ガイドコメント
前作『FEEL』以来約2年ぶりとなる、2015年6月10日リリースのアルバム。クラシカルなダンス・ビートやR&Bグルーヴなどの80's-90’sリバイバルを、国内外の気鋭のクリエイターとともにカラフルなダンス・ポップにまとめ上げた注目作だ。
収録曲
01Photogenic
耳を引くギター・カッティングとシャッター音でゴージャスなセレブ登場を演出。エッジーなR&Bダンサー風で、マドンナ「ヴォーグ」よろしく“Strike a pose!”のキラー・フレーズも。フォトジェニックを誇る自己愛満載の詞はクイーンの証だ。
02Time Has Come
キラキラした鍵盤の華やかな旋律から“say what”のリフレインとともに迫ってくるデジタル・ロックなフックへの展開がドラマティック。そろそろ退屈から抜け出す時間よと先しか見ない決意を宣言する、クールで刺激的な安室にしびれるダンス・チューンだ。
03Golden Touch
エレクトロ色が強めだが、しっかりとR&Bを基盤にした安室の得意とするキャッチーなトラックが絶妙。アリアナ・グランデを意識したようなコーラスを含め、キュートなヴォーカルで全編を彩る。メロメロなラヴモーション・ソングだ。
04Birthday
ガーリーなポップ・サウンドで描く陽気なバースデー・ソング。自らを祝うという斬新な曲だが、キュートな安室なら“アリ”と思わせるナチュラルな感覚が魅力だ。冒頭のラップ・パートからはザ・チェインスモーカーズ「セルフィー」的なパーティ要素もちらほら。
05It
恋愛は互いに相手を追いかけ回す鬼ごっこみたいなものよと語る恋バナ・ソング。跳ねる鍵盤や口笛など、原っぱで無邪気に遊ぶ姿が思い浮かぶようなリズミカルなトラックが詞と見事にフィット。好きなの? 好きじゃないの? と思案する歌い口もキュート。
06Scream
エリック・リボムが構築したスタイリッシュなエレクトロ・ダンサー。クラブからクラブへ、夜から朝まで、ゴキゲンな音楽とともに叫び倒すわと享楽的なナイト・クラビングを歌う。文字どおり何度もスクリームする安室が堪能できる一曲だ。
07Fashionista
誰もが注目する私こそがファッショニスタなのと自己愛全開な安室が登場。吐息やクラップを挟み込んだ性急なビートで展開するアッパー・ダンサーで、EDMとR&Bを行き来するような展開が刺激的。ラップもどこか挑発的で、それがクール。
08Fly
人生というフライトを自由に楽しむわ……自分の道は自分で決めると強い意志で語る安室流ライフスタイル・ソング。空よりも高く飛ぶという言葉は、頂点を知るだけに説得力がある。ダブステップやロック色もまぶした軽快なEDMチューンだ。
09B Who I Want 2 B (feat.HATSUNE MIKU)
安室楽曲史上最大の衝撃といってもいい、ボーカロイド“初音ミク”を迎えたデジタル・チューン。私には私しかなれないというメッセージをヴァーチャルな初音ミクとのデュエットでしらしめたアイロニーが見事。安室の声もすっかりボカロ仕様に。
10Stranger
SKY BEATZプロデュースによるバキバキなエレクトロ・ダンサー。テクノポップ感よりもトランスにシフトした興奮度の高いトラックに乗せて、上から下まで君は私のものと安室が女王宣言。私の音楽で酔わせてみせるという揺るぎない自信が伝わってくる。
11Every Woman
世界中の女の子は内面から美しい、最高のフェミニンよと世の女子たちにエールを贈る。リズミカルなビートとともに目の前をカラフルに輝かせるジョイフルなダンス・トラックが痛快。安室からの自信を持って人生を生きようというメッセージだ。
12Space Invader
タイトルの印象とはやや異なる陽気なサマー・ソングといった風のパワフルなパーティ・ソング。ビヨンセ「シングル・レディース」的なビートの切れとR&B〜レゲトンの要素をミックスして、心地よいダンサーへと昇華。元気をもらえる曲だ。
13Anything
シンプルに爪弾かれるギターが映えるアコースティック風のミディアム・バラード。悠久を感じさせるなかに瑞々しさを添えた鍵盤も、楽曲の浸透力を高めている。信じれば何だってできると優しく背中を押すメッセージ・ソングだ。
14What I Did For Love (David Guetta feat.Namie Amuro)
デヴィッド・ゲッタ『リッスン』からのヒット曲を、安室奈美恵の客演ヴァージョンとしてカヴァー。ここではソウルフルなヴォーカル・スタイルで世界的なDJの楽曲にトライ。タイトル・コールのリフレインが印象に残るスタイリッシュなダンス・チューンだ。