ガイドコメント
2013年9月25日リリースのベスト・アルバム。これまでの軌跡をたどるベストであり、世界デビュー盤ともなる一枚。「DEVIL SIDE」をはじめ、英語詞で再レコーディング&ミックスや新たにレコーディングした曲など、全13曲を収録している。
収録曲
01DEVIL SIDE
疾走感のあるロック・サウンドを響かせる5thシングル。“フロアー”や“ダイヴ”など、ライヴを思わせる単語を取り入れつつ、“DEVIL SIDE”を呼び覚ますんだ、と妖しく誘うセクシーかつ力強いヴォーカルが印象的。
02REDRUM
ハードロック然とした重心の低いリフが一貫して曲を引っ張る攻撃的なナンバー。逆さまから読むと“殺人”という意味を持つ単語をタイトルに冠し、“逆転した世界で正義は何か?”と問うレトリックに富んだ歌詞が見事。サビの開放感も格別だ。
03REVOLUTION2
2ndアルバム収録の「REVOLUTION」から、大幅にアレンジを変更した“II”。もともとダンス要素が強かったが、エレクトロ・サウンドを取り入れ攻撃力は増加。力強いシャウトと踏み鳴らすストンプに体を突き動かされる。
04THE PAST
どこか妖しげな雰囲気を漂わせるロック・チューンで、2ndアルバム収録ヴァージョンから全英詞に変更。“過去に戻れるなら君を救ってみせる”と悩ましげに歌い上げる。幻想的にも嘆きの声にも聴こえるギター・ソロが秀逸だ。
05LOVE ADDICT
1stシングルは、イントロから登場する軽快なリフで突き進むキラー・チューン。“愛の中毒”にかかった男の叫びを歌っており、ダウナーな部分と突き抜けるサビの対比が楽しい。パートごとに歌の表情を変えるHYDEの歌唱も見事だ。
06ANGEL TRIP
かき鳴らすギターが洪水のように押し寄せる、疾走感あるサウンドで駆け抜ける6thシングル。歌詞がすべて英語に変更されており、リズムに対する言葉のノリも抜群。シンプルなメロディをコードワークで際立たせるサビの高揚感に身を預けたい。
07MEMORIES
2ndアルバムからシングル・カットされたミディアム・テンポのロック・チューン。歌詞がすべて英語に変更されたことで言葉の響きはまったく変わったが、切なく淡い雰囲気は健在。音数は多いものの、思い出に浸らせるようなノスタルジックなサウンドが泣ける。
08SWEET DREAMS
1stアルバムからリカットされた4枚目のシングルは、ピアノやエフェクトを効かせたギター、ストリングスで“甘い夢”の中にいるような世界を作り上げたバラード。その雰囲気をさらに際立たせる、HYDEの幻想的な歌声に酔いしれる。
09Life On Mars?
デヴィッド・ボウイが1973年に発表した楽曲のカヴァー。原曲に比べ、ハードロック的なサウンドを含めダークな方向に大きくシフト。それでもファンタジックな雰囲気は随所に残しており、物語性の高い歌詞の世界にさらなる深みを与えている。
10VAMPIRE DEPRESSION
デジタルなサウンドを取り入れたハードロック・ナンバー。“Just blind me!”というシャウトのバックで暴れたおすカオティックなアレンジを施した印象的なサビからは、“ヴァンパイアの憂鬱”が痛いほど伝わってくるようだ。
11MY FIRST LAST
シタールのような音色やタブラを配して、大陸的な雰囲気をまとった不思議な味わいを持つナンバー。死を迎え“宇宙と一つになる”瞬間を歌った果てしなく大きなスケールの歌詞を、祈りにも似たヴォーカルで歌い上げるHYDEの技量に感服。
12HUNTING2
ラモーンズを思わせる“HI HO Let's hunt!”のシャウトで全編突き進む2分弱の短いナンバー。「REVOLUTION」と同じく“II”の名を冠し、デジタルな要素を多分に取り入れており、パワフルなバンド・サウンドとも相性も抜群だ。
13SEX BLOOD ROCK N'ROLL
VAMPSというバンドのイメージ・ソングともいえる、ライヴにピッタリの攻撃的なパンク・ナンバー。そこら中のものを叩く音や指笛、奇声など、まるでヴァンパイアたちの無邪気なパーティを覗いているかのような気分にさせる細かい仕掛けが楽しい。