ミニ・レビュー
抜群のテクニックを持ちながら、その表現はあくまで正攻法。たっぷりと旋律を歌わせ、ハーモニーをデリケートにコントロールし、そこから立ち上る叙情性という薫りを漂わせる。テクニカルでスピード勝負の演奏とは正反対。録音も響きを大切にし、ロマンティックなショパンの世界を描き出している。
ガイドコメント
ピアニスト福間洸太朗の7枚目、コロムビアからはドビュッシーに続く2枚目のアルバム。ショパンのバラード4曲を中心に、作曲順に並べ、バラード以外はポピュラーな曲を選ぶという福間らしい凝り方をしている。
収録曲
ショパン:
01アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調op.22
02幻想即興曲嬰ハ短調op.66 (初版)
03バラード第1番ト短調op.23
04ワルツ第3番イ短調op.34-2
05バラード第2番ヘ長調op.38
06バラード第3番変イ長調op.47
07ノクターン第13番ハ短調op.48-1
08バラード第4番ヘ短調op.52
09ノクターン第4番ヘ長調op.15-1
10エチュード第3番ホ長調op.10-3「別れの曲」