ミニ・レビュー
絢香の初となるカヴァー・アルバム。収録曲はポピュラーなものがほとんどで、名曲をリスナーに伝えるというよりは、彼女自身がレジャー気分で楽しむことを重視した印象だ。CDもいいけど、素顔が垣間見られるドキュメンタリーやスタジオ・ライヴを収めたDVDの方が面白かったりして。
ガイドコメント
2013年9月4日リリースの絢香初となるカヴァー・アルバム。荒井由実、中島みゆき、小田和正、サザンオールスターズ、Mr.Children、宇多田ヒカル、RADWIMPS……ほか時代を超えた名曲を、“学ぶ”をテーマにカヴァーした渾身の一枚。
収録曲
[Disc 1]
01やさしさに包まれたなら
荒井由実の1974年発表の3rdシングルで、アニメ映画『魔女の宅急便』のエンディング・テーマとしても知られる名曲のカヴァー。カントリー・テイストの伴奏に乗せた、カラッとした爽快なヴォーカルがマッチしている。
02シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜
Mr.Childrenの95年発表の名曲のカヴァー。桜井和寿ばりのエモーショナルなシャウトを交えたヴォーカルとゴージャスなホーンが響くアッパーなロック・チューンに仕立てている。ドラマティックな展開にノリノリになること必至。
03ロビンソン
スピッツが95年にリリースしたミリオンセラーを記録したシングルのカヴァー。原曲の飄々としたイメージとは異なる情感を込めたエモーショナルなヴォーカルだが、声質がカラッとしているので爽快感はバッチリだ。
04タユタ
2009年にRADWIMPSが発表したアルバム『アルトコロニーの定理』収録曲のカヴァー。淋しくて心細い心境を、マイナー・コードのバンド・サウンドに乗せて透明感あふれるヴォーカルで切なく歌い上げている。
05瞳をとじて
2004年リリースの平井堅のヒット・シングルのカヴァー。序盤は低音がよく響く音程で、サビに向かうにつれ伸びやかな高音シャウトが聴ける。R&Bテイストのサウンドということもあって、“ディーヴァ”感が漂う豊潤なヴォーカル・ワークが楽しめる。
06空と君のあいだに
ドラマ『家なき子』主題歌として知られる、中島みゆきの94年発表のヒット曲のカヴァー。流麗なストリングスを全体に配したゆったりとしたテンポの壮大なアレンジと爽快なヴォーカルが、絶妙にマッチしている。原曲とはだいぶ違うイメージを持つ人が多そうだ。
07LA・LA・LA LOVE SONG
久保田利伸が96年に発表したヒット曲のカヴァー。アッパーなブラック・ミュージックと絢香の爽快かつ豊潤なヴォーカルが良く似合う。パーカッションとストリングスの重厚なサウンドとゴキゲンなメロディに心が弾む。
08Movin' on without you
99年リリースの宇多田ヒカルの2ndシングルを、ダンサブルな4つ打ちのアレンジでカヴァー。冷静さを感じさせる低音ヴォーカルはどこかセクシーで、サビ部分の高音シャウトはとてもアグレッシヴ。クルクルと表情を変える歌声に夢中になる。
09歩いて帰ろう
フジテレビ系子供番組『ポンキッキーズ』で起用された、斉藤和義の94年リリースのヒット・シングルのカヴァー。伸びやかでアッパーなヴォーカルとホーンを加えたアレンジがマッチした、とびっきり明るい楽曲に仕上がっている。
10真夏の果実
サザンオールスターズの90年発表のヒット曲のカヴァー。ウッド・ベースの優しい響きを基にしたシンプルな演奏と穏やかなヴォーカルが心地よいアコースティックなアレンジに。ささやくような歌声が、よりいっそうリラックスした気分にさせてくれる。
11たしかなこと
2005年に小田和正がリリースしたヒット・シングルのカヴァー。繊細でささやくような歌声からエモーショナルで力強いヴォーカルまで、幅広く味わえる。歌の表現力のすばらしさをあらためて感じるに違いない仕上がりだ。
[Disc 2]〈DVD〉
01スペシャルドキュメンタリー密着映像 (特典映像)
02空と君のあいだに (Music Video)
03LA・LA・LA LOVE SONG (Music Video)
04瞳をとじて (Music Video)
05やさしさに包まれたなら (音楽で遊んでみた (Studio Session LIVE)シリーズ)
06LA・LA・LA LOVE SONG (音楽で遊んでみた (Studio Session LIVE)シリーズ)