ミニ・レビュー
冷やりとクールで鋭角的なプロコフィエフではない。ヤンセンは情の振幅をきわめて大きくとって音を動かし、実に濃密に音の背後の情念と感応していく。情動は直接音に現れる。濃密に歌い熱く音を奔らせたかと思えば、ふいと響きを軽くして遥かに想いを漂わせる。その音の姿が作品の屈折を深くする。
ガイドコメント
その容姿と圧巻の実力で世界中を魅了する美人ヴァイオリニスト、ヤンセンによるプロコフィエフ・アルバム。ユロフスキとLPOの好サポートが映える協奏曲のほか、ゴランとの共演で描くソナタなど、聴きどころ満載の一枚。
収録曲
プロコフィエフ:
01ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調op.63
02「3つのオレンジへの恋」〜行進曲 (ハイフェッツ編)
032つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調op.56
04ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調op.80-1
演奏
ジャニーヌ・ヤンセン(VN) (1)ヴラディーミル・ユロフスキ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (3)ボリス・ブロフツィン(VN) (2)(4)イタマール・ゴラン(P)