ミニ・レビュー
J-POPディーヴァ、BENIが男性シンガーのヒット曲を英詞でカヴァー。「奏(かなで)」(スキマスイッチ)、「ロビンソン」(スピッツ)、「もう恋なんてしない」(槇原敬之)といった名曲をR&Bテイストにリアレンジ。英語で歌うことによってまったく違った表情を引き出すことに成功している。
ガイドコメント
2012年のヒット・カヴァー作『COVERS』のデラックス・エディション。「Ti Amo」「瞳をとじて」ほか英詞カヴァー・アルバムとして話題となった一枚。NHKホールでのツアー“Fortune”からの一部ライヴ映像を収めたDVD付き。
収録曲
[Disc 1]
01Ti Amo
男性ヴォーカリストの大ヒット・ナンバーを全曲英語詞でカヴァーしたアルバム『COVERS』の冒頭曲。2008年にEXILEがリリースした28thシングルを、流麗な英語詞でカヴァー。艶やかさを湛えた情熱的なヴォーカルに酔いしれて。
02LA・LA・LA LOVE SONG
96年に久保田利伸 with ナオミ キャンベル名義でリリースされた、フジテレビ系ドラマ『ロングバケーション』主題歌の英語詞カヴァー。思わず口ずさみたくなるグルーヴィなサウンドとエレガントな歌声が心地よい。
03瞳をとじて
映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌に起用された、平井堅の通算20枚目のシングル(2004年)のカヴァー。切ないメロディと情熱的なヴォーカルが絶妙にマッチした、情感あふれるラヴ・ソングに仕上がっている。
04奏 (かなで)
2004年に発表されたスキマスイッチの2枚目のシングルのカヴァー。BENIの大らかで麗しい歌声をもって英語詞でカヴァーするとこんなにもR&B度が強まるのか、と思わされた原曲との差異を存分に楽しめる仕上がりだ。
05One more time、One more chance
映画『月とキャベツ』主題歌となった、山崎まさよしが97年に発表した通算5枚目のシングルのカヴァー。畳み掛けるようなメロディを繊細かつピュアなヴォーカルでみごとに歌い上げており、ラストは壮大なバラード・ナンバーに仕上がっている。
06ロビンソン
フジテレビ系ドラマ『白線流し』の挿入歌にも起用された、スピッツの95年リリース通算11作目のシングルのカヴァー。オリジナルでは草野マサムネの飄々としたヴォーカルが特徴だったが、BENIが情感を込めた実にエモーショナルな歌声でカヴァーしている。
07Suddenly-ラブ・ストーリーは突然に-
91年にリリースされた小田和正の6枚目のシングルにしてフジテレビ系ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌のカヴァー。サビの切ないメロディを色香たっぷりのヴォーカルでみごとに歌い上げている。エレクトロな4つ打ちのアレンジも◎。
08もう恋なんてしない
日本テレビ系ドラマ『子供が寝たあとで』主題歌に起用の、槇原敬之の5枚目のシングル(92年リリース)のカヴァー。ストリングスのゴージャスな音色を取り入れた温もりあふれるサウンドと大らかかつ情熱的なヴォーカルが心地よい。
09桜坂
2000年に発表された福山雅治の15枚目のシングルのカヴァー。ストリングスやピアノのきらびやかで温もりあふれるサウンドと包容力のあるヴォーカルが、美しいメロディをよりいっそう引き立てている。優しい響きのバラードだ。
10ここにしか咲かない花
2005年に発表されたコブクロの11枚目のシングルのカヴァー。畳み掛けるような切ないメロディを、繊細かつ包容力のあるヴォーカルで紡いでいる。柔らかく優しいサウンドと静かな情熱を感じる歌声のコントラストを楽しみたい。
11今のキミを忘れない
2011年にリリースされたナオト・インティライミの4枚目のシングルのカヴァー。清涼感のあるダンサブルなサウンド・アレンジとエモーショナルなヴォーカルが絶妙にマッチした、パワフルな気分になれるナンバーだ。
12いとしのエリー
1979年リリースの、サザンオールスターズ3枚目のシングルのカヴァー。アーバンな4つ打ちを取り入れたスローかつスタイリッシュなR&Bアレンジと気だるさと艶やかさを感じさせるヴォーカルで、大人のムードを演出している。
13TRUE LOVE
フジテレビ系ドラマ『あすなろ白書』主題歌で93年にリリースされた、藤井フミヤの2枚目のシングル。ピアノを中心にしたシンプルな伴奏が心に沁みる、穏やかで切ないメロディのバラード・ナンバーだ。柔らかく優しいヴォーカルに癒される。
[Disc 2]〈DVD〉
01Ti Amo (Music Video)
02瞳をとじて (Music Video)
03LA・LA・LA LOVE SONG
04Ti Amo