ミニ・レビュー
荘重なフランクに始まり幻想的なショパンで締め括る魅惑のCD。小山実稚恵ならではのこだわりを感じる選曲である。技巧を前面に出さず深い憧憬の気持ちを歌い上げた「愛の死」に心酔する。音色も飛び切り美しく、新境地を拓いたピアニストに賛辞を呈したい。★
ガイドコメント
日本を代表するピアニスト、小山実稚恵のアルバム。ピアノという楽器の表現の限界に挑んだ意欲作で、円熟期に入った小山の珠玉の演奏を堪能できる。ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」やショパン「幻想ポロネーズ」を収録。
収録曲
01前奏曲、コラールとフーガ (フランク)
02無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004〜シャコンヌ (J.S.バッハ/ブゾーニ編)
03即興曲op.142-3 (D.935-3) (シューベルト)
04イゾルデの愛の死 (ワーグナー/リスト編)
05ポロネーズ第7番変イ長調op.61「幻想」 (ショパン)