ミニ・レビュー
おなじみ2MC、1DJの3人組による5枚目のアルバム。ヒップホップを取り入れた元気系J-POPというべきスタイルで、徹底してポジティブなリリックをエモーショナルなヴォーカルで歌い、アッパーからセンチメンタルまで多様な曲を聴かせる。華やかなパーティ・アルバムの趣。
ガイドコメント
2012年12月26日リリースの5thアルバム。フジテレビ系ドラマ『早海さんと呼ばれる日』主題歌「この世界に生まれたわけ」や「LIFE IS A PARTY」「サヨナラじゃない」といったシングルを含む、2012年を締めくくる注目作。
収録曲
01Say!Joy!
スカのフレイヴァも忍ばせた爽快に突き抜けるアッパー・チューン。ポップなメロディに乗せて君との“ワンナイトパーティー”を歌ったキラー・チューンだが、“Say!Joy!”“Kick!Joy!”など多くは説明できないフレーズもたっぷり。
02LIFE IS A PARTY
“ビリー隊長”がジャケを飾った19thシングル。デヴィッド・ゲッタよろしく図太いシンセのフレーズが支配するド直球のEDMナンバーで、ラテンのテイストも含ませたゴキゲンなサウンドに乗せて、“一度限りの人生”を楽しむべく背中を押してくれる。
03夢で逢えたら〜I'm feelin'you〜
バラードとしても通用しそうなスケールの大きなメロディを、EDMテイストのサウンドで強気にコーティングしたアップ・チューン。離ればなれになってしまった君とせめて夢で逢えたら……シンプルな願いだけに、強く心に響く。
04この世界に生まれたわけ
“あなたとなら”の歌いだしから一気に心を掴まれる、フジテレビ系ドラマ『早海さんと呼ばれる日』主題歌の18thシングル。“この世界に生まれたわけ”を分かち合うことのできるあなたへの感謝と愛をひたすらにまっすぐ綴った歌詞が感動的だ。
05サヨナラじゃない
内村光良が監督を務めた映画『ボクたちの交換日記』主題歌の20thシングル。美しいアコギのアンサンブルをバックに、焦燥感を煽るような4つ打ちのビートで走るアップ・チューンで、未来に向かう力を与えてくれるファンモンらしいナンバーだ。
06幸せを抱きしめよう
君が愛されているのは、いつの日か誰かを真直ぐに愛してあげたから……。ゆったりとしたレゲエのビートに乗せて生きる喜びを歌ったハートウォームなミディアム・チューン。大切な人に語りかけるようなヴォーカルが心地よい。
07街中でケンカしてるカップルを見かけると大抵女性が怒ってる
派手なブラスとベンチャーズ風のギターを効かせた歌謡曲テイストのロックンロール・チューン。誰でも一度は経験があるような女性の理不尽な怒りを綴っており、男たちに“わかる!”と思わせたところでまさかの裏切り。……ズルい。
08Journey
バンジョーやフィドル、アコーディオンなどを用いたケルト・サウンドに胸が躍るポップ・チューン。一度限りの人生を旅にたとえ、バックパッカーのように自由に歩いていこうと歌う。大事なメッセージを鼻歌交じりで伝える軽さが肝だ。
09WE ARE FUNKY MONKEY BABYS
直球のタイトルを冠したファンモンのテーマ・ソング。クラブ・レゲエ系のアッパーなビートに乗せて、コール&レスポンスにピッタリなフレーズも織り交ぜつつ、彼らが歩んできた歴史や“BABYS”へのメッセージを込めた、笑って泣けるナンバーだ。
10いいんじゃない
立ち向かっていくことばかりが正解じゃない、後ずさりしてみるのもいいんじゃない……。誰もがかけてほしい言葉をサラリと言ってのける姿に心が温まる。胸に響くメッセージを伝えつつ、感傷的になりすぎず踊れるサウンドに仕立てるセンスも絶妙。
11走りだそう
agehasprings田中隼人ならではのどこまでも爽やかなサウンドをバックに、“未来のための今”を大切に、という普遍的なメッセージを優しく歌い上げる。つめこみ気味にリリックをのせた高速ラップの疾走感も心地よい。
12最後の人
何度も傷つけてきた“最後の人”へ向けて、永遠の愛を誓うミディアム・バラード。アコースティック・ギターを中心とした奥行きのあるサウンドとはミスマッチとも思える力強いビートが、まっすぐな決意のようなものを感じさせる。
13夏の終わりに
ピアノとアコースティック・ギター、そしてストリングスで練り上げたドラマティックなサウンドが“夏の終わり”のどこか切ない雰囲気を作るミディアム・バラード。目の前に鮮やかな映像が浮かんでくるようなリリックも見事のひと言。
14PSYレントジェラシー
“八王子ファミリー”が作詞(?)作曲からプロデュースまでを手がけたインストゥルメンタル。彼らにとって最後のオリジナル・アルバム、さらにそのラストのナンバーでバッキバキのクラブ・ミュージックを聴かせる天邪鬼ぶりがたまらない。