ミニ・レビュー
デビュー時から若い世代を中心に幅広い支持を得ている4人組ヴォーカル・グループによる通算6枚目のアルバム。一発でシンガロングできるキャッチーなメロディがこれでもかと詰め込まれた作品で、収録曲中半分以上の9曲がタイアップというところにも彼らの世間の支持率の高さが表われている。
ガイドコメント
2014年8月6日リリースの6thフル・アルバム。「愛し君へ」「僕らの物語」「愛すべき明日、一瞬と一生を」といったシングルや、アニメ『ミュータントタートルズ』主題歌「忍」、JTB CMソング「風」などタイアップ&話題曲が満載。
収録曲
01エレグリトリカルパレード
6thアルバム『今から親指が〜』の冒頭に配されたイントロダクションにして、某“夢の国”を思わせるタイトルが目を惹くポップ・チューン。イントロのファンファーレからそのタイトルに偽りはなく、楽しい予感に満ちあふれたパレード感の高いパーティ・チューンだ。
02オトノナルホウヘ!!!!
釣俊輔(agehasprings)がアレンジに参加した、ケルト・ミュージック的なテイストをまぶしたサウンドが楽しいアップ・チューン。“オトノナルホウへ”集まれというシンプルすぎるメッセージには、楽しい刹那を繋いで生きるという深い(?)テーマが。
03愛し君へ
22枚目のシングルは、フジテレビ系ドラマ『Oh,My Dad!!』の主題歌。エモーショナルなメロの魅力を最大限に活かしたお得意のミディアム・バラード。君と生きてきた日々を振り返りながら、“この先何十年と変わらない僕らがいいね”と優しく語りかける。
04crew
ピアノを中心にした穏やかなサウンドを軸にしたミディアム・バラード。タイトルのとおり仲間に向けた応援歌で、ときに打ちのめされながら、ときに迷いながら前へ進んでいく友へ“一緒に悩ませてよ そしていつか今日を笑おう”と優しく声をかける感動的な歌詞が魅力。
05風
JTB夏のCMソングに起用されたミディアム・アップ・テンポのポップ・チューン。“雅”を感じさせる和なフレーズを印象的に用いながら、ドラマティックなサウンドを構築。自分が自分らしくいられる場所へ自分が描いた地図で向かっていこう、というメッセージが心強い。
06忍
TVアニメ『ミュータントタートルズ』のオープニング・テーマに起用されたアップ・チューン。タイトルをはじめ、和なテイストをちりばめたサウンドと歌詞など、作品の世界をうまく落とし込んでおり、ダイナミックな展開に心が躍る。
07虹
2012年に発表されたAAAへの提供曲のセルフ・カヴァー。冒頭の儚げなピアノをはじめ、EDM寄りだった原曲よりもいくぶん柔らかな印象に。しっかりと地に足をつけたミディアム・アップのテンポに乗せて、人生を旅にたとえたスケールの大きな言葉を歌う。
08ガム 噛む wonder come
“ガムならハカどーる”というなんとも気の抜けるようなコーラスが印象的なポップ・チューン。スタジアム・ロックをエレクトロ風味にしたかのようなサウンドに乗せて、ガムを効果的に用いたピースフルな物語を綴る。モンデリーズ・ジャパン のキャンペーン・ソング。
09愛すべき明日、一瞬と一生を
ドラの音とドラムのロールで幕を開けるカラフルなポップ・チューン。誰にも平等にある“愛すべき明日 一瞬と一生”をどう使うかは自分次第。無限の未来に向かって今を進め、という壮大なメッセージをドラマティックなアレンジとともに伝える。
10僕らの物語
第92回全国高校サッカー選手権大会の応援歌に起用されたキラー・チューン。メロコアを思わせるハイスピードのロック・アレンジが新鮮だが、孤独に打ち震えながらも前を向く激情を託すにはうってつけ。力強いメッセージが詰まっている。
11いつもいつでも
GReeeeNの十八番といえるドラマティックなミディアム・バラード。どうして近くにある大事なモノを見失うんだろう……傷けてしまった君への想いを綴り、いつまでも君といるからとあらためて宣言するラヴ・ソングだ。エモーショナルなヴォーカルが胸に響く。
12卒業の唄〜アリガトウは何度も言わせて〜
AOKIのCMソングに起用された卒業ソング。SOHの優しい歌声が印象的な導入をはじめ、メンバーそれぞれが歌い継ぐようなパート分けが新鮮。一緒に過ごしてきた時間を振り返り、思い出に浸りながら、ラストの“さあ 行こうか”で前を向く姿が感動的。
13あの日のオレンジ
ピアノを中心とした素朴で心温まるサウンドで綴ったミディアム・バラード。全編を通じて、優しく語りかけるようなヴォーカルが印象的で、好きで好きでたまらない君への想いをまっすぐに伝えている。グッドメロディを引き立てるシンプルなアレンジも好感。
14our song〜アナタヘ〜
横山裕章(agehasprings)がアレンジに参加、ほぼ流麗なピアノと歌だけで多くの部分を占めるポップ・チューン。これまで目にした景色は、音となり唄となり誰かのもとへ届くんだ……サウンドとともに、優しく温かな想いが詰まっている。