ガイドコメント
前作『MIXTURE』以来約3年ぶりとなる、2014年1月15日リリースの10枚目のオリジナル・フル・アルバム。彼らが持つ多様な音楽性を表現した、常に進化を続けるバンドの“今”を端的に示した渾身の一枚。
収録曲
[Disc 1]
01INTRODUCTION
ノスタルジックな雰囲気を醸し出すイントロから、静謐なベース音が絡みはじめると楽曲の表情が一転、激情を叩きつけるかのような暴力的なドラムが鼓膜を刺激する。初期衝動を具現化したような壮絶なインストゥルメンタル・ナンバーだ。
02THE SHOW MUST GO ON
桜井誠が叩き出す躍動的なドラム・ビートこそが楽曲の脊髄を担っていると言っても過言ではない。“終わりの瞬間は誰だって訪れる”“君も君自身と戦うんだ”英詞で問いかける勇ましきメッセージは、人の弱さすらも許容する寛大さに満ちあふれている。
03TRIGGER
ゲームソフト『バイオハザード リベレーションズ』のイメージ・ソングに起用されたヘヴィ・ロック・チューン。重低音ギターが口火が切ると、淫美なベース・ラインとファンキーなビートが刺激的なアンサンブルを生む。グランジ的なサウンドへとスイッチする展開も良い。
04RUN TO THE SUN
メジャー感全開でドライヴする感覚がなんとも爽快な24thシングル。一体感あるグルーヴにはストーリー性があり、さまざま感情が洪水のように湧き上がってくる。Kjのヴォーカルの裏で激しくかき鳴される演者のサウンド・バトルが熱い。
05NEVERLAND
Kjのラップが一際冴えるヒップホップ・ナンバー。ビートの海を遊泳するように言葉を積み重ねていき“間違いに物怖じして誰かの価値観に身を委ねていくの?”と聴き手に問いかける歌詞は、生きる過程での普遍的なテーマとして思慮させる。
06TODAY'S THE DAY
エースコック「スーパーカップ」CMソングにも起用されたミディアム・バラード。広がりのあるコーラスが呼び込む世界は陰りひとつない青空をイメージさせる。楽曲の後半へ向かうところでアレンジに仕掛けがあり、初聴の人は思わずニヤリとしてしまうはず。
07HERE I AM
前へ前へと疾走する衝動的な感覚の中で、躍動に満ちたロック・ビートと哀愁あるメロディが渦巻く25thシングル。“この歌が君にも聴こえるように”と締めくくられる歌詞は、大きな熱量が放たれながらも柔らかいトーンで語りかけている。
08BLOW YOUR MIND
映画『クローズEXPLODE』の主題歌として起用されたミクスチャー・ロック・ナンバー。激しく歪むサウンドがダイナミズムを形成し、スカ風の裏打ちリズムが入るとさらに体感速度を上げていく。間奏で聴けるギター・ソロはメロディックで泣かせるプレイだ。
09STILL GOIN'ON (FEAT'50CALIBER、HAKU THE ANUBIZ、WEZ FROM YALLA FAMILY)
ヒップホップ・グループ、YALLA FAMILYをフィーチャーしたアッパー・チューン。バンドの本領が発揮されたアグレッシヴななミクスチャー・ロックと彼らの相性は抜群、パンチの効いたラップが全編にわたって響きわたる。
10GOLDEN LIFE
生命力に満ちた歌声と美メロに打ちのめされるミディアム・バラード。シングル候補に挙がっていたというのも納得で、キャッチーでメロウなサウンドが絶品だ。“打ちのめされた日も優しくされた日も僕らの富となる”という歌詞が眩いばかりに希望に満ちあふれている。
11WALK WITH DREAMS
24th両A面シングルとして発表された楽曲。バンド初期を彷彿とさせるサウンドが懐かしも新鮮な息吹を与えるロック・ポップ・ナンバー。過去に思いを巡らせながらも眼差しは未来を見据えていく、そんな決意を表わしたかのような歌詞が表題に集約されている。
12THE LIVE (FEAT'KENKEN)
激しいスラップ・ベースからスタートするヘヴィ・ロック・ナンバー。Kenkenをフィーチャーした楽曲はベースがさまざまな表情で音を奏でており、何より彼のストレートな歌声がKjとはまた違った魅力で楽曲にノリを与えている。
13LILY
JRA“有馬記念”CMソングに起用された26thシングル。“ありったけの思いだけ 花咲け”と願いを込めた歌詞に乗せてKjが力強く歌い上げている。重層的なサウンドの中にエレガントな気風があるのは、卓越したポップ・センスを内在したロック・バンドであるゆえんだろう。
14CURTAIN CALL
悲しい気持ちを振り払うような熱い演奏の中でつぶやくように“good bye”とお別れの言葉を連呼する。次の目的地へ向かうためのケジメをつけているのだろうか。物語の終焉と始まりを歌った楽曲にバンドの歴史が走馬灯のように駆け巡る。
[Disc 2]〈DVD〉
01“THE SHOW MUST GO ON”
02WALK WITH DREAMS (video clip)
03RUN TO THE SUN (video clip)
04HERE I AM (video clip)
05TRIGGER (video clip)
06LILY (video clip)
07“SONGWRITING”