ガイドコメント
前作『ハンズ・オール・オーヴァー』以来約2年ぶりとなる、4枚目のスタジオ・アルバム。ウィズ・カリファを迎えた「ペイ・フォン」をはじめ、LA録音による多様でポップな仕上がりに。「キス」に代わり「レッツ・ステイ・トゥゲザー」を収録した新装版。
収録曲
01ONE MORE NIGHT
アルバム『オーヴァーエクスポーズド』からの2ndシングル。マックス・マーティンとシェルバック制作によるレゲエのバックビートを用いたやや陰りのある曲で、もう君と過ごすのはあと一晩だけ! といいながらも何度も繰り返す中毒的な関係を歌う。
02PAYPHONE
ベニー・ブランコ、シェルバックとの共作による4thアルバムからの1stカット。君へかけるペイフォンは使い果たしてしまったと失恋を嘆くが、フックのファルセットにはむしろ清々しさも。ウィズ・カリファは上から目線でフロウするが、アダムは最後まで恨み節。
03DAYLIGHT
別れが近づく最後の夜を惜しむ気持ちを歌う、スケールの大きなヴァイブスを持ったミディアム・チューン。バックストリート・ボーイズやブリトニー仕事で著名なマックス・マーティンとアダムの共作で、終盤の“ウオーォ”のリフレインがどこかもの寂しい。
04LUCKY STRIKE
鼓動を高ぶらせる前のめりなビートで展開するキャッチーなアッパー。100万人に一人の“ボクのど真ん中な女性”をラッキー・ストライクと表現。アダムの声もゴキゲンだ。制作はライアン・テダー&ノエル・ザンカネラ。
05THE MAN WHO NEVER LIED
嘘なんてつく男じゃなかったのに……君を傷つけることがどうしてもできなかったと繰り返す痴話喧嘩ストーリー。嫌気がさすテーマだが、ルーマニア出身マリウス・モガとカナダ人ブライアン・ウエストが書いた曲調は軽快なアッパー・ダンサー、というギャップも面白い。
06LOVE SOMEBODY
ライアン・テダー&ノエル・ザンカネラによるディスコ・テイストを効かせた爽快なポップ・ダンサー。僕を頂上へ連れていってくれるような人と恋がしたいと、伸びやかで広がりある歌唱を披露する。気ままに空を舞うような心地よさが魅力。
07LADYKILLER
メンバーのジェイムス・ヴァレンタイン中心に手掛けたミディアム・チューン。どこかしら退廃的なムードも漂うファンキー・テイストの曲で、スリルだけを求める女に騙されるなと諭す。2分40秒強という短い曲だが、存在感は抜群。
08FORTUNE TELLER
太くうねるボトムとアダムの伸びやかなヴォーカルが対照的な4つ打ちダンサー。占い師じゃないから未来はわからないけどそばにいて欲しいと告げる、マルーン5らしい視点の世界観が特色。ノア“メイルボックス”パソヴォイ、ジェイムス、サム・ファラーが制作。
09SAD
ゆっくりと陽が陰っていくような、美しくもはかなげな鍵盤が支配するミディアム・スロー・バラード。きちんと言うべきことを伝えられずに後悔する男の心境を綴る。コーラス終わりの“すごく悲しい”と告げるフレーズが、なんともやるせない。
10TICKETS
外見は完璧、中身は空っぽ。そんな彼女に誰も近づかないのに、なぜか僕だけ……わかっていながら誘惑に負けた男についての自虐ソング。ちょっぴりヒネたメロディとグルーヴィな曲調が彼ららしい。シンガロング必須のコーラスも魅力。
11DOIN' DIRT
スウェーデン出身のシェルバックによる80年代ディスコを彷彿とさせるダンス・チューン。アバあたりの北欧風を想わせる、君のせいで悪さをしちゃってると告げる官能的な歌だ。カッティング・ギターが走り、アダムが軽快に歌う後半が興奮度高し。
12BEAUTIFUL GOODBYE
初めて会った時の瞳の輝きに惹かれ恋に落ちた日を回想しながら、涙を流す君を目の前にした男の心境を綴る。ベニー・ブランコによる安らぎも感じさせるミディアムに寄り添うような、優しくも侘びしい歌唱が印象的だ。
13WIPE YOUR EYES
冒頭からハイトーンのファルセットを効果的に用いた、J.R.ロテムによるミディアム・ポップ・ロック。泣きたくなったらいつでも涙を拭ってあげるよという慰めソングで、アダムの歌唱にも肩をそっと抱くような優しさが感じられる。
14WASTED YEARS
もう君と無駄な時間を過ごしたくないんだとウンザリした気持ちを綴る。時折顔を出すホーンと、南部的な陽気さがチラチラと見える土っぽいロック・サウンドが、いい匙加減で溶け合っている。2005年発表のライヴ盤『ライヴ!』に初収録された曲。
15レッツ・ステイ・トゥゲザー
16MOVES LIKE JAGGER
口笛の導入、グルーヴィなギター、キャッチーなメロディとヒット要素が詰まった4つ打ちポップ・ダンサー。ジャガーのように振る舞えば君は僕の虜と誘う。アギレラは後半からの登場だが貫禄の存在感。ミック・ジャガーとの“競演”PVも話題に。18ヵ国で1位獲得。
17PAYPHONE
4thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』からの1stシングルのリミックス。チキチキと鳴るビートと空間的な広がりを感じる背景を用意して、雲間を浮遊するようなムードに。オリジナルよりもゆったりとしたイメージだ。
18PAYPHONE
アルバム『オーヴァーエクスポーズド』からの1stシングルのリミックス。シンセを大胆に配したトランシーな4つ打ちへと変貌した楽曲は、パーティ御用達のクラブ・ユースな作風。ウィズ・カリファのラップ・パートもより映えた結果に。リミックスだが、約3分と短め。
19PAYPHONE
4thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』からの1stシングルのリミックス。どこかプリミティヴで極彩色な雰囲気も感じられるアレンジで、オリジナルとはガラッと変わった印象だ。失恋を嘆く歌だが、曲はアーシーで陽気なものとなった。