ミニ・レビュー
作品101の幻想的な第一主題が静かに流れ出すや音色とタッチのあまりの美しさに陶然となる。作品106の壮大な冒頭主題は凄まじく力強い。完璧なテクニックと深い洞察力を備えたレヴィットの演奏は、26歳にしてすでに巨匠の風格さえ漂わせる。恐るべき逸材だ。★
ガイドコメント
1987年ロシア生まれのピアニスト、レヴィットのソニー・クラシカルからの第1弾。じっくりと創り上げたベートーヴェンで、その実力を存分に発揮している。デビューにして重量級2枚組という話題盤だ。
収録曲
ベートーヴェン:
[Disc 1]
01ピアノ・ソナタ第28番イ長調op.101
02ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調op.106「ハンマークラヴィーア」
[Disc 2]
01ピアノ・ソナタ第30番ホ長調op.109
02ピアノ・ソナタ第31番変イ長調op.110
03ピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111