ミニ・レビュー
韓国発4ピース・バンド、CNBLUEの3作目。力強さを打ち出すロック・ナンバーから、甘い歌声で包むアンプラグドな味付けまで、バンドとしての貪欲ぶりを形に。同時にメンバーのアプローチも広がった。ライヴ会場の規模もどんどん拡大しているだけに、大きな空間で気持よく響きわたるナンバーも多い。
ガイドコメント
前作『What turns you on?』以来約1年ぶりとなる、2014年9月17日リリースの3枚目のアルバム。「Truth」「Go your way」といったシングルに加え、リード・トラック「Radio」を含む全11曲を収録。
収録曲
01Intro
3rdアルバム『WAVE』の冒頭を飾る1分ほどのインストゥルメンタル。儚げでドリーミーなギターのアルペジオから、ゆったりとしたリズムとともに心地よい音の洪水が押し寄せる。シンプルゆえに、心にグッと残るオープニングだ。
02Radio
どこか遠くに思いを馳せるような儚げで力強いピアノの音色で幕を開けるダンス・ロック・チューン。エレクトロの要素も取り入れたスタイリッシュなサウンドは爽快で、“Radio”をモチーフに大切な人への想いを歌った開放感に満ちたサビが魅力。
03Go your way
自分の信じた道を突き進むんだ、という強い信念を歌った8thシングル。熱くたぎる気持ちをぶつけるようなワイルドなロック・チューンだが、しっかりとオンとオフを切り替えるメリハリの効いたアレンジを聴かせる。スタイリッシュなコーラス・ワークも見事。
04Truth
キメキメのスタイリッシュなアレンジがクールな7thシングル。君がつく嘘に気付きながら、“騙されきれれば 嘘も愛に変わると信じてた”と胸の内を吐露する切ないラヴ・ソングで、ファルセットをまじえたキレイなメロディが印象的。
05Foxy
道の途中で見かけた女性に一目ぼれして、骨抜きにされていく男を描いた軽快なダンス・チューン。オシャレなサウンドながら、隠し味にラテンのフレイヴァを注入。陽気さと妖しさを絶妙な配分でブレンドしている。英語多めの歌詞もノリがいい。
06lonely night
地に足をつけたテンポで腹を据えて進むハード・ロック風のバラード。一人きりの夜に君の愛を感じることができず、別れを告げる辛い胸の内を英詞で描く。エレクトロを取り入れることでハード過ぎるサウンドにはせず、エモーショナルなヴォーカルが際立っている。
07Still
儚げなピアノの音色による導入が印象的なCHOKKAKU編曲のロック・チューン。別れを迎えてしまった大切な人のことを忘れることができずに苦悩するさまを描いた歌詞を、ダイナミクスに富んだアレンジで表現。パートごとにガラっと変わる表情に耳を掴まれる。
08Paradise
ジョンヒョンが作詞作曲を手がけた全英詞のナンバー。爽やかでスケール感のあるサウンドに乗せて、君の“パラダイス”になるよ、と優しく包み込むように伝える壮大な愛の歌。ファルセットを効果的に使ったサビのメロディに胸を打たれる。
09Angel
アコースティック・ギターを用いた心温まるサウンドが印象的なヨンファ作詞曲によるミディアム・アップのポップ・チューン。すべて英語の歌詞ながら、“You're my only angel”と繰り返すサビに思わず顔がほころぶラヴ・ソングだ。
10Control
ツイン・ギターであることを活かしたギター・パートや美しいコーラスによって、繊細なアンサンブルを紡いだオシャレで悲しげなポップ・チューン。無闇に音を足さずに厚みを出す、それぞれの技量の高さや洋楽的なセンスがたっぷりと詰まっている。
11How awesome
アコースティック・ギターやオルガンを用いたハートウォームなサウンドを作り上げたミディアム・チューン。とはいえ楽器隊は控えめで、主役は優しい歌と美しいコーラス。世界中のファンへ向けて、感謝の気持ちや温かいメッセージを伝えるまっすぐな歌詞が胸に響く。