ミニ・レビュー
これがフランスのオケなのか? と凝視させる演奏だ。ボリューム感のある響きやスラヴ的陰影の深い音色や歌わせ方など、ラフマニノフ演奏に不可欠な条件を楽々とクリアする。2枚組でオール・ラフマニノフ。流麗な解釈とオケの自発性に富んだ演奏姿勢が熱演を生む。パーヴォの魅力全開のアルバムである。★
ガイドコメント
2015年秋からNHK響の首席指揮者に就任するヤルヴィによる、交響曲第2番に続く、久しぶりの第3番。第2番同様、濃密なラフマニノフでなく、切れのいい淡麗辛口ラフマニノフで、そこに現代性が見て取れる。
収録曲
ラフマニノフ:
[Disc 1]
01交響曲第3番イ短調op.44
02カプリッチョ・ボヘミアンop.12 (ジプシーの主題によるカプリッチョ)
[Disc 2]
01交響的舞曲op.45
02幻想曲「岩」op.7
03ヴォカリーズop.34-14 (オーケストラ・ヴァージョン)