ガイドコメント
スウェーデン出身のEDMシーンの新星、アヴィーチーの2014年1月リリースのアルバム。ヒット・シングル「ウェイク・ミー・アップ」をはじめ、キラー・チューンが満載。アダム・ランバート、ナイル・ロジャース、ダン・レイノルズらが参加。
収録曲
01WAKE ME UP
アルバム『トゥルー』からのリード・シングル。ヴィンテージ感あふれるソウルフルなヴォーカルのアロー・ブラックを迎え、カントリー/フォークとダンス・トラックを融合させた新機軸のEDMを提供。多忙な自身の心境を吐露したような歌だ。
02YOU MAKE ME
スウェーデンのポップ・シンガーのサラーム・アル・ファキールに待ちわびた人との出会いの喜びを歌わせたシングル。シンガロングやキャッチーなフレーズを繰り返すシンプルさが強い印象を残す。ポップでポジティヴなハウス・ダンサーだ。
03HEY BROTHER
渋いが耳なじみのよい歌声のダン・ティミンスキを迎えた、ブルーグラスとEDMの邂逅。兄弟姉妹に、君らのためならどんなことでもしてあげると問いかける家族愛を歌いあげている。シャキシャキとしたリズムと漂う郷愁のシンクロが新鮮。
04ADDICTED TO YOU
恋はしないと誓ったのに気つけばあなたに夢中! と胸の内を吐露する約2分半のラヴ・ソング。情熱的なヴィンテージ・ソウル風の歌唱は、ジュディ・ガーランドを親族に持つオードラ・マエ。マイナー調カントリーとダンス・サウンドが激しくも物憂げな心境を絶妙に描写。
05DEAR BOY
デンマーク出身の女性シンガー・ソングライター、MφをフィーチャーしたEDMトラック。ゲームのような恋愛をする者同士で踊ろうという悲しき性を、ハスキーな歌声と浮力のあるメロディで描く。インスト・パートが長めなクラブユースなトラックだ。
06LIAR LIAR
冒頭からの“嘘つき!”の叫びが刺激的な、ヴィンテージ・ソウル・ミーツ・EDMといった佇まいのクラブ・ダンサー。燻しのアロー・ブラックとスウィートな兄妹ポップ・デュオ“ブロンドファイア”の妹エリカという対照的なヴォーカルの交差が新鮮味を醸し出している。
07SHAME ON ME
オードラ・マエとステアリング・フォックスの一部エフェクトを駆使したソウルフルな歌唱をアクセントに送るエレクトロ・ダンサー。リズミカルでグルーヴィなトラックがファンキーな音色を好アシスト。恋愛に戸惑う恋人同士の葛藤を歌う。
08LAY ME DOWN
欲しいのは僕だけと言ってくれと懇願する男を歌うのは、『アメリカン・アイドル』出身のアダム・ランバート。ファンキーなギターを奏でるナイル・ロジャースの力を借りて、華やかなフューチャー・ディスコ風EDMを構築している。
09HOPE THERE'S SOMEONE
アンニュイなヴォーカルはスウェーデン出身、ジャズ・シンガーとしても活躍するリネア・ヘンリキッソン。眠りに就こうとすると悩まされる不安や怯えを、憂いを帯びた歌唱と不穏なメロディ・ラインで構築したダンス・トラックだ。
10HEART UPON MY SLEEVE
アルバム『トゥルー』本編ラストを飾る壮大なクラブ・チューン。侘びしく鳴らされるギターと低音で響くシンセ・ベースが交互に繰り出されながら、高揚を伴ったクライマックスへと展開する。イマジン・ドラゴンズが制作に参加。
11ALL YOU NEED IS LOVE
キュートなヴォーカルを配して愛の必要性を説くラヴ・メッセージ。キャッチーなヴォーカル・メロディとさざ波のように打ち寄せる鍵盤、後半からのエレクトロでインスト色強い展開など、彩りの異なる風景を演出。4つ打ちビートで終わるラストも印象的。
12ALWAYS ON THE RUN
いつも私たちは走り回っていると連呼するどこか物憂げなヴォーカルが切なさを漂わせる。推進力の高いリズミカルなビートが走るエレクトロ・ダンサーはアヴィーチーの得意とするところ。未来へと向かって走り出す情景を想起させる、インスト・パート多めの曲だ。
13CANYONS
約7分半のインストゥルメンタル・トラック。地中をうごめくような冒頭から陽光が降り注ぐ青空の下へ抜け出し、再びせりたつ高い壁に挟まれながら細い川を蛇行する……。まさに峡谷を進むような、閉塞と開放が繰り返される4つ打ちハウスだ。
14LONG ROAD TO HELL
アフリカに由来するカズーのような笛の音をアクセントに用いたハウス・ダンサー。鍵盤がリズミカルに跳ねるラグタイム風のサウンドをバックに、渋みある女性ヴォーカルが“地獄への長い道のり”について説く。滑稽な音とシリアスな話の組み合わせの妙が面白い。
15LEVELS
8ヵ国以上でプラチナディスクを獲得し、アヴィーチーを世界へと送り出した代表的シングルのラジオ・エディット。エタ・ジェームス「サムシングズ・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー」を配した印象深いメロディアスな旋律で極上のダンス・サウンドを構築。