ミニ・レビュー
シューベルトのソナタの中でもとりわけ没入耽溺に誘いこむ蠱惑の2作だが、ピリスは細心のデリカシーを隅々まで行き届かせつつも、響きの色の差やリズムの形を明快に保ち、想いをもたれさせることなく音を動かしてズブと時間を止めてしまうことがない。だから細部に耳が働き感性が動く。ならではの熟演。
ガイドコメント
ポルトガル出身の女性ピアニスト、ピリスによるシューベルトのピアノ・ソナタ集。中期を代表する第16番、亡くなる2ヶ月前に作曲された第21番を収録。シューベルト弾きとしても高い評価を受ける豊かな音色を堪能できる。