ミニ・レビュー
「冬の旅」を思わせるジャケットに収められているシフの演奏は、1820年のウィーン・アクションのフォルテピアノを奏で、シューベルトのメランコリックなリリシズムを、濃やかなニュアンスとグラデーションのような音の響かせ方で聴かせている。洗練の極みだ。ひそやかであくまでも美しい。★
ガイドコメント
現代最高峰に立つピアニスト、アンドラーシュ・シフがみずから所蔵するフォルテピアノで演奏したシューベルトの作品集。ピアノ・ソナタ第18番、第21番を軸に、「楽興の時」「4つの即興曲」などを収録。ウィーン風のやわらかで芳醇な音色に魅了される。
収録曲
シューベルト:
[Disc 1]
01ハンガリーのメロディ ロ短調D.817
02ピアノ・ソナタ第18番ト長調D.894 (op.78)
03楽興の時D.780 (op.94)
[Disc 2]
01アレグレット ハ短調D.915
024つの即興曲D.935 (op.142)
03ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960