ガイドコメント
BIGBANGのメンバー、D-LITEによる日本ソロ・デビュー作はJ-POPカヴァー集。亀田誠治、松尾潔、笹路正徳、VERBALの4人を制作に迎え、D-LITEのヴォーカリストとしての魅力を引き出した一枚。オリジナル曲も2曲収録。
収録曲
01陽のあたる坂道
日本で初のソロ・デビュー作にしてカヴァー集となった『D'scover』の幕開けを飾るのは、Do As Infinityの代表曲(2002年)。空にすうっと伸びていくような清らかなヴォーカル、前向きな歌詞、ピアノの旋律と鐘の音が多幸感を生み出す。
02アイ
秦基博のシングル(2010年)のカヴァー。原曲ではローズピアノが温かさを出していたが、ホーンが入りさらに華やかさもプラスされたミッド・バラードに。伸びやかに歌い上げるスタイルは、秦とも親和性が高く、とてもよく合っている。
03歌うたいのバラッド
アルバム『D'scover』のタイトル・チューンにもなった、斉藤和義によるラヴ・バラードの名曲(97年)。斉藤の素朴さに比べ、スウィート&ソウルフルなD-LITEの声を最大限活かすべくアレンジを手がけたのは亀田誠治。真摯に胸に響く一曲だ。
04全力少年
スキマスイッチの代表曲(2005年)のカヴァー。ストリングスとホーン隊が華やかな色を添えたポップ・チューンで、D-LITEの人懐っこい一面と少年の無邪気さ全開の歌詞がリンク。笑顔や楽しさがあふれ出た、胸がすくようなヴォーカルだ。
05Hello
絢香が活動再開後に発表したアルバム『The Beginning』(2012年)のリード曲のカヴァー。原曲のエネルギッシュなバンド・サウンドを大切にしつつファンキーなピアノが絡み、ウキウキする仕上がりに。女性の歌でもなんなく自分色に染める歌唱能力の高さには舌を巻く。
06じょいふる
アルバム『D'scover』中もっとも原曲と離れた挑戦的なアレンジと言える、情熱のラテン・ジャズでいきものがかりをカヴァー。原曲のおちゃめなポップさとは対照的に、淫靡な怪しさすら漂う。ヴォーカルも誘うようなセクシーさが全開。
07やさしさで溢れるように
JUJUを一躍有名にした2009年のミディアム・バラードのカヴァーは、松尾潔の手により、スムースでアーバンなアレンジに。後半のD-LITE自身のコーラスを重ねて、情熱的にたたみかけるヴォーカル・アレンジは切ない歌詞と相まって真摯に胸に響く。
08逢いたくていま
ドラマ『JIN-仁-』の主題歌として話題になった、MISIAのバラード(2009年)のカヴァー。原曲のずっしりとした荘厳なストリングスは軽やかになり、D-LITEのストレートかつ繊細な歌唱力を見せ付ける仕上がりに。つくづくバラードが似合う。
09夢の蕾
レミオロメンの2009年のシングルで、彼らのベスト盤を聴いてD-LITE自身が一番気に入ったというロッカ・バラードのカヴァー。終盤に向かって熱量を増していく歌唱、半音上げた展開が、冬の終わりから暖かい春を迎える描写と重なる。
10BABY DON'T CRY
韓国でのソロ曲の日本語ヴァージョンで、2011年のジャパン・ツアーでも披露された一曲。ひそかに思いを寄せる女性が失恋、何も出来ないけど……泣かないで、と歌う切ないミッド・バラード。終始語りかけるような優しいヴォーカルが印象的。
11WINGS
G-DRAGONと共作した韓国でのソロ曲の日本語ヴァージョン。彼女に別れを切り出されるも、なんとか前に進もうとする男性の心情を描いた一曲。小気味よいギター・リフと空が開けていくような爽快なストリングス・シンセが効いたエレクトロ・ロックだ。
12今夜はブギー・バック (nice vocal) (feat.VERBAL (m-flo))
小沢健二&スチャダラパーの名曲(94年)のカヴァー。オザケン・パートはD-LITEが、スチャ・パートはVERBALが担当。オリジナルなリリック、BPM早めのEDM風サウンドと、とことんスタイリッシュに仕上げられている。