ガイドコメント
約2年半ぶりとなる、2013年4月10日リリースのアルバム。フジテレビ“ノイタミナ”アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』オープニング・テーマ「abnormalize」ほか、予測不能な曲展開が魅力のナンバーを多数収録。
収録曲
01Beautiful Circus
イントロのカオティックなリフから暴れまわるドラム、そしてTKと345のヴォーカルの掛け合いと“時雨節”全開のアップ・チューン。“サーカス”という象徴的な言葉を印象的に響かせつつ、“Telecastic”などTKならではの言い回しも健在。
02abnormalize
アルペジオと歌による幕開けから、変態的なリフをきっかけに高速BPMと驚異的なテンションで圧倒するアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の主題歌。構成は(彼らにとっては)比較的シンプルだが、いたるところにギミックを施したキラー・チューンだ。
03Metamorphose
タイトルのとおりドラムのビートや曲調が次々と変化していくトリッキーなナンバー。破綻寸前の張り詰めた空気で突き進み、サビではまさかのシャッフルへと展開する遊び心に惹きつけられる。ギター・ソロから3人のユニゾンで迫るブリッジは圧巻。
04Filmsick Mystery
音像が見えなくなるほどまでに歪ませたベースと金属的なギターの対比が美しいミディアム・アップ。前半はどこか無機質なテイストで進むが、中盤からは一気にドラマティックに加速していく。345の伸びやかな歌唱が映えるソリッドなサウンドが魅力だ。
05Sitai miss me
奥行きのあるギターのアルペジオと和音を駆使しつつうねるベース、極限までタイトなドラミングとそれぞれ異なる役割で豊かなアンサンブルを奏でるナンバー。壮大なドラマを描いた末に、さらに大サビへと変化するラストのインパクトは強烈。
06make up syndrome (album mix)
ドリーミーな響きを持たせた345のコーラスと交錯するような、TKのエモーショナルな叫びが刺さる。やや抑え目なテンポゆえ、凝りに凝った細部のディテールがくっきりと浮かび上がる。夢からはたと醒めたような中盤からの展開が見事。
07MONSTER
インストとしても成立するようなイントロの導入がクールなナンバー。縦ノリのビートの上で345とTKの掛け合いが展開するサビのメロはキャッチーだが、全体を覆うのはセンチメンタルなテイストだ。全編にわたるギター・カッティングがアクセント。
08キミトオク
幻想的なアルペジオを中心とした穏やかな幕開けが、どこかTKのソロ作を思わせるドラマティックなナンバー。ベース&ドラムも序盤は的確に隙間を作りながら支えるが、徐々に熱を帯びていくアレンジが絶妙。サビでの絶叫は迫力満点。
09Missing ling
ひとりごちるようなギターの弾き語りではじまる7分近くに及ぶ大作。長尺にまかせて大きなクレッシェンドを描くのではなく何度も静と動を繰り返す練りあげられたアレンジは、文学性の高いTKとの言葉も相まって、まるで映画を観ているかのよう。