女の心境を巧みに描いている。

12ただそれだけの風景

ミニ・アルバム『君の話』収録曲のリアレンジ・ヴァージョン。ピアノを中心としたミディアム・バラードの原曲とは一転、カントリー・テイストを色濃く出したアレンジに。ヴォーカルにショート・ディレイをかけるなど遊び心もたっぷりの仕上がり。

タイアップ

アーティスト

スキマスイッチ
1999年結成、愛知県出身の大橋卓弥（vo、g）と常田真太郎（key、cho）からなる日本の音楽ユニット。略称は“スキマ”。都内を中心にライヴ活動を展開。ソウルフルなサウンドに乗った清々しいメロディが脚光を浴び、2003年にシングル「vie……