ミニ・レビュー
1枚のアルバムから5曲の全米No.1を放つという女性アーティスト史上初の快挙を成し遂げた前作から3年ぶりとなる待望のアルバム。世界68カ国でNo.1を記録した先行シングル「ロアー〜最強ガール宣言!」をはじめ、一本芯の通ったカラフルなポップ・サウンドと自信に満ちあふれた歌唱が存分に楽しめる。
ガイドコメント
世界600万枚ヒットを記録した前作『ティーンエイジ・ドリーム』以来約3年ぶりとなる、2013年10月リリースのアルバム。世界各国で1位を記録しているリード・シングル「ROAR」(ロアー)を含む、“プリンセス・オブ・ポップ”による超話題作。
収録曲
01ROAR
約3年ぶりとなる3rdアルバムの冒頭曲にしてリード曲。言いたいことを我慢していた自分にさよならして、“ほえる”と宣言する歌。メロディはとびっきりポップで思わず口ずさみたくなる。ジャングルに迷い込んだ本人が果敢に生きるPVもヒットした。
02LEGENDARY LOVERS
シタールやタブラを取り入れたエスニックな響きが魅力のナンバー。“カルマ”“マントラ”などという言葉をちりばめた歌詞が独特の世界観を表わしているが、ヴォーカルの旋律は王道ポップスの心地よさから外れることはないので聴きやすい。
03BIRTHDAY
90年のマライア・キャリーのデビュー・アルバムに入りそうな曲、という想定で書かれた楽曲。アルバム『プリズム』のプロデューサー、ドクター・ルークがリーダーのサタデー・ナイト・ライヴ・バンドが参加した、とびっきりポップなアップ・チューンだ。
04WALKING ON AIR
スウェーデンの作曲家、クラス・アーランドを迎えて、同じスウェーデンのマックス・マーティンらと一緒にコラボレートした4つ打ちのダンス・チューン。とてつもなく気分が高揚しているハッピーでラブラブなナンバーだ。
05UNCONDITIONALLY
シリアスでダイナミックなサウンドに思いのたけをぶつける、エモーショナルなヴォーカルが印象的。無償の愛をひたすらに歌う、真摯で壮大なナンバーに仕上がっている。ケイティ本人はアルバム『プリズム』中一番好きな曲だとか。
06DARK HORSE
ジェシー・Jをフィーチャーした4つ打ちのヒップホップ/ダンス・チューン。ヴォーカルは女性側の心理を、ラップは男性側の心理を描いたもので、ストーリー性もあり想像力も働く大人のラヴ・ソングに仕上がっている。
07THIS IS HOW WE DO
時折挟まれるケイティの語りがスタイリッシュな、バカ騒ぎとその後の虚無感をみごとに描いたアッパーなパーティ・チューン。クラス・アーランド、マックス・マーティンら、スウェーデン陣とコラボレートした作品だ。
08INTERNATIONAL SMILE
ケイティが“女神”と仰ぐ親友、DJのミア・モレッティに捧げたナンバー。世界中を飛び回る“唯一無二のインターナショナル・スマイル”を見せてくれると歌う、彼女への敬愛に満ちたカラフルなハッピー・ソングに仕上がっている。
09GHOST
自身の壊れた愛について綴ったであろう、胸が痛くなるような失恋ソング。メロディはセンチメンタルであるのに、アッパーに仕上げるところがケイティ流。悲しいだけでは終わらせない、最後には希望を見出せる作品作りになっている。
10LOVE ME
ブリトニー・スピアーズ「トキシック」を手がけたスウェーデン出身のブラッドシャイが参加。相手の気持ちを思いやること、自分に自信を持つことなど、失った結婚生活を振り返りつつ、未来へ向かう歌詞が綴られている。軽やかな電子音が心地よいナンバーだ。
11THIS MOMENT
ノルウェーのプロデュース・チーム、スターゲイトとエミリー・サンデーとの制作。ユーロビート調の4つ打ちと爽やかなメロディが絶妙にマッチした大らかなサウンドが印象的だ。大事な瞬間を逃さないで、というメッセージを込めている。
12DOUBLE RAINBOW
グレッグ・カーティスとシーアが参加したナンバー。恋人への愛を綴った、ハッピーのてっぺんにいるような甘い歌詞を、奇をてらわないキャッチーなサウンドに乗せた、壮大かつ王道のラヴ・バラードに仕上がっている。
13BY THE GRACE OF GOD
デビュー作から関わっているプロデューサー、グレッグ・ウェルズとの共同作。離婚を経てもう一度立ち上がった自身の経験を綴った、辛く悲しい心の痛みを乗り越えていくさまを描いた勇気の歌。傷ついた女性の心を癒すに違いない、躍動感あふれるバラードだ。
14SPIRITUAL
エモーショナルで艶やかな、ささやくようなヴォーカルが紡ぐのは、セクシーな気持ちと愛しい人への思い。アンニュイで物憂げなメロディが、恋が始まって高揚する気持ちをみごとに表現している。とても甘い大人の恋の歌だ。
15IT TAKES TWO
ノルウェーのプロデュース・チーム、スターゲイトと本人との共同作。ピアノを基調としたゆったりとしたイントロで入り、サビでゴージャスなコーラスが加わると一気に盛り上がるバラード。恋人とうまくいかない憂鬱な気持ちを綴っている。
16CHOOSE YOUR BATTLES
恋人とケンカをしたくない、という気持ちをユーモラスかつ真摯に描いたポップ・チューン。イントロはマイナー・コードで鬱々とした雰囲気だが、最後はライヴで全員で手を振りコーラスするところが浮かぶような、壮大かつキャッチーな楽曲に仕上がっている。
17ROAR
スウェーデン出身の二人組エレクトロニック・ダンス・ミュージック・ユニット、Cazzetteによる「ロアー〜最強ガール宣言!」の高速ミックス。EDMという言葉とともに人気が出た二人だけに、アゲアゲのアレンジとなっている。
18ROAR
アルバム『プリズム』の日本盤ボーナス・トラックの、「ロアー〜最強ガール宣言!」のインスト。中盤からどんどん高みに昇っていくような展開は、ヴォーカル・レスで聴いても心地よさ抜群だ。底抜けに明るいポップ・ソングのお手本。