ミニ・レビュー
人の心の奥の奥へと一心不乱に突き進む。だから川畠成道の音楽に遊びはない。すべてが真摯で作品の本質へ迫ろうという意志に支配されている。注目されるのは、ゴーストライター問題で話題になった新垣 隆の無伴奏ソナタ。ロマン的な心情を現代的な手法で表現した作品。込められた想いの深さに感動させられる。
ガイドコメント
気鋭のヴァイオリニスト、川畠成道の13枚目となるアルバムは無伴奏作品集。聴きなじみのある名曲の無伴奏に加え、同じ桐朋学園時代から交流のある新垣隆との共同作業によるナンバーも収録されている。
収録曲
01「うつろな心 (ネル・コル・ピウ)」の主題による序奏と変奏曲 (パガニーニ)
02パガニーニアーナ (ヴァイオリン独奏のための変奏曲) (ミルシテイン)
03アルハンブラの想い出 (タレガ/リッチ編)
04シューベルトの「魔王」の主題による大奇想曲 (エルンスト)
05無伴奏ヴァイオリン・ソナタ嬰ハ短調「創造」 (新垣隆)
06グリーンスリーヴスによる変奏曲 (寺嶋陸也)