ミニ・レビュー
ロッシーニの創作意欲を掻き立てた稀代のプリマドンナ、コルブラン。彼女のために書かれた六つのオペラから選曲した意欲的なアルバムである。難易度の高いアジリタやベルカントの醍醐味などディドナート(Ms)の歌唱は熟成度が高く、曲の旨味を存分に伝え切る。“21世紀のコルブラン”との称賛も納得である。
ガイドコメント
コントラルトからコロラトゥーラまで驚異的な声域を持っていたと言われるロッシーニの妻、コンブランのために書かれた曲を、同じく広大な声域と表現力を持つディドナートがうたう。実に魅力にあふれた一枚となっている。
収録曲
ロッシーニ:
01歌劇「アルミーダ」〜愛の神の甘き支配に
02歌劇「湖上の美人」〜おお 夜明けの最初の光よ!
03歌劇「湖上の美人」〜このような瞬間に あまりにも多くの思いが
04歌劇「湖上の美人」〜父と愛する人との間で
05歌劇「マホメット二世」〜正義なる天よ これほどの危険の中では
06歌劇「イングランドの女王エリザベッタ」〜この心には なんと喜ばしいことか
07歌劇「セミラーミデ」〜その美しいお目を 晴れやかに輝かせ
08歌劇「セミラーミデ」〜喜ばしくも麗しい一筋の光
09歌劇「オテッロ〜ああ!苦悩に打ちひしがれて
10歌劇「オテッロ〜惨めさの中にあって幸福な時を思い返す
11歌劇「オテッロ〜ああ あの優しい歌はなんとこの心の奥深く届くことでしょう!
12歌劇「オテッロ」〜柳の木の根方に座り
13歌劇「オテッロ〜どうかお鎮めください おお天よ 眠りの中で
14歌劇「アルミーダ」〜もしあなたが わたしの酷い苦しみに
15歌劇「アルミーダ」〜わたしはどこにいるのか!
16歌劇「アルミーダ」〜そう…この魂は恐ろしき復讐の喜びに燃えている
演奏
ジョイス・ディドナート(MS) エドゥアルド・ミュラー指揮 ローマ,サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団 サンタ・チェチーリア国立アカデミー合唱団 (10)ローレンス・ブラウンリー(T)