ミニ・レビュー
カシオーリのアプローチはきわめて個性的でありながら、同時に(実は)セオリーを逸脱することなき真摯なもの。聴くほどにモーツァルトの懐の深さが実感される。他方グールドの演奏との近似性を感じてしまうのは偶然か。スタインウェイ・モデルDを奏しながら、音質面でも独自の響きが際立つ。
ガイドコメント
ヴァイオリニストの庄司紗矢香とのデュオで日本でも広く知られるようになったイタリア人ピアニスト、ジャンルカ・カシオーリのモーツァルト作品集。作曲家、指揮者としても活躍する鬼才ぶりが伝わってくる一枚だ。
収録曲
モーツァルト:
01ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310 (300d)
02ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調K.333 (315c)
03前奏曲 (幻想曲)とフーガ ハ長調K.394 (383a)
04ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調K.570