ガイドコメント
2012年9月12日リリース、Perfume初のベスト盤ともいえるグローバル・コンピ。「ポリリズム」「レーザービーム」のシングル曲をはじめ、初期曲でライヴ定番曲「チョコレイト・ディスコ」や「FAKE IT」ほかを収録した、注目の一枚だ。
収録曲
[Disc 1]
01ポリリズム
NHK・公共広告機構共同キャンペーンCMソングとなった5thシングルで、この曲で一気にブレイクした。資源リサイクルを“めぐりめぐる”恋愛とを重ねた詞が印象的。破綻的に思われた“ポリループ”を間奏で採用、新鮮な刺激を与えたテクノ・ポップだ。
02edge ( -mix)
原曲は7thシングル「love the world」収録で、これは8分43秒ある3rdアルバム『〓』版。分厚く太いボトムに鈍くもケバだったアレンジで展開するテック・ハウス的な曲だ。ヴォーカル・エフェクトも強めで、タテノリ寄りのライヴ仕様。
03love the world
テクノポップ・アーティストとして初のシングル1位を獲得した7thシングル。女子目線のキラキラした世界観がエフェクトと化学反応を起こした近未来的なラヴ・ソング。フック終わりの“チュチュチュ”はまさにキラー・フレーズで、悩殺必至だ。
04エレクトロ・ワールド
跳ね上がるように強いビートとロック的な要素を融合させたアッパー・エレクトロ。リアリティがない世界の本当の姿に気づいた……という現代に警鐘を鳴らすような意味深な詞が秀逸。メジャー初期の近未来三部作の第3弾となったシングル。
05チョコレイト・ディスコ (2012-Mix)
原曲は4thシングル「ファン・サーヴィス[sweet]」収録のテクノ・ポップで、21世紀を代表するヴァレンタイン・ソングに。“チョチョチョ……”とリミックスしたフックがクセになる。男女ともソワソワする2月14日の狂騒をダンスフロアにたとえた詞が見事。
06SEVENTH HEAVEN
Perfumeブレイクの契機となったシングル「ポリリズム」のカップリング。タイトルは“天国の最上位”の意味で、君への想いが叶うならとろけて消えてもいいというピュアな恋心を歌う。ファンシーな雰囲気も持ったエレクトロ・ハウス・ナンバーだ。
07GAME
オリジナルとしては初となるアルバム『GAME』のセルフ・タイトル曲。シャカシャカと刻むリズムにうねうねと這うボトム。そこへ揺らぎとけだるさを行き交う“play the GAME”のメロディ&ヴォーカルが重なる。全編ソリッドなハウスだ。
08シークレットシークレット
ファンタジックな“ランランラン……”からの幕開けは、謎めいた森をさまようような好奇心にあふれた童話の世界にも似ている。本当の君を知りたいという恋のトキメキを、ハウス・ポップ風に描いたキュートなナンバー。森永「pino」CMソングとしても話題に。
09NIGHT FLIGHT
“パラシュートの使えないキミとの恋は刺激的で甘い”と恋へのトキメキと好奇心を歌う、跳ねたエレクトロ・ポップ。エフェクトのかかったキュートなヴォーカルとファンキーなギターのアクセントが印象的だ。3rdアルバム『〓』に収録。
10Baby cruising Love
甘酸っぱく切ない恋心をテーマにしたハウス・ポップ調のミディアム・ラヴ・ソング。一度聴くと耳に残る“恋の運命は〜愛の証明は〜”のフックが、リピート率の高さにつながっているか。フックとシンクロしたダンスも魅力の、Perfume人気曲のうちの一つ。
11Butterfly
タイトルどおり、蝶がひらひらと舞う動きをイメージしたような高速アルペジオに耳が惹かれる。キラキラとした輝きと神秘性を兼ね備えたようなハウス調ダンサーで、飛び立って消えて捕まえられない美しい蝶を届きそうで届かない恋にたとえている。
12FAKE IT
ライヴではさらにオーディエンス熱を上昇させる定番曲として人気。興奮と恍惚を瞬時に呼び起こすようなバキバキした冒頭から、恋に強がる女子の気持ちを表わした“世界で一番好きだ的な〜”以下のフックがこの曲の肝。無機質的から感情的への展開は、見事の一言だ。
13レーザービーム
「キリンチューハイ 氷結」CMソングとなった13thシングル。“シュワり”“実る果実が水を弾いて”などは商品を意識したもの。恋愛は虹色の“ラブビーム”などのベタな甘い歌唱が、ピコピコしたポップな音感も相まって、かえって新鮮に映る。
14GLITTER
きらびやかで奥行きのあるコズミックな背景とそこをスピーディに突き進むようなシンセが、希望と躍動を想わせる世界観を構築。日常世界から限りない未来を歌う詞世界が秀逸だ。“キラキラの夢のなかで〜”のフックがキャッチーな「キリンチューハイ 氷結」CMソング。
15MY COLOR (LTW-Mix)
4thアルバム『JPN』収録曲のリミックス。甘酸っぱさがあふれる原曲に対し、本曲はダンサブルなエレクトロ・ハウスを強調したアレンジ。よりワクワクする希望に満ちた作風だ。“手のひらが世界中繋がるウィンドウ”をはじめ、中田ヤスタカの詞的センスも見事。
16Dream Fighter
ハイテンションなダンス・ビートが駆け抜ける8thシングル。エフェクト率は低くないが、それまでの楽曲とは異なり、前面へ押し出してくるようなヴォーカルが特色。日常や将来への不安を抱えながらも夢へと前進する人たちへのエール・ソングだ。
[Disc 2]〈DVD〉
01FAKE IT (Video Clip)
02FAKE IT (Video Clip Making)
03ポリリズム (Historical Live Act Version)