ガイドコメント
前作『JPN』以来約2年ぶり、ユニバーサル移籍後初のオリジナル・アルバム。「Spring of Life」「Spending all my time」「未来のミュージアム」「Magic of Love」といったシングルに新曲を加えた充実作。
収録曲
01Enter the Sphere
“Sphere”とは惑星、天空、範囲の意味だが、ここでは“さあPerfumeの世界へ”くらいのニュアンスか。アルバム『LEVEL3』の冒頭を飾るエッジの効いたテクノ・ハウス調でインスト度が高いが、中盤の冒険RPG風なアレンジなどで飽きさせない工夫も。
02Spring of Life (Album-mix)
キリン「氷結」CMソングとなった15thシングルのリミックス。弾けるような恋をしようの詞世界どおり、“春”と“弾む”を重ねたジョイフルなハウス・サウンドが弾む。エレクトリカルパレード風のファンタジックな音色もリズム感をアップ。
03Magic of Love (Album-mix)
ズンズドッコというリズムが走るが、胸騒ぎを感じる甘酸っぱい旋律など「love the world」路線のスウィート・テクノ・ポップ。永遠の愛の魔法をかけてほしいと願う、けなげな恋心を絶妙に描く。カンロ「ピュレグミ」CMソング起用の18thシングル。
04Clockwork
浮遊感漂う“Wah Wah Wah”のフレーズが印象的なテクノ・ポップ。ぜんまい仕掛けの人形がこのまま歯車よ止まらないでと祈る、刹那的な喜びを歌う。メランコリックな世界観に沿った、ほんのり悲しげな声色が絶妙だ。
051mm
哀愁漂うエスニックな音色と物憂げな表情で淡々と刻むビートが、黄昏と郷愁を描き出す。ため息を音像化したような“アーアーア〜アアァ ”のフックが、覚悟が“1mm”も足りない自身の現状を嘆くように響く。エーザイ「チョコラBB」CMソング。
06未来のミュージアム
『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』主題歌へ書き下ろした17thシングル。それゆえ、ボトムはテクノ・ポップなトラックだが、全体的にファンタジック&ドリーミーなキッズ・ソングの彩りに。大切な未来を一緒に見つけようというメッセージを歌う。
07Party Maker
ハンズクラップを模したビートで高揚感を煽る、パーティ・ソングにはもってこいのアッパーEDM。“Party Maker”なオーディエンスへ向けて一緒に盛り上がろうという問いかけは、まさにライヴ仕様。エーザイ「チョコラBBスパークリング」CMソング。
08ふりかえるといるよ
心に引っかかることや気になることは、どうしたらやり過ごせるだろう。そんな日常の胸の内を吐露したミディアム・テンポのナンバー。童話・寓話風の詞世界と優しい語り口の歌だが、どこか意味深で不思議な感覚を呼び起こす。
09ポイント
ブレイクビーツ風のビートと麗しいハープが交差する爽涼なサウンドと軽やかな歌唱は、キリン「氷結」CMソングにピッタリの“スッキリ”とした味わい。悩んだり迷った時は二人の奇跡がスタートしたポイントへ戻ろうと、アドヴァイス。
10だいじょばない
ピンボールのように跳ねるリズミカルなサウンドで展開するエレクトロ・ハウス。本当のところはどうなんだろう? という不安と期待を、次々と発せられる“だいじょばない”のフレーズの波に集約。軽快にポップに踊る歌唱がキュート。
11Handy Man
エキゾティックなメロディ&音色が舞うエレクトロ・ハウス・チューン。恋が上手くいかない現状に、何でも屋さん(=“Handy Man”)なんとかしてと願う、切実な女心を描く。歌唱も幻想的な音色につられ、どこかメランコリック。
12Sleeping Beauty
ジェットコースターのように昇降を繰り返すメロディ・ラインが印象に残るテクノ・ハウス。時折エスニックな色彩が顔を見せ、デジタルなビートが刻まれる。インスト度が強いものの、タイトル・コールのコーラスなどには色っぽさもチラリ。
13Spending all my time (Album-mix)
キミをずっと愛して過ごすよというシンプルなメッセージを繰り返す、ほぼ全編英語詞で綴られた16thシングル。EDM路線のエレクトロ・ハウスで、インパクトのある性急なメロディ・ラインやファットなボトムを背景に、デジタルに展開。
14Dream Land
夢見心地な淡い幻想的なムードと歌唱が、夢の国=“Dream Land”を表現。痛みがない世界に逃げても本当の自分になれないと、夢の中から戻ってきなよと語りかける。ドリーミーだが意味深なメッセージを含むテクノ・ポップだ。