ミニ・レビュー
カピュソンが提示するヴァスクスとバッハの対峙では、平穏で深みのある表現に魅せられる。21世紀の音楽家たちが共有する演奏スタイルの特徴は“静けさ:calmness”と言えるのかもしれない。彼らのアプローチに乗ると20世紀“現代作品”もしっとりとした落ち着きを聴かせはじめる。
ガイドコメント
カピュソンにとって初の弾き振りとなるヴァイオリン協奏曲集。J.S.バッハの第1、2番に加え、クレメラータ・バルティカに献呈されたヴァスクスの「遠き光」を収録。350年もの時を経た両者のカップリングだ。
収録曲
J.S.バッハ:
01ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
02ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァスクス:
03遠き光〜ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲
演奏
ルノー・カピュソン(VN,指揮) ヨーロッパ室内管弦楽団 (1)(2)セリーヌ・フリシュ(BC)