ミニ・レビュー
「雪の音」から「HEROES」まで、2012〜13年のヒット・シングル4曲を収録した5枚目のアルバム。エレクトロニックなものからバンドに近いものまで、何でもありのサウンドは元気で楽しいが、「フタリ」「桜color」などせつない恋歌や「両親への手紙」のような泣かせる歌など、後味はいつも以上にセンチメンタル。
ガイドコメント
2013年6月19日リリースの5thアルバム。「雪の音」「桜color」「イカロス」「BEST FRIEND」「陽の光」「あいうえおんがく♬」「HEROES」といったCMやドラマで話題の楽曲を含む、ヴォリューム満点の充実作だ。
収録曲
01ファンファーレ
アルバム『いいね!(´・ω・`)☆』の冒頭を飾るイントロダクション。行進曲のようなサウンドをバックに、“われわれGReeeeNは〜”とアルバムの開始を宣言。おちゃらけているようで、真摯に向き合う姿が好印象。
02あいうえおんがく
テレビ東京系アニメ『LINE TOWN』オープニング・テーマに起用されたポップ・チューン。人は進化を遂げてきたけれど、“ボインとシイン”を組み合わせて愛を語るのは変わらない。徹底的にシンプルな考え方ゆえ、途方もない強さが宿る。
03HEROES
21枚目のシングルは、日本テレビ系『でたらめヒーロー』主題歌。ピアノを基調にした抑え目なパートと力強いビートを交えたサビとが交互に登場するミディアム・チューンだ。“僕もあなたも 誰かのHERO”なんだと声高に宣言する。
04恋のワールド
奇を衒うことないキャッチーなメロディを、チープでキュートなサウンドで包み込んだポップ・チューン。“世界中の偉い人”が集まっても今の僕の感情の解決策は見つからない……古今東西、恋の悩みは一緒なんだと飾らない言葉で歌い上げる。
05フタリ
僕には君がいなきゃ、いろんな意味をなくしてしまう……大切なあなたへの想いをただまっすぐに綴った感動的なラヴ・ソング。オルゴールのような音色をバックにした前半から、シンセサイザーを用いた中盤でガラリとテイストを変えるアレンジがユニーク。
06桜color
AOKIのCMソングに起用された19枚目のシングルは桜ソング。ダイナミクスに富んだアレンジが曲にうまく物語性を生んでいる。テンポまでをも変化させる自由自在のアレンジに加え、ちょっぴり和のテイストをいれたフレーズもいいアクセント。
07BEST FRIEND
個別指導学院のCMソングは、限られた時間を示唆するように性急に走るビートが印象的な青春ソング。流れていく時のなかで忘れてしまうこともあるけれど、支え合う友は変わらない。身近過ぎて気がつかない大切な存在を再認識させてくれる。
08トゥルラッタッタッティオーゥイエー!!!!
思わず口に出して読みたくなるタイトルのフレーズをフックに、スカやロックのテイストを取り入れつつ超ハイテンポで突き進むナンバー。世界中でいろんなことが起きているけれど、僕の頭は君でイッパイ!! 恋に振り回される男の姿を描く。
09イカロス
蝋の翼を背負って大空を舞ったギリシア神話・イカロスの物語をモチーフとした「カルピスソーダ」CMソング起用の20枚目のシングル。ガシャガシャとした音数多めのビートに乗せ、恐れずに前へ進めと力強く背中を押してくれる。
10Cooking 彼氏
“トゥルリーラー”“ホーミータイ”など、カタカナ英語や擬音を用いたノリのいい歌詞が心地よいリズムを生み出すアップ・テンポのポップ・ナンバー。中盤で突拍子もないフレーズのブリッジをはさむなど、彼らならではの自由自在なアレンジも楽しい。
11両親への手紙
結婚していく娘を主人公に、両親への感謝の想いをしたためた歌詞が感動的なミディアム・バラード。教えてくれた愛や強さを二人で真似していけるように……誰もが共感できるフレーズの数々は意外性こそないが、涙腺には効果バツグン。結婚式にはピッタリ。
12雪の音
18thシングルはJR東日本『JR SKI SKI』CMソングのウィンター・ソング。オルゴールのような音色でどこか悲しげなフレーズを奏でるイントロから、冬を感じさせる小さな仕掛けが満載。ドラマティックに弾けるサビのメロディは秀逸だ。