ミニ・レビュー
桜井和寿とGAKU-MCによる異色ユニットのデビュー作。ジャケットのメキシカンな装い通り、フタを開けると60年代のB級映画のサントラかと思うほど仰々しいサウンドが……。そして聴き進めると聞こえてくる桜井の声。ミスチルの縛りから解放された自由気ままな空気感が微笑ましい好盤だ。
ガイドコメント
Mr.Childrenの桜井和寿とGAKU-MCのユニットが、ブラジルW杯開幕前日の2014年6月11日に放つ1stアルバム。サッカー日本代表応援ソング「勝利の笑みを 君と」など全11曲を収録。亀田誠治、常田真太郎、布袋寅泰らが参加。
収録曲
01ウカスカアンセム
ハリウッドの大作映画を思わせる壮大なサウンドで幕を開けるナンバー。“いいか?やれるか?”という問いかけのあとは、自分自身と向き合いながら勝利へと立ち向かう姿勢を歌い上げる。布袋寅泰によるギターも勇壮で、まさに“アンセム”。
02mi-chi
亀田誠治がサウンド・プロダクションに参加したポップ・チューンで、亀田はベースでも存在感を発揮。“未知”と“道”をかけたタイトルのもと紡がれるのは、不安定な時代だからこそ未来信者でいたい、という熱い思い。ポップなメロディと軽快なラップのバランスが見事。
03サンシャインエブリデイ
ブラスやハーモニカ、アコギを中心にしたハートウォームなサウンドで彩ったミディアム・テンポのポップ・チューン。ブルージィなテイストを強めに出した桜井のヴォーカル、語りかけるようなGAKU-MCのラップが心地よく響く。
04でも、手を出すな! (2014 Ver.)
2006年に発表された「手を出すな!」の続編ともいえる配信限定シングルのリアレンジ・ヴァージョン。GAKU-MCの切れ味鋭いラップを中心に突き進むアップ・チューンで、ロックなサウンドとの親和性も抜群。中盤でメロディアスになる緩急も見事のひと言。
05握手
喧嘩してしまった友人同士が、お互いに昨日を振り返る様子をそれぞれが歌うミディアム・スロー・ナンバー。二者の心情を綴る構成だが、彼らならではの歌とラップによる表現がユニークさに拍車をかける。ピアノを中心に据えたAOR風味のサウンドも抜群。
06縁 JOY AMIGO
思わず体を動かしたくなるようなラテン風味のアップ・チューン。シンプルかつキャッチーなサビもさることながら、ここではGAKU-MCの高速ラップが抜群の存在感を示している。フミラッチことDJ FUMIYA(RIP SLYME)がスクラッチで登場。
07春の歌
“夏”なイメージが強い彼らによるタイトルどおりの“春の歌”。蔦谷好位置のピアノ&弦アレンジ(演奏は弦一徹ストリングス)が効いたセンチメンタルなサウンドで包んだミディアム・ナンバーで、出会いと別れを手に歩き出す強さを与えてくれる。
08勝利の笑みを 君と
日本サッカー協会公認のサッカー日本代表公式応援ソング。常田真太郎(スキマスイッチ)の鍵盤がドラマティックな彩りを添えるアップ・チューンだ。もちろんサッカーをテーマにした歌詞ながら、強く背中を押す言葉は人生の応援歌にもなる力を持っている。
09My Home
全編桜井のヴォーカルで歌われる心温まるバラード。アコギとピアノを中心にしたシンプルなサウンドをバックに、“戻ってくる場所=愛すべき My Home”について綴った歌詞が温かく響く。一日の終わりを優しく包んでくれるようなナンバーだ。
10手を出すな!再び (2014 Ver.)
ウカスカジーの前進となる“GAKU-MC/桜井和寿”名義でリリースされた楽曲のリアレンジ・ヴァージョン。中盤ではピアノでグッと落とすなど、よりドラマティックなアレンジへと進化。“たかだかフットボール”への熱い想いを歌い上げる。
11Special talk about「勝利の笑みを 君と」
12勝て!ペスカドーラ町田
1stアルバム『AMIGO』のボーナス・トラックで、フットサルのクラブチームであるペスカドーラ町田の応援ソング。緊迫感のあるトラックに乗せて、クラブ名を連呼。ゲームに臨む選手やサポーターたちを奮い立たせるようなナンバーだ。