ガイドコメント
2015年7月8日リリースの4thアルバム。ダンス・ミュージックを軸に、甘くメロウなバラードからハードなナンバーまで、多彩なジャンルを織り交ぜた、より深みを増した作品に仕上がっている。
収録曲
[Disc 1]
01Fame
雷鳴や鐘の音といったホラー・ミュージカルのような重厚感あるSEで幕を開ける。重心の低いエレクトロ・サウンドで突き進むアップ・チューンで、ほとんどすべてが英詞。難易度の高い譜割りもなんなくこなすあたりはさすがだ。
02MUSE
ハード・テクノ風のアグレッシヴなサウンドでグイグイと押すダンス・チューン。攻めのアレンジに乗せて“MUSE”との熱い夜を描いており、ロングトーンを多用した滑らかなメロディが映える。色っぽい光一のヴォーカルも印象的だ。
03Just A Woman
エフェクトを施したギターの音色で幕を開けるエレクトロ・ロック・ナンバー。歌詞の主人公は女性で、“有り余る不安と ひとつの愛で 私はできてるの”と歌いきる姿に違和感は皆無。もうひとつの旋律といってもいいほど前に出ているコーラスも印象的だ。
04Bongo Drum
ヒップホップ的なアプローチが新鮮なナンバー。リズム以外の音数は必要最低限。ギリギリまでそぎ落としたアレンジで、“Bongo Drum”のように鼓動が脈打つ熱くセクシーな夜を歌い上げる。実際にボンゴの音色を取り入れているのもユニーク。
05Boogie Night
ジャズ・ロック風の大人っぽくスタイリッシュなアレンジが印象的なポップ・チューン。“理性じゃ開かない扉”を開けて本能のまま踊り明かそうと妖しく誘う物語で、ファルセットを多用したセクシーなヴォーカルにシビれる。
06STELLAR NIGHT〜星のバルコニー
ピアノやオーケストラを配し、ミュージカルのワンシーンのような壮大でロマンティックなサウンドを奏でるバラード。愛するあなたへの想いをまっすぐに綴っており、“あなただけを愛するためにボクは生まれた”と言いきる姿はさすが王子様といったところ。
07I Just Want You
ギターのカッティングにシャッフル・ビート、転がるピアノにテナー・サックスなど、ソウルやジャズといったテイストをちりばめたミディアム・チューン。大人っぽいサウンドに乗せ、ロマンティックなフレーズをサラっと歌いこなしている。
08Knocked me down
音数を徹底的に削ったR&Bテイストのミディアム・チューン。自身も参加したコーラスを多用しながら、掛け合いのように美しいハイトーン・ヴォイスを聴かせるが、中盤でカットインしてくる低い声でのラップ・パートにドキっとさせられる。
09The mAsque
複雑なシークエンスを軸に、不穏にも感じさせるエレクトロ・サウンドを響かせるアップ・チューン。ヴォーカルにも多くのパートでエフェクトをかけており、さらに焦燥感を煽る。タイトルはマスクとマスカレードをかけたものか。
10DEAD END
雷鳴、雨、足音から闇を切り裂くような笑い声。不穏なタイトルにふさわしい物々しいSEで幕を開けるミディアム・アップのダンス・チューン。女性を狙う“邪悪な獣”を歌ったものだが、ミュージカルの一間に感じさせるのは彼の素養ゆえか。
11Night Wanderer
不安と不満が覆い尽くすなら、君を導く光になろう……大切な人を守り未来へと進む決意を歌い上げる。行間に潜む不穏な未来の気配を、ダークなメロディと攻撃力の高いエレクトロ・サウンドが増幅。闇を振り切るようなヴォーカルが力強い。
12Over You
アコースティック・ギターのアルペジオとパーカションを中心に、ハートウォームなサウンドを作り上げたバラード。君のいなくなってしまった部屋でなおも帰りを待ち続ける男の切ないラヴ・ソングで、ファルセットを多用したサビが胸に刺さる。
13Love Professor
好きなのは僕じゃなく、頼りなく壊れそうな愛だけだろう……。“愛の教授”というタイトルにふさわしく、愛の本質を突くような歌詞にドキッとさせられる。セクシーなヴォーカルと歪ませたサウンドが互いに巧みに作用したアップ・チューンだ。
[Disc 2]〈DVD〉
01Fame (Music Clip&Making)