ガイドコメント
人気R&Bシンガー、Ne-Yoの5作目のスタジオ・アルバム。タイトルは、すべての夢を知覚する(=Realizing Every Dream)という意味を込めているとか。スターゲイトやカルヴィン・ハリスら、豪華制作陣が参加。
収録曲
[Disc 1]
01CRACKS IN MR.PERFECT
シーア・テイラーによるネオ・ソウル仕様トラックは、どこかミュージック・ソウルチャイルドの雰囲気も醸し出す。無責任でだらしない自分を吐露しながら、“でも欠点があるからこそ俺たちは完璧なのさ”と断言。ヴィンテージな空間でのストーリーテラー風ナンバーだ。
02LAZY LOVE
すでに相当な遅刻なのに、君が脚を巻き付けてくるから行けないんだ……。自分のだらしなさを彼女の愛のせいにするあたりがNe-Yoらしいラヴ・ソング。ギターをアクセントに、まったりとしたムードで送るミディアム・スローだ。
03LET ME LOVE YOU (UNTIL YOU LEARN TO LOVE YOURSELF)
アルバム『R.E.D.』のリード・シングルとなったスターゲイト制作のエレクトロ・ダンサー。アデレード出身のシンガー・ソングライター、シーア・ファーラーのポップなフックが印象的な、“僕に愛させてよ”と告げるラヴ・ソングだ。
04MISS RIGHT
“ハロー”“グッド・イヴニング”ではじまるストーリー性のある展開は、フックで“時間があるなら一生一緒についてきて”という大胆なナンパ・ソングに。紳士的なアプローチを描くような、スターゲイトによる美メロ・ミディアム・バラードだ。
05JEALOUS
俺は嫉妬深いんだよとの叫びは、俺が君を一番愛していることの証拠なんだとアピール。フックのファルセット・コーラスがメロウなムードを高める、ファットボーイズによるミディアムR&Bだ。アーバン&ベイエリアっぽい演出も耳を引く。
06DON'T MAKE EM LIKE YOU
ハーモニー“H・マネー”サミュエルズによるヒップホップ・ソウル風のミッド。育ちも振る舞いもそのままの君が素敵だと褒めながら、俺の本命だとサラッとアプローチ。客演のウィズ・カリファもしたり顔のフロウで参戦。
07BE THE ONE
本物の愛を見せてあげるよ……努力しないカレよりも、俺をカレにしてよと迫る。要するに彼氏持ちに“告ってる”のだが、Ne-Yoが歌うとどこか紳士的に聴こえる。スターゲイトによる低温のエレクトロ・ダンサーだ。
08STRESS RELIEVER
まどろみを誘うような濃密なメロウ・チューンで歌われるのは、彼女が毎回してくれるキングな俺への“サーヴィス”について。どんな時でも火をつけてくれるんだと自慢げに、“心地よく”語る。プロデュースはシーア・テイラー。
09SHE IS
カントリーで人気のティム・マックグロウを招いた、アコギの優しい爪弾きを強調したミディアム・バラード。全部彼女のせいなんだ……と、恋に落ちてしまった自分の困惑ぶりを逆説的に表現。渋味あるティムとシルキーなNe-Yoの声が、絶妙に響き合う。
10CARRY ON (HER LETTER TO HIM)
ゆったりとした時を感じさせるポップ・ロックで語られるのは、恋の終止符を打とうとする男のやるせなさ。“ウゥー”というファルセットが虚しく響き、ほかの男の元へ行く彼女への惜別の想いがにじむ。制作はジョセ“コーポラル”ウィルソン。
11FOREVER NOW
ファットボーイズが補作したスターゲイト制作によるEDM仕様のダンサー。うっすらとR&Bの薫りを残しているあたりが、Ne-Yoらしさでもある。告白する寸前に君とほかの男とのキスを目撃して、“どうすればいい?”と狼狽する心情を歌う。
12SHUT ME DOWN
アッパーな4つ打ちEDMで描くのは“浮気症の男性"について。女性を傷つけてきた男がすがるように告げるのは、“この愛は本物だから、突き放さないでくれ”というラヴ・アプローチ。フックの“Down、Down……”のメロディがクセになる。
13UNCONDITIONAL
条件なんてない……君のためならなんだってするよと祈るように懇願する、無償の愛を誓ったラヴ・ソング。アッシャーあたりを思わせるアーバンで浮遊と開放を感じさせる4つ打ちトラックは、ファットボーイズのプロデュースによるもの。
14SHOULD BE YOU
ファボラス&ディディを迎えて“君がそばにいるべきなのに”と物憂げに語る。とはいえ、横には別の女性が寝てるという設定が彼ららしく、ディディはメアリー・Jの名前まで出す始末。悲しげなR&Bトラック制作は、サラーム・レミの真骨頂だ。
15MY OTHER GUN
ノー・I.D.がマウンテン「ロング・レッド」、クール&ザ・ギャング「N.T.(PART1&2)」を借りて、彼ならではのヒップホップ・ビートに昇華。彼女は俺を守る銃なんだと、Ne-Yoが美麗なコーラスで歌いあげている。
16ALONE WITH YOU (MADDIES SONG)
ここでの“アローン”は“二人っきり”の意味。君と二人っきりになるためなら何だってすると説くミディアム・ラヴ・ソングだ。紳士的に歌ってもプレイボーイな印象のNe-Yoだが、そこをタンバリンやピアノなどの生音によってサラーム・レミが上質に仕立てている。
17LET'S GO
Ne-Yoというよりも、もろにカルヴィン・ハリス印のアグレッシヴなEDMサウンド。“レッツ・ゴー”というシンプルだがキャッチーなフックが興奮を高める。“さあ、今すぐここで話そう”と呼びかけるが、何の“会話”かと聞くのは野暮ってものだ。
18LET ME LOVE YOU (UNTIL YOU LEARN TO LOVE YOURSELF)
スターゲイト制作のアッパーEDMヒットにBENIを迎えたヴァージョン。英語カヴァー作も発表するBENIは元来歌唱力があり、Ne-Yoのソフトな質感の歌唱とも違和感なし。YANAGIMANやD.O.Iの微調整も効いている。
[Disc 2]〈DVD〉
01レット・ミー・ラヴ・ユー (ミュージック・ビデオ)
02レイジー・ラヴ (ミュージック・ビデオ)
03レット・ミー・ラヴ・ユー (メイキング・オブ)