ミニ・レビュー
NHK朝の連続ドラマ『あまちゃん』の歌モノを集めたアルバム。アメ女やGMTはもちろん、「南部ダイバー」や太巻のデモ・ヴァージョンなど充実の内容だが、やはりハイライトは春子a.k.a小泉今日子の「潮騒のメモリー」。80年代テイストを完璧に体得したキョンキョンの凄みを感じさせてくれる。
ガイドコメント
NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』を彩る楽曲集。天野春子「潮騒のメモリー」やアメ横女学園芸能コース「暦の上ではディセンバー」など、“あまちゃんオールスターズ”による歌の祭典的な一枚。ドラマの世界にどっぷりとハマれること間違いなし。
収録曲
01潮騒のメモリー (天野春子)
小泉今日子演じる天野春子が歌うナンバー。1986年のヒット曲という設定に合わせ、ベタすぎるほどに当時の歌謡曲の王道を行くアレンジ。当然ながら、その雰囲気を完璧に体現する小泉今日子の歌唱は圧巻。クドカンらしい笑える歌詞も耳に残る。
02暦の上ではディセンバー (アメ横女学園芸能コース)
“アメ女”ことアメ横女学園芸能コース(歌唱はベイビーレイズ+水瀬いのり)の持ち歌として物語を彩ったナンバー。ポップなメロディが印象的なアイドル・チューンだが、スペーシーなイントロなど一筋縄でいかないアレンジ。中盤のラップも強烈。
03地元に帰ろう (GMT)
能年玲奈演じる天野アキも所属するGMT6が歌うゆったりとしたバラード。素人っぽさがたっぷり残った歌唱で、オートチューンによる加工はなし。訛りをまじえた歌詞は微笑ましいが、終盤の“岩手ー!”には思わず涙。ベロニカのためのサンバ・パートも健在。
04いつでも夢を (橋幸夫&吉永小百合)
1962年に大ヒットを記録したデュエット・ソング。劇中では若き日の“夏ばっぱ”が歌っていたが、これは橋幸夫と吉永小百合によるオリジナル・ヴァージョン。連なって海に向かう海女クラブの面々が目に浮かぶよう。
05南部ダイバー (教室バージョン) (磯野先生&北三陸高校潜水土木科生徒たち)
南部もぐりのダイバーたちの魂を歌った楽曲。劇中の音源をそのまま収録しており、福士蒼汰演じる種市先輩をはじめ北三陸高校潜水土木科の生徒たちが歌っているが、むしろ“いっそん”こと皆川猿時の芸術的なアジりに耳を奪われる。
06潮騒のメモリー (太巻デモバージョン) (荒巻太一)
鈴鹿ひろ美の大ヒット曲「潮騒のメモリー」の劇中における作曲者である、“太巻”こと荒巻太一によるデモ・ヴァージョン。デモだけあってピアノと歌だけのシンプルな構成。完成版とは微妙に異なる歌い回しなど、細部の仕掛けにリアリティを感じる。
07地元に帰ろう (太巻デモバージョン) (荒巻太一)
GMT5のデビュー・シングルのデモ・ヴァージョン。本家GMTよりもはるかに安定感のある“太巻”こと荒巻太一(古田新太)の歌声に驚かされるが、やはり若いアイドルが歌ってこその歌詞とのギャップにクスリとくる。
08いらないバイク買い取るぞう! (CM)
劇中ドラマ『おめでた弁護士』オンエア時に流れ、内山磨我が出演していたことでも話題を呼んだCMソング。もちろん作/編曲は大友良英が手がけており、エキゾチックな雰囲気が妙に耳に残る独特なキャッチーさはCMソングとして満点。
09潮騒のメモリー (お座敷列車バージョン) (潮騒のメモリーズ)
天野アキ(能年玲奈)、足立ユイ(橋本愛)からなる“潮騒のメモリーズ”が歌ったお座敷列車ヴァージョン。天真爛漫なアキと緊張もありクールなユイというキャラクターが表われた歌唱が魅力的。観客たちの熱烈な歓声も収められている。
10南部ダイバー (種市高校フルバージョン) (種市高校海洋開発科生徒たち)
北三陸高校潜水土木科のモデルとなった種市高校海洋開発科で実際に歌われている“南部もぐり”の魂を歌った唱歌。岩手出身の安藤睦夫が作詞作曲を手がけており、“南部ダイバー”の生き様を綴った力強い歌詞とメロディが胸に響く。
11暦の上ではディセンバー (オリジナル・カラオケ)
12地元に帰ろう (オリジナル・カラオケ)
13いつでも夢を (1964バージョンカラオケ)
14南部ダイバー (カラオケ)
15潮騒のメモリー (スナック梨明日カラオケ)