ミニ・レビュー
EDMを主軸に据えた音作りは近年のジャニーズのトレンドだが、中盤のインタールード以降は、ストリングスを配したドラマティック路線やカジュアルなヒップホップR&Bなどの王道を。ラスト4曲ではメンバーが1曲ずつソロを取る。一人でのTV露出は多くない加藤シゲアキが歌う「ESCORT」のエロかっこよさに驚く。
ガイドコメント
前作『NEWS』以来約1年半ぶりとなる、2015年2月25日リリースのアルバム。「ONE -for the win-」「KAGUYA」といったシングルを含む、“白”をテーマにした新たなスタイルが堪能できる一枚となっている。
収録曲
01MR.WHITE
6thアルバム『White』のリード・ナンバー。ファンキーなトラックを軸にしたラップ成分高めのダンス・チューンで、“真っ白な世界からはじめよう”というフレーズに、未来に向かって突き進む姿勢を込めた応援ソングだ。
02KAGUYA
蜷川実花がMVの監督を務めたことでも話題を集めた17枚目のシングル。『かぐや姫』になぞらえた切ない恋物語を歌ったアップ・チューンで、バキバキのエレクトロ・トラックに和モノなアクセントをふんだんに取り入れたCHOKKAKUのアレンジが映える。
03NYARO
“NYARO(にゃろ)”というサビのコーラスがライヴでも映えそうなパーティ・チューン。ギラギラと照らす太陽と海、という定番のモチーフをちりばめつつ、夏の恋を歌う。ちょっぴり軽薄そうに聴こえる歌詞も、嫌な感じがしないのが不思議。
04SEVEN COLORS
4つ打ちのビートとダイナミックなサウンドでグイグイと前に進んでいくダンス・ナンバー。「FIFAクラブワールドカップ モロッコ」の日本テレビ系テーマ・ソングで、サッカーを思わせるフレーズをちりばめながら諦めずに走り抜く大切さを歌う。
05Weather NEWS
ギターをフィーチャーした疾走感のあるトラックが心地よいアップ・テンポのナンバー。天気や気候にまつわる言葉をモチーフに、どんな状況でも笑顔で突き進め、と心強いメッセージを送る。合いの手のようなコーラスもスピード感を演出。
06SuperSONIC
ちょっぴりキケンな男のような印象も抱かせるファンキーなトラックが印象的なナンバー。それぞれの個性を前面に押し出したラップ・パートとキャッチーなサビとの落差も楽しく、“重力に背いて 音速で走れ”とパワフルに背中を押す。
07Black Jack-Inter-
6枚目のアルバム『White』の中盤に配されたちょうど1分間のインタールード。ちょっぴりゴシックな雰囲気をもった重心の低いエレクトロ・サウンドが特徴で、荘厳なコーラスとともに緊張と期待が入り混じった感情にさせてくれる。
08BYAKUYA
轟く雷鳴とオルゴールで幕を開けるミュージカル風のナンバー。魑魅魍魎のパーティを想像させるような、騒々しくも重厚感のあるサウンドが魅力。セクシーなフレーズをたっぷりと盛り込んだ歌詞と色気のあるヴォーカルにドキドキ。
09ONE-for the win-
日本テレビ系『2014 FIFAワールドカップ ブラジル』テーマ・ソング起用の16枚目のシングル。4つ打ちのリズムに南米的なパーカッションを取り入れた力強いナンバーで、出場国を羅列しながら鼓舞するサビが印象的だ。
10White Love Story
ピアノをアクセントにしたファンタジックなサウンドをバックに、ミディアム・テンポで進むウェディング・ソング。“今 君を幸せにするよ”“お互いを幸せにできるのは2人だけ”など、甘い言葉の数々に思わず頬が緩んでしまいそう。
11愛言葉
作詞作曲編曲までをメンバーが手がけたミディアム・バラード。恋人へ向けた幸せいっぱいなラヴ・ソングといえる内容ながら、端々には支えてくれたファンへの感謝が。“てをとって”読むことで成立するフレーズなど、遊び心も満載。
12ロメオ2015 (小山慶一郎)
小山慶一郎のソロ・ナンバーで、かつて錦戸亮とのユニット曲として披露されていたナンバー。アコースティック・ギターやパーカッションでスパニッシュなアクセントを取り入れたドラマティックなナンバーで、許されぬ恋を歌い上げる。
13Skye Beautiful (増田貴久)
増田貴久のソロ・ナンバー。徹底的に音数を少なくして穏やかな歌声を聴かせる美しい導入から一転、一気にハードなEDMへと展開。ダイナミクスを極限まで引き出した大胆なアレンジが耳を惹くが、サウンドに合わせてヴォーカルを巧みに変化させる増田も見事。
14あなた (手越祐也)
手越祐也のソロ・ナンバーは、ピアノを中心とした王道バラード。終わってしまった恋を受け止めることができぬまま、“忘れられない”“夢なら覚めて”と感情を爆発させる姿が胸に刺さる。ファルセットを多用した表現力あふれるヴォーカルに耳を奪われる。
15ESCORT (加藤シゲアキ)
加藤シゲアキのソロ・ナンバーは、自らが作詞作曲を手がけたスタイリッシュかつアーバンなR&B。高音主体のメロディで、徹底的にファルセットを多用。そこから持ち味であるハスキーヴォイスを活かしたラップへと展開する構成が見事のひと言。