ミニ・レビュー
情熱的な演奏による「ソナタ第2番」が魅力的なのはもちろんだが、あえて「前奏曲」を取り上げたい。上原は官能的な響きを強調しながら息の長い歌い回しで演奏を展開しているのだが、全体のテンポを速めに設定することで、決してくどいものにはならず、聴き終わると不思議な満足感と爽快感に満たされる。★
ガイドコメント
第12回チャイコフスキー国際コンクール(2002年)のピアノ部門で第1位を獲得、日本を代表するピアニストとして活躍中の上原彩子が満を持してラフマニノフの作品集を録音。13の前奏曲(作品32)のほか、作曲家自身が編曲した小品も収録されている。
収録曲
ラフマニノフ:
0113の前奏曲op.32
02ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調op.36
03劇付随音楽「真夏の夜の夢」op.61〜スケルツォ (メンデルスゾーン/ラフマニノフ編)
04愛の悲しみ (クライスラー/ラフマニノフ編)
05愛の喜び (クライスラー/ラフマニノフ編)