ミニ・レビュー
映画に登場するふたつのバンド、CRUDE PLAYとMUSH&Co.の“オリジナル曲”を中心に、亀田誠治が全楽曲を手掛けた映画の挿入歌集。ストーリーの細かい設定に合わせたカラフルな楽曲たちは、現実のJ-POPとしてヒット性十分の存在感を放っている。俳優たちの歌も堂に入っていて完成度が高い。
ガイドコメント
青木琴美の人気コミックを原作とした佐藤健主演映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の劇中に登場する歌モノをパッケージ。劇中バンドのCRUDE PLAY、MUSH&Co.ほか主要キャストが歌った亀田誠治プロデュースによる楽曲を全10曲収録。
収録曲
01INSECTICIDE (CRUDE PLAY)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の音楽プロデューサーを務めた亀田誠治が手がけた、劇中の“うたもの”を集めたアルバムの冒頭曲。劇中に登場するバンド、CRUDE PLAYによる“殺虫剤”という意味の言葉を冠した尖ったロック・チューンだ。
02明日も (MUSH&Co.)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』劇中に登場する3人組バンド、MUSIC&Co.のデビュー曲。ヴォーカル、小枝理子役を演じる大原櫻子の伸びやかな歌声と少し切ない、キャッチーなメロディが心地よいポップ・チューンだ。爽快なギター・フレーズが印象的。
03サヨナラの準備は、もうできていた (CRUDE PLAY)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』に登場する超人気男性4人組バンド、CRUDE PLAYによるセンチメンタルなブリティッシュ風味のロック・チューン。ちょっと不安定でありながら色香を感じるヴォーカルと切ない歌詞が絶妙にマッチしている。
04卒業 (CRUDE PLAY)
映画『カノ嘘』劇中に登場するバンド、CRUDE PLAYのデビュー曲。高校時代に演奏していたという設定なので、プロデュースを手がけた亀田誠治は“バンドの楽しさ・初級編”を体感できる構成を目指したという、シンプルなロック・ナンバーに仕上がっている。
05うたうたいのうた (ハッポ☆スチロールズ)
劇中に登場する3人組バンド、MUSIC&Co.のデビュー前夜までのバンド名、ハッポ☆スチロールズ名義の楽曲。アマチュア高校生バンドのフレッシュな雰囲気でいっぱいの、友情を歌ったキャッチーなポップ・チューン。
06明日も (アコースティックver.) (小枝理子&篠原心也)
MUSIC&Co.のデビュー曲のアコースティック・ヴァージョン。ギター弾き語りというシンプルな演奏が、よりいっそうキュートで伸びやかなヴォーカルを引き立てる。クルクルと表情を変える歌声に惹きつけられる。
07祈り (茉莉)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の中盤で相武紗季が演じる歌姫、茉莉が披露するR&Bテイストを取り入れた流麗なバラード。すべてを包み込むようなヴォーカルと大らかなメロディ、ストリングスの音色が壮大な音世界を形作っている。
08卒業 (アコースティックver.) (小枝理子&小笠原秋)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』主演の小笠原秋と小枝理子名義の劇中バンド、CRUDE PLAYのデビュー曲のアコースティック・ヴァージョン。シンプルなアコースティック・ギターの演奏ながら、弾けたロック・ナンバーを元気いっぱいに歌っている。
09ちっぽけな愛のうた (小枝理子&小笠原秋)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のクライマックスで披露される、ヒロインの小枝理子と小笠原秋による美しいバラード。伸びやかで繊細かつ大らかさも持つ小枝理子役を演じる大原櫻子のヴォーカルが、切なくも前向きな歌詞をみごとに昇華している。
10春姉ちゃんを幸せにしなかったらぶっ飛ばすの歌 (Piano solo) (小笠原秋)
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』主演の小笠原秋が、高校生のときに音楽室の片隅でおねえちゃんへの思いを込めて作ったという設定の、ピアノ・ソロのインスト。作詞作曲を手がけた亀田誠治も15分ほどで一気に書き上げたという、シンプルながらも心に沁みる楽曲だ。