ミニ・レビュー
選曲、顔ぶれ、そして演奏者たちの自在で即興性に満ちた交感。変わらず多彩でビビッドな楽しみが横溢するライヴである。御大の発止とせめぐピアノでまずはしっかと腹を充たし、一転ショスタコや無調に傾いたリストで耳を尖らせた後に、フランスの色彩で賑々しく感性を解放する配列。聴きごたえ十全。
ガイドコメント
アルゲリッチが主催する音楽祭“ルガーノ・フェスティバル”、2013年の模様を収録。アルゲリッチが見込んだ若手のソリストが世界的な演奏家ととも作り上げるアンサンブルは、ここでしか聴くことができない親密な響きに満ちている。
収録曲
[Disc 1]
01ピアノ協奏曲第1番ハ長調op.15 (ベートーヴェン)
02チェロ・ソナタ第2番ト短調op.5-2 (ベートーヴェン)
[Disc 2]
01ヴァイオリン・ソナタ ロ短調P.110 (レスピーギ)
02悲しみのゴンドラS.200〜ヴァイオリンとピアノのための (リスト)
03チェロ・ソナタ ニ短調op.40 (ショスタコーヴィチ)
[Disc 3]
01ヴァイオリン・ソナタ (遺作) (ラヴェル)
02小組曲 (ピアノ四手版) (ドビュッシー)
03パリの喜び (カルロ・マリア・グリグオーリによる3台ピアノのための編曲版) (オッフェンバック/ロザンタール編)
04組曲「動物の謝肉祭」 (サン=サーンス)
演奏
[1] (1)マルタ・アルゲリッチ(P) ユベール・スダーン指揮 スイス・イタリア管弦楽団 (2)ミッシャ・マイスキー(VC) マルタ・アルゲリッチ(P) [2] (1)ルノー・カピュソン(VN) フランチェスコ・ピエモンテージ(P) (2)アリッサ・マルグリス(VN) ユーラ・マルグリス(P) (3)ゴーティエ・カピュソン(VC) ガブリエラ・モンテーロ(P) [3] (1)アンドレイ・バラノフ(VN) ユーラ・マルグリス(P) (2)マルタ・アルゲリッチ,クリスティーノ・マルトン(P) (3)ジョルシア・トマッシ,カルロ・マリア・グリグオーリ,アレッサンドラ・ステッラ(P) (4)マルタ・アルゲリッチ,リーリャ・ジルベルシュテイン(P) アンドレイ・バラノフ,マイケル・グットマン(VN) リダ・チェン(VA) アレクサンドル・ドブリュ(VC) エンリコ・ファゴーネ(CB) アルフレッド・ルッツ(FL) コッラド・ジュフレディ(CL) グレゴリオ・ディ・トラパニ(PERC)