ミニ・レビュー
NHK Eテレとも連動している坂本龍一監修の音楽全集『音楽の学校(=schola)』の“20世紀の音楽I”だ。シェーンベルク以降を取り上げている。CDは参考資料という意味合いだが、さすがに採り上げた曲や演奏はよく吟味されている。本のほうも坂本らの座談会や論文、曲目解説など充実している。
ガイドコメント
坂本龍一による音楽全集シリーズの第12巻のテーマは、“20世紀の音楽 I”。本作では20世紀前半の音楽の形が大きく変わろうとしていた時期を取り扱っている。坂本、浅田彰、小沼純一、岡田暁生による座談会など、解説も充実。
収録曲
01六つのピアノ小品op.19〜第1曲 軽く、柔らかく (アーノルト・シェーンベルク)
02管弦楽のための変奏曲op.31〜導入部 中庸に、静かに (アーノルト・シェーンベルク)
03オルガン・ソナタ (二つの断章)〜モルト・モデラート (アーノルト・シェーンベルク)
04管弦楽のための五つの小品op.10 (ウェーベルン)
05ピアノとチェロのための三つの小品op.11 (ウェーベルン)
06「ルル」組曲〜第5曲 アダージョ・ソステナート (アルバン・ベルク)
07二重奏曲op.7〜第1楽章 テンポ・ディ・ミヌエット (ハンス・アイスラー)
08「三文オペラ」第2幕〜セックスの虜のバラード (クルト・ヴァイル)
09「春の祭典」第2部 いけにえ〜いけにえの踊り (ストラヴィンスキー)
10詩篇交響曲〜第1楽章 主よ、わが祈りを聞きたまえ (ストラヴィンスキー)
11イオニザシオン (エドガー・ヴァレーズ)
12「神話」三つの詩op.30〜第1曲 アレトゥーザの泉 (シマノフスキ)
13ルーマニア民俗舞曲 (バルトーク)
14弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽Sz.106〜第1楽章 (バルトーク)
15ヴァイオリンとチェロのためのデュオop.7〜第1楽章 アンダンテ・トランクィッロ (コダーイ)
16人間の顔〜第1曲 この世のすべての春のうちで (プーランク)
17美しき水の祭典〜第1曲 最初の打ち上げ花火 (メシアン)
18世の終わりのための四重奏曲〜第1曲 水晶の典礼 (メシアン)
演奏
(1)内田光子(P) (2)ピエール・ブーレーズ指揮 BBC交響楽団 (3)ハンス=ウーラ・エリクソン(OG) (4)ピエール・ブーレーズ指揮 ロンドン交響楽団 (5)グレゴール・ピアティゴルスキー(VC) チャールズ・ローゼン(P) (6)ジュディス・ブレゲン(S) ピエール・ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック (7)ルドルフ・ウルブリヒ(VN) クレメンス・ディルナー(VC) (8)ロッテ・レーニャ(VO) ヴィルヘルム・ブリュックナー=リュッケベルク指揮 自由ベルリン放送協会 (9)ピエール・ブーレーズ指揮 クリーヴランド管弦楽団 (10)ピエール・ブーレーズ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベルリン放送合唱団 (11)リッカルド・シャイー指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (12)イダ・ヘンデル(VN) ヴラディーミル・アシュケナージ(P) (13)(14)ミヒャエル・ギーレン指揮 バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団 (15)ジャン=ジャック・カントロフ(VN) 藤原真理(VC) (16)エリック・エリクソン指揮 オランダ室内合唱団 (17)モントリオール・オンド・マルトノ・アンサンブル ジャン・ロランドー,ルイーズ・ラロース(オンド・マルトノ) (18)タッシ