ミニ・レビュー
T・トーマスが振るとチャイコフスキーも情緒過多にならない。交響曲4番と5番の間の時期に書かれたこれら4作、具体的イメージ素材を活かす響きや楽器使いのアイディアが凝らされた佳品。その多彩な音の仕掛けに着眼し、え? と耳を立たせ、お! と驚かせて知情絶妙。若き日の才気迸る快演である。
ガイドコメント
ティルソン・トーマスが3つのオーケストラと録音したチャイコフスキー。LSOとの「マンフレッド交響曲」をはじめ、ロシア的なロマンティシズムよりもオーケストレーションの妙に焦点を当てた演奏。チャイコフスキーに傾倒した彼の面目躍如たる一枚。
収録曲
チャイコフスキー:
[Disc 1]
01マンフレッド交響曲
02組曲第4番ト長調op.61「モーツァルティアーナ」
[Disc 2]
01組曲第2番ハ長調op.53
02組曲第3番ト長調op.53
演奏
マイケル・ティルソン・トーマス指揮 [1] (1)ロンドン交響楽団 [1] (2) [2] (1)フィルハーモニア管弦楽団 [2] (2)ロサンゼルス・フィルハーモニック
録音
[1] (1)79.6 (2)80.6 [2] (1)80.5 (2)77.12