[Disc 1]〈Tropical〉
01シーズン・イン・ザ・サン
TUBEの飛躍のきっかけになった、原点といえる名曲。パーカッションを取り入れた南国風のサウンドをバックに、冒頭から飛び出す“Stop the season in the sun”というサビの迫力は圧倒的。テンション高めの歌唱も印象的だ。
02SUMMER DREAM
5枚目のシングルで、織田哲郎が作編曲を手がけたサマー・チューン。夏の海を舞台にしたキラキラと光る恋模様を描く。シンプルなフレーズを持ったサビの普遍性もさることながら、サウンド面で“夏のTUBE”を決定づけたともいえるナンバーだ。
03Beach Time
「シーズン・イン・ザ・サン」などと同じく、作詞・亜蘭知子×作編曲・織田哲郎によるタイトルどおりのサマー・チューン。ストレートなバンド・サウンドをバックに、タイトルのフレーズを含む強烈にキャッチーな歌詞で一気に夏を演出する。
04N・A・T・S・U
これ以上ないほどにシンプルなタイトルを持ったサマー・チューン。ミディアム・アップのテンポで、キメを多数用意したファンクっぽいバンド・アンサンブルが印象的。誰もが胸を躍らせる夏の海を舞台に、恋の予感たっぷりのストーリーを歌う。
05湘南My Love
湘南を舞台に恋の終わりを歌った91年発表のシングル。二人の淡い思い出をそのまま音にしたかのようなドリーミーなサウンドが印象的な切なめミディアム・チューンで、シンプルがゆえのメロディと言葉の強さを感じさせる。
06夏だね
グリコ「ポッキー」のシングルとしても話題となった92年のシングルは、サックスが映えるミディアム・アップ・チューン。舞台となるのは、夏の予感を感じさせる6月。理由もなく胸が高鳴る季節の到来に、勇気を出して想いを告げる心情が微笑ましい。
07夏を待ちきれなくて
93年発表、同年の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たすこととなるビッグヒットを記録したシングル。素直になれぬ二人のもどかしい心情を歌った歌詞にあわせ、メロディも夏が持つ切ない成分を凝縮したようなドラマティックなものになっている。
08夏を抱きしめて
トヨタ「カローラセレス」のCMソングに起用、ミリオンヒットを記録した94年発表のシングル。穏やかな導入から、中盤でバンド・サウンドへと突入するミディアム・アップで、“この恋感じて〜”というサビの旋律の美しさは感動的だ。
09ゆずれない夏
“夏のTUBE”の名を欲しいままにしていた95年発表のシングル。夏を彩る恋というテーマは普遍的なものながら、サビやサウンドが持つ雰囲気は燃えるような夏というよりは切なさを押し出したもの。中盤のプログレ的な展開もユニーク。
10Only You 君と夏の日を
ロッキンでゴキゲンなギターのリフで幕を開ける96年発表のシングル。夏のドライブにピッタリな殺傷力の高いサマー・キラー・チューンで、“君と夏の日を 一緒に飲みほしたいね”というナンパなセリフも完璧にハマっている。
11Let's go to the sea〜OASIS〜
思わず踊りだしたくなるようなディスコ・サウンドに、パーカッションを強めに出したビートをはじめ、ラテン色で味付けを施したダンス・チューン。夏を彩る刹那的な恋に身を投げ出す潔い姿勢も楽しい。2003年発表のシングル。
12ジラされて熱帯
アルバム『TUBE』に収録、DVDシングルとしても発表された。ロック色の強いギター・リフを中心としつつ、タイトルどおり“熱帯”的な雰囲気をたっぷりと含ませたアップ・チューンだ。ベタなキメの連発に、つい胸が熱くなる。
13SUMMER TIME
2015年に発表された“春夏秋冬”シングルのうちの夏シングル。波間を彩る光のようなギターを中心に歌うのは、もちろん情熱的な夏の恋。とはいえ、隙間をしっかり作ったアンサンブルやメロディには、貫禄ともいえる雰囲気が漂っている。
[Disc 2]〈Unique〉
01ベストセラー・サマー
85年発表の1stシングル。ビールのCMソング起用も納得の痛快なサマー・アッパー・ポップで、チラリと覗かせる桑田佳祐風のファンキーなヴォーカルも話題に。タイトルよろしく、10万枚超の売り上げを記録したヒット曲だ。
02センチメンタルに首ったけ
85年リリースの2ndシングル。ラテンやロカビリーの要素も感じられるダンサブルな哀愁ポップ・サウンドをバックに、ほかの男に夢中な愛しき彼女への叶わぬ恋をエネルギッシュに歌う。ほろ苦さが染みるナンバーだ。
03ダンス・ウィズ・ユー
センチメンタルなディスコ・サウンドで描いた、男の切ない片想いソング。軽快で明るいアレンジながらもキュンと胸が痛むのは、栗林誠一郎の琴線に触れるメロディの絶妙さゆえか。87年リリースの6枚目のシングル。
04あー夏休み
彼らを象徴する楽曲の一つといえる、これぞ夏ソングといえる90年発表の11thシングル。やけくそで作った楽曲とは思えない、軽快なリズムと夏の季節感を綴った詞のマッチングが絶妙。シンセの高揚に煽られた前田のハイトーン・ヴォーカルも爽快度満点だ。
05ウルトラバイオレット No.1
タイトルは79年の桑名正博「セクシャルバイオレット No.1」風だが、それとは好対照なズチャズチャと進む陽気なビートで展開。シミ・ソバカスが気になる小麦色の渚のクイーンを自称する女子が紫外線=“UV”に“やさしくして”と懇願する楽しい歌だ。
06さよならイエスタデイ
結婚前、忘れられない初恋へ思いを馳せる女性を綴ったラテン・ナンバー。女性言葉での前田の情熱的なヴォーカルが、思いを振り払って嫁ぐ気持ちを表わしているよう。エネルギッシュだがほんのり苦い味わいが絶妙だ。91年リリースの13thシングル。
07裸天女〜Latin Girl〜
92年のミニ・アルバム『Smile』に収録されたアッパー・ラテン・ダンス・チューン。灼熱の夏、目に飛び込んできた小麦色の彼女に釘付け……騙されても構わないからとびきりの恋したいと願う男の欲望を、前田がハイテンションで演じている。
08ガラスのメモリーズ
異国情緒を感じさせるエスニックなアレンジも印象的なミディアム・チューン。キラキラと輝いていた昔の恋に思いを馳せながら、時間の残酷さを痛感する女性の気持ちを熱っぽく歌いあげるセンチメンタルなラヴ・ソングだ。92年リリースの15thシングル。
09湘南盆踊り
「ガラスのメモリーズ」のカップリングに収められた文字通りの盆踊りソング。“ア、ソレ”の合いの手や太鼓などと一緒にギュイーンと鳴るギターが新鮮。“海は、夏は湘南よ!”の地元愛とひと夏の恋を趣深く歌いかける。
10だって夏じゃない
93年に盛夏シングルとしてリリースされた17枚目で、JRAのCMソングとしても話題に。ムード歌謡調のメロディながらも残暑の薫りが漂うサウンドは彼らならでは。心踊るサビ始めから“だって夏じゃない”への展開は見事。
11恋してムーチョ
彼らの“お祭りモード”曲のなかでもその代表といえるハイテンションなラテン・ダンサー。眩しい空、きらめく海……夏なんだから恋しようぜ! と胸躍る展開が痛快。どこまでも広がる青空のように突き抜ける終盤のハイトーンは前田の真骨頂だ。94年の19thシングル。
12海の家
海の家でアルバイトする男の夏物語。ツラく苦しい時もあるけれど、やきそばも心も焼きまくるぜというハッスルマンをコミカルに描く。グルーヴィなファンキー・ポップにテンションも上昇間違いなし。2004年の24thアルバム『夏景色』収録曲。
[Disc 3]〈Ballad〉
01Remember Me
愛されることに不器用だった男が恋の終わりを迎えた後、もう一度やり直したいと思い返す切ないラヴ・ソング。夏の黄昏の海の情景が思い浮かぶような、潮風の薫りが漂うミディアム・スロー・バラードとなっている。88年発表の8thシングル。
02Stories
波立ちない海のような穏やかなヴァースから熱のこもったフックへと一気に駆け上がる展開が印象的。出会いと別れを繰り返しながら、君だけの愛の物語を築いてごらんと語りかけるバラードで、夏っぽく聴こえるのはホットな歌唱ゆえか。89年リリースの10thシングル。
03十年先のラブストーリー
もう一度戻れるなら十年先でも千年先でも最後は君とラヴ・ストーリーを描きたいと願う男の甘酸っぱくも切ない想いを綴る。中盤のギター・ソロが男の弱さを見透かすように鳴るのが印象深い。センチメンタルなミディアム・スロー・バラードだ。
04君となら
希望と光が感じられるメロディラインで描くウェディング・ソング。想いを吐露するだけの真摯な歌唱が、かえってジワジワと胸へこみ上げるものを誘う。結婚式を“恋の卒業式”と綴った前田のセンスもニクい。大切な人とじっくり聴きたいバラードだ。
05抱きしめてAgain
夢を追いかけて大切なものを失ったことに気づいた……というよくあるストーリーがテーマ。もう一度あの日のときめきを取り戻したいという気持ちを、湿っぽくなりすぎずに描くところが彼らの良さだ。甘酸っぱく浸れるラヴ・ソング。
06もう負けないよ
明治生命CMソングにも起用されたハートウォームなミディアム・バラード。君とならもう負けない、泣かせないよと人生の歩みに大切な人を思い描いて綴る愛の歌だ。希望を感じさせるサビ終わりの伸びやかなヴォーカルが、優しさと力強さを与えてくれる。
07Purity〜ピュアティ〜
夏の終わりを醸し出すノスタルジックなギターをほんのりと加えて、人生の苦みと喜びを描いたミディアム・チューン。お互い“らしく”あれば、きっと僕たちは生きていけると語りかける。「もう負けないよ」同様、明治生命CMソングとなった97年の25thシングル。
08きっとどこかで
いつか許しあえる日までサヨナラは言わないでおこうと誓った傷心ソング。夏らしい言葉がなくとも、晩夏から初秋の潮の香りを想起させるサウンドは、彼らの真骨頂か。98年のドラマ『世界で一番パパが好き』主題歌となった28thシングル。
09風に揺れるTomorrow
2002年の38thシングルで、ダイハツ「コペン」CMソング。明日がはっきり見えずとも最後まで愛する君を守り抜くという決意を、穏やかで優しいメロディで描く。ヴォーカル、サウンドともに押すだけでなく引きの美学も感じさせる美しいバラードだ。
10プロポーズ
フジテレビ系『めざましテレビ』とのタイアップによる四季ソングのうち、冬をテーマにした第4弾の42ndシングル。タイトルどおり直球のプロポーズ・ソングで、“神様よりも君だよ”のフレーズやストリングスを配したクライマックスなど、泣きどころ満載だ。
11a song for love
2005年のセルフ・タイトル・アルバム『TUBE』の収録曲。過ぎゆく夏の寂しさを携えながら、しっとりとした優しいメロディで君と出会った夏の日の面影を振り返る。君のために歌うというラヴ・ソングだが、ファンへの感謝にも受け取れそう。
12最後のLove Song
さまざまなラヴ・ソングを歌ってきた彼らが2010年に届けたのは、やはり不変の愛の歌。時は流れても君がいるという偶然こそがすべてだと、ドラマティックなミディアム・スローで描きあげる。ラストの“君を愛して良かったよ”にグッと胸が詰まる。
[Disc 4]〈Exciting〉
01Hot Night
織田哲郎が作詞曲を、春畑道哉が編曲を手がけたポップ・チューン。軽快なギター・カッティングで引っ張る16ビートのナンバーで、真夏の夜を過ごす二人の熱い時間を描く。ワイルドで男っぽい前田のヴォーカルも聴きもの。
02Keeping The Face
誰にも明日の地図は解りゃしない。焦ることなく、マイペースで自分の道を突き進めと歌うTUBE流応援歌。ライヴのように歓声が上がる中盤のブリッジをはじめ、全編をとおしてスタジアム・ロック的な雰囲気に満ちているのが新鮮。
03夏よ走れ
思わず走り出したくなるような、心が弾む推進力の高いビートで突き進むアッパー・チューン。一人身で迎えるツラい夏、“僕だけの大事な人”を捕まえるべく湘南へと繰り出す姿を描いており、キラキラとしたサウンドに力をもらえる。
04Smile
シンセサイザーを印象的に使った、スケールの大きなミディアム・アップ。タイトルどおり“Smile”をモチーフに、辛いときこそ笑顔で前を向いていこう、と歌うポジティヴなメッセージ・ソングだが、“心 熱けりゃ いつでも夏さ”と“らしさ”は忘れない。
05この胸のRainbow
エフェクトを効かせたベースのソロによるイントロがロマンティックなミディアム・アップ。お金では買えない、仕事では満たされない大切なものを“この胸のRainbow”と表現し、そっと背中を押すように力を与えてくれる。
06浪漫の夏
“one,two, 南中浪漫!!”という前田のホットなカウントで幕を開ける、スケール感のあるロック・チューン。“我慢派”じゃなく“浪漫派”で、夏の恋を手に入れようというメッセージを、“TUBE節”といえるメロディとコードワークで歌い上げる。
07傷だらけのhero
たっぷりエフェクトをかけたギターによるイントロから、ライヴ感たっぷりな前田のカウントで爆発するロック・ナンバー。たとえ打ちのめされても前をむいて歩き続けろというメッセージ・ソングで、落ちた気持ちを奮い立たせるメタル・テイストのギターが印象的だ。
08Horizon
友達の彼女に惹かれてしまった男の心情を歌ったミディアム・アップのロック・チューン。力強いメロディを引き立てる、ゆったりしつつも推進力を蓄えたリズムを生むアンサンブルに、メンバーそれぞれのプレイヤーとしてのスキルの高さを感じさせる。
09終わらない夢に
サックスやシンセサイザーを印象的に配し、スタジアム・ロック風のスケールの大きなサウンドに仕立て上げたミディアム・チューン。学校生活を描いた歌詞の舞台設定は新鮮で、卒業してもそれぞれ夢を追いかけ続けようと熱い友情を歌い上げる。
10You'll be the champion
テクニカルなギターを中心としたメタル風の激しいイントロで一気に胸を掴まれるキラー・チューン。イントロ後も主役のヴォーカルを食う勢いでギターが差し込まれた迫力あるアレンジで、チャレンジャーとして前を向いて歩き続けろというメッセージを叩きつける。
11涙を虹に
「夏祭り」とともに両A面シングルとして2004年に発表されたナンバー。涙を虹に、タイトルがすべてを物語るようなポジティヴなメッセージ・ソングで、熱っぽい言葉をしっかりと伝える前田の説得力ある歌唱はさすが。疾走感のあるアレンジも心地よい。
12Miracle Game
大島こうすけが編曲を手がけた2004年のシングル。4つ打ちのビートとパーカッションで刻むリズムに細やかなギター・カッティングでアクセントを加えたラテン調のダンス・チューンで、辛いときに優しく手を差しのべる歌詞が胸に染みる。
13太陽のサプライズ
佐藤晶が編曲に参加したサマー・チューン。イントロのキャッチーなギター・フレーズが心を掴むポップなナンバーで、伸びやかな旋律に乗せて、新しい恋に向けてドアを開けようと優しく語りかける。やわらかな風を感じさせるサウンドが心地よい。