ガイドコメント
2013年1月16日リリースの、シド10周年を記念した自身初となるベスト・アルバム。MBS・TBS系アニメ『マギ』オープニング・テーマ「V.I.P」も好評の彼らの軌跡が堪能できる、ファンにはたまらない選曲になっている。
収録曲
[Disc 1]
01夏恋
タイトルのとおり、“夏風邪よりも性質の悪い”夏の恋を描いたサマー・チューン。恋に落ちた女性の心模様を、きめ細やかな描写とともに綴ったマオの歌詞はさすが。サウンドも夏っぽさ全開で、キャッチーにして切ないメロディも耳に残る。
02嘘
TBS系アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』エンディング・テーマのメジャー3rdシングル。ピアノやストリングスをふんだんに用いつつ、終わった恋と“嘘”をテーマにした優しくも切ない物語が突き刺さる。
03アリバイ
ストリングスやブラスのバッキングによって、歌謡曲風のアプローチをみせるナンバー。マオの地元・福岡を舞台にした詞世界も、どこか80〜90年代のトレンディ・ドラマ風なのがユニークだ。シャキシャキと鳴るギターのカッティングがクール。
04モノクロのキス
TBS系アニメ『黒執事』オープニング・テーマに起用された記念すべきメジャー・デビュー・シングル。スパニッシュのテイストも感じさせるイントロから緊迫したバンドのアンサンブル、サビで弾けるアレンジなど、細部まで詰められた疾走感のあるナンバーだ。
05私は雨
“天神”“百道浜”など、福岡の地名が登場する悲しい恋の歌。忘れられない人を思ってひとりバーボンを飲む……そんな歌詞のシチュエーションもしっくりくる、なつかしいサウンドが新鮮。どんどん熱を帯びていくマオのヴォーカルも見事。
06レイン
ゆうやが作曲を手がけたTBS系アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』オープニング・テーマ。象徴的に降り続く雨を描いたメランコリックなラヴ・ソングで、大きなクレッシェンドを描くアレンジは王道ながらも胸に響く。
07御手紙
手紙風の丁寧な言葉遣いで綴られた歌詞をはじめ、サウンド面でも“和”な雰囲気を取り入れたミディアム・バラード。御恵明希ことベースの明希が作曲を手がけており、要所で隙間を埋める歪みをかけたベースのフレーズが印象的。
08ミルク
AOR風の洗練されたオシャレなサウンドが特徴のミディアム・ナンバー。まるで映画を観ているかのように、鮮明に映像が浮かぶ繊細な描写によって綴られる物語に引き込まれる。ファルセットを多用したマオのヴォーカルが新鮮。
09妄想日記
しんぢ作曲の歌謡ロック・ナンバー。スカっぽいアプローチを交えた軽快なリズムを中心としているが、歌詞の世界は恐怖。好きで好きでしょうがないあなたへの想いとかなりヤバめの“妄想”を綴る。ラストのフレーズはゾッとする。
10妄想日記2
タイトルのとおり「妄想日記」の続編といえるナンバー。スカのビートを取り入れるなど、アレンジ面でも前作の雰囲気を踏襲。“184の嵐で眠り奪ってあげる”など、照準は“あなた”の彼女。戦慄ものの嫌がらせを盲目的な妄想とともに綴る。
11眩暈
ストリングスなどを用いず、バンドのみのアンサンブルで聴かせるハードロック・ナンバー。リズム隊が生み出す重心の低いビートと、印象的なギターのリフで躍動感のあるサウンドを構築。マオのヴォーカルも力強く、ライヴ向きのナンバーだ。
12S
映画『貞子3D』の主題歌に起用されたハードロック・ナンバー。静謐なギターから突如轟音が鳴り響くイントロ、背筋が凍るかのような一瞬のブレイクなど、静と動の使い方が絶妙。シャウトを交えたマオのヴォーカルも迫力に満ちている。
13sleep
CHOKKAKUが編曲に参加したスケールの大きなラヴ・バラード。恋愛における心の機微を的確に捉えたマオの歌詞が胸に響く。ただストリングスを乗せただけではなく、しっかりと計算されたバンドのアンサンブルはさすがのひと言。
14ハナビラ
花びら舞う季節に結ばれた二人。明日からは別々の日々……終わってしまった恋を、後悔とともに描いたナンバー。二人で過ごした時間を思い返す言葉を彩るのは、どこまでも優しく幻想的なサウンド。切なさに拍車をかけている。
15白いブラウス 可愛い人
タイトルから抱く牧歌的な雰囲気を裏切らない、ボッサ風のアレンジが心地よいポップ・チューン。とはいえ、描かれているのは恋の終わり。初めての嘘が招いた致命的な結果、そしてやり切れない想いをエモーショナルに歌い上げる。
16and boyfriend
シンセサイザーなどを用いて、振り切ったJ-POPテイストに仕上げたサウンドが楽しいパーティ・チューン。友達としてのもどかしい距離から晴れて彼女に、そしてまた友達へ……うまくいかない恋をなんとかしようともがく、乙女心を的確に捉えた歌詞が見事。
17エール
パンク/メロコア的なアプローチを取り入れた疾走感のあるロック・チューン。カラッと突き抜けたサウンドとは裏腹に、メロディやヴォーカルは柔らかく心に染みる。“欠点も角度を変えたら個性”という言葉に力をもらえるシド流応援歌だ。
18V.I.P
TBS系アニメ『マギ』のオープニング・テーマに起用されたアップ・テンポなポップ・ナンバー。色鮮やかで躍動感のあるサウンドに、彼ららしいエモーショナルなメロディを乗せたアレンジの妙が光る。自身のことを書いたようにも思えるマオの歌詞も耳に残る。
[Disc 2]〈DVD〉〈10th Anniversary 秘蔵 Live Collection PART2〉
01刺と猫 (2008.11.2 日本武道館 メジャーデビュー記念ライブ)
02できそこない (2010.3.11 Zepp Tokyo ライブハウスツアー「いちばん好きな場所2010」スペシャル公演-ペア限定リクエストカウントダウンLIVE-)
032月 (2010.12.11 TOKYO DOME YEAR END CLIMAX 2010〜全てのシドへ〜)
録音
[2] (1)2008.11 (2)2010.3 (3)2010.12