ガイドコメント
2014年6月11日リリースのデビュー10周年記念ベスト。代表曲「もう二度と....」を壮大なストリングス・アレンジで新録するほか、ソニー生命CMソングとして話題となったエルトン・ジョン「Your Song」のカヴァーなどを収録。
収録曲
[Disc 1]
01もう二度と…
童子-Tと共演した「もう一度…feat. BENI」のアンサー・ソング。儚げなアコースティック・ギターと弦一徹の手によるストリングスが融合したドラマティックなサウンドに乗せて、“もう二度と”戻ることができない時間に思いを馳せる。
02Kiss Kiss Kiss
友達として長い時間を過ごしてきた大切な君との関係が変わる決定的な瞬間を描いたラヴ・ソング。“愛してるとかムリ”など、気恥ずかしい想いを抱えつつも、抑えることのできない恋のはじまりをキラキラとしたサウンドで描いたミディアム・テンポのR&Bだ。
03恋焦がれて
恋い焦がれて、愛しくて、だけど言えなくて……アコースティック・ギターをアルペジオを中心にした切なげなサウンドで、片想いを描いたミディアム・チューン。片想いならではのジレンマを巧みに描いた歌詞とヴォーカルが胸に沁みる。
04ずっと二人で
BENI自身が作詞/作曲に参加したミディアム・バラード。二人でいる時間の楽しさや幸福感を綴りつつ、だからこそ不安も大きくなっていく複雑な心情を描いた物語の鮮烈さはさすが。気持ちいいキーと歌が活きるメロディは自作ならでは。
05KIRA☆KIRA☆
2009年のアルバム『Bitter&Sweet』収録曲にして、後にシングルカットもされたまさに“キラキラ”ソング。“頭の先からつま先まで全部 君という恋で出来ている”と、恋のはじまりの弾む気持ちをストレートに歌い上げる。
06サイン
松任谷由実の名曲「春よ、来い」の印象的なピアノ・フレーズを全編にわたって引用したミディアム・チューン。好きなのに、離れていく心。“最後のサイン”に気持ちを託した儚いストーリーを、エモーショナルなヴォーカルで描き出す。
07bye bye
大切な人との別れをモチーフに、それぞれ前を向いて新たな一歩を踏み出していく姿を描いたBENI流卒業ソング。春っぽいフレーズを多様した切なげなサウンドが中心ながらビートは力強く、要所に配した琴のような音色がいいアクセント。
08ユラユラ
推進力の高い4つ打ちビートにカラフルなサウンドと弦一徹ストリングスの流麗な弦が絡むアップ・テンポのポップ・チューン。軽快なアレンジとは裏腹に、歌詞の世界は恋の終わりを描いた切ないもの。想いを振り切るような歌唱が胸に響く。
09ギミギミ♥
ふわふわきらきらのドリーミーなサウンドとココロが弾むようなリズムで綴ったキュートなポップ・チューン。もちろん歌詞も恋の予感に満ちたガーリーな内容で、背中に向かって問いかける“恋人になれますか?”の描写にやられる。
10Heaven's Door
冒頭の鐘の音が幸福な“扉”を開くウェディング・ソング。松尾潔&川口大輔というヒットメイカーによる多幸感に満ちたサウンドがとにかく印象的で、“君がいれば 願いは叶う”とまっすぐに歌い上げるBENIのヴォーカルにも心を奪われる。
112FACE
自身が作詞を手がけたアップ・テンポのエレクトロ・ナンバー。シンセを巧みに用いて、どこか80年代アメリカン・ポップ的な懐かしさも感じさせる疾走感に満ちたサウンドに仕立てたDaisuke“D.I”Imaiの手腕が光る。
12好きだから。
どうしたら私はあなたの一番になれるの……BENIの真骨頂ともいえる切なく泣ける物語を、自身が作詞/作曲で描きだしたナンバー。ピアノやストリングスを効果的に用いた王道といえるサウンドに、スケールの大きなメロディとそれぬ負けぬ歌声が映える。
13声を聞かせて
全体的に落ち着いた雰囲気ながら、ストリングスやコーラスで過不足なく彩ったドラマティックなアレンジが見事なミディアム・バラード。“声を聞かせて”というシンプルな願いが詰まった片想いソングで、ラストのフェイクを交えた歌唱は圧巻。
14crazy girl
lil'showyの手によるドストレートなEDMが新鮮に響くアップ・チューン。“ルールなんて誰のもの?”と退屈な毎日を変えていくような感情の爆発を描いており、アゲアゲなサウンドと歌詞に導かれるように挑発的なヴォーカルを披露する。
15Darlin
片想いから幕を開けた恋。両想いとなってからの“甘い時間”を徹底的にポップなテイストで描いた軽快なラヴ・ソング。“切ないよ 君想うたびに”など幸せすぎるがゆえに感じる不安をキッチリと描くあたりが、さすがBENIといったところか。
[Disc 2]
01永遠
NHK“よるドラ”シリーズ『本日は大安なり』主題歌に起用されたミディアム・チューン。ハッピーな雰囲気に満ちたサウンドに乗せて、永遠を誓い合った二人の“新たなはじまり”を心温まるヴォーカルとともに祝う。
02さつきあめ
ピアノをサウンドの中心に据えた感動的なミディアム・バラード。はらはらと振る“さつきあめ”が、あなたと歩くことを誓ったことで“優しい涙”となる。さまざまなことを乗り越えてきた二人のストーリーを思わせる情感的なアレンジが見事。
03OUR SKY
“波の香り”“降り注ぐ太陽”といった舞台装置をよりいっそう引きたてる、夏を思わせるギターのアルペジオで幕を開ける爽快なアップ・チューン。恋のはじまりを綴った歌詞の世界も夏にピッタリで、ヴォーカルにも胸が弾むような想いが滲んでいる。
04Ti Amo
2008年に発表されたEXILEのシングルを英詞でカヴァー。パーカッションやギターなど、スパニッシュなテイストを巧みに落とし込んだアレンジもハマっていて、儚げなメロディを伸びやかなヴォーカルで歌い上げる。
05LA・LA・LA LOVESONG
TVドラマ『ロングバケーション』主題歌として96年に大ヒットを記録した久保田利伸のナンバーをカヴァー。AORっぽいスタイリッシュなサウンドをアレンジの軸に据えており、ヴォーカルも柔らかめ。大人びた雰囲気が心地よい。
06瞳をとじて
映画『世界の中心で、愛を叫ぶ』を主題歌に使用され、2004年に大ヒットとなった平井堅の名バラードを英詞でカヴァー。原曲のよさを完璧に生かした鍵盤中心のオーソドックスなアレンジで、エモーショナルなヴォーカルも心に響く。
07桜坂
福山雅治の代表曲として知られる2000年の大ヒット・ナンバーを、BENI自身の手による英語詞でカヴァー。“桜”という日本ならではのモチーフを描いた楽曲ながら、英語でもまったく違和感はない。ピアノ&ストリングス中心のアレンジもシンプルで好感。
08いとしのエリー
サザンオールスターズの代表曲のカヴァー。原曲のイメージを大胆に更新したR&Bテイストの強いアレンジで、フェイクをたっぷりと入れたヴォーカルも見事。とはいえ、“エリー My love so sweet”の名フレーズはやはりそのまま。
09奏 (かなで)
スキマスイッチが2004年に発表したナンバーを英語詞でカヴァー。原曲の印象的なイントロのピアノ・フレーズを活かしつつ、オリジナルに頼りすぎないブライトなサウンドを構築。包み込むようなスケールの大きなヴォーカルで、珠玉のメロディを紡ぐ。
10歌うたいのバラッド
1997年に斉藤和義によって発表され、多くのアーティストに愛される名バラードを、原曲の言葉を大切にしながら自身の手で英詞にしてカヴァー。“歌うたい”の不器用な愛の歌を、伸びやかなヴォーカルとともに丁寧に歌い上げている。
11Lovers Again
EXILEの代表曲ともいえる2007年発表の冬の名バラードをカヴァー。原曲よりも少し派手めなサウンドとなっているが、冬の名曲ならではの凍てつくような透明感はそのまま。クールな声質もピッタリで、ヴォーカリストとしての魅力を再確認。
12粉雪
2005年に発表され、冬の定番曲として定着したレミオロメンのナンバーを英語詞でカヴァー。原曲のアレンジを活かしつつ、バンドでない強みを最大限に活かしたドラマティックなアレンジを構築。“粉雪”舞う空に高らかに響く伸びやかなヴォーカルが心地よい。
13愛唄
2007年にリリースされたGReeeeNの3rdシングルをカヴァー。ピアノとストリングスを中心にしたゆったりとしたバラード・アレンジにすることで、メロディの魅力をさらに引き出し、オリジナルと思わせるほどの説得力に満ちた歌声を響かせる。
14YOUR SONG
エルトン・ジョンが1970年に発表、世界中のアーティストとリスナーに愛される名曲をカヴァー。ピアノやストリングスを取り入れた生バンドの音色をバックに、名曲の胸を借りるように表情を前面に押し出した歌唱を響かせている。歌詞はオリジナルのものを使用。
15もう二度と… (Rebirth)
“BENI”名義での初のシングルとなった記念すべき楽曲のリアレンジ・ヴァージョン。原曲と同じくピアノを基調にしたサウンドながら、さらにドラマティックなアプローチを施したアレンジは“Rebrith”の名にふさわしい。グっと抑えたヴォーカルも見事。