ミニ・レビュー
もはやアイドルの範疇を超えている。どんなゴージャスなアレンジも、時に妖艶に、時にエネルギッシュに、結局スマートに乗りこなす。布袋寅泰の提供曲「心の空」はじめ、新味を発揮しつつ、三味線などで“和”をちりばめ、トップグループらしい華やかさが満載だ。通常盤はボートラ含む全20曲!
ガイドコメント
前作『THE DIGITALIAN 』以来約1年ぶりの14thアルバム。シングル「Sakura」、「青空の下、キミのとなり」に加え、アルバムのコンセプトである“日本”をテーマにした楽曲を収録している。
収録曲
[Disc 1]
01Sakura
TBS系ドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』主題歌となった45枚目のシングル。クールなギター・リフのサンプリングから、焦燥感を煽るようなサウンドとメロディに終始するアップ・チューンで、叙情的な表現の数々もミステリアスな雰囲気を際立たせている。
02心の空
布袋寅泰が詞・曲・編曲を手がけたナンバー。祭囃子を思わせるフレーズに布袋ならではのギターが絡む冒頭から、“和ロック”な要素をたっぷりと披露。三味線が鳴り響くなかクールな“サクラップ”を見せつけつつ、サムライ&大和撫子の背中を押す。
03君への想い
東儀秀樹の篳篥と箏をフィーチャーし、“Japonism”を存分に引き出したミディアム・チューン。自分の幸せだけを願い続けてくれた大切な君に向けた感謝の気持ちを歌った詞とあわせ、王道のハートフルな楽曲がベースとなっているだけに、東儀のワザが光る。
04Don't you love me? (Vocal:Jun Matsumoto)
松本潤のソロ・ナンバーで、サックス&トロンボーン&トランペットの3管を取り入れたファンキーなR&B。キメ部分たっぷりのメロディにのせて歌われるのは“Don't you love me?”という勝気なメッセージ。セクシーな魅力が全開だ。
05miyabi-night
タイトルからも香る“和”な要素が冒頭から発揮されたダンス・チューン。とはいえ、楽曲のなかで一貫しているのはビートの強いダンサブルなテイスト。“はらはら散りぬるを奏でよ”など、まさに“雅”な表現も随所に配されているのが楽しい。
06三日月
ギターのアルペジオ風のフレーズを中心に、きめ細やかにさまざまなサウンドをサンプリングしたドリーミーなトラックな印象的なバラード。月夜を舞台にした美しい情景を歌うが、全編にわたってヴォーカルに強めのエフェクトをかけているのがユニーク。
07Bolero!
ラテン風味のピアノをきっかけに、超ハイテンションで駆け抜ける高速BPMのパーティ・チューン。“声を上げろ 吠えろ!”など、クラブ・レゲエっぽいサウンドとあいまってかなり汗臭いテイストで突っ走るが、スカ調のアレンジを挟んで“ハズす”など遊び心満点。
08Mr.FUNK (Vocal:Masaki Aiba)
相葉雅紀のソロ曲は、かなり大見得を切った感のあるタイトルどおり、ギター・カッティングから幕を開けるダンサブルなファンク・チューン。夜の帝王風の貫禄たっぷりの歌唱でキメてみせる。バキバキなブラスのほか、“the Gaya-xy”のガヤもいい感じ。
09暁 (Vocal:Satoshi Ohno)
ゲーム音楽クリエイターとしても活躍する三留一純が作編曲を手がけた大野智のソロ・ナンバー。和楽器の音をふんだんに盛り込みつつ組み上げたミステリアスな雰囲気は、不思議な動きをするメロディにもピッタリ。歌詞も美しい日本語の響きが秀逸。
10青空の下、キミのとなり
相葉雅紀が主演したフジテレビ系“月9”ドラマ『ようこそ、わが家へ』の主題歌となった46枚目のシングル。ダンサブルなビートを中心に、コーラスとの掛け合いのようなメロディで進むアップ・チューン。一気に明るくハジけるサビの開放感は抜群。
11Rolling days (Vocal:Sho Sakurai)
櫻井翔のソロ曲は、鍵盤の音色やストリングスを取り入れたミディアム・アップ。“どこまでも深い場所まで 二人堕ちてゆけるなら”など、オトナな恋愛を思わせる色気に満ちた表現が並ぶ。自身が歌詞を手がけたラップ部分はシリアスな独白風。
12イン・ザ・ルーム
ギターのカッティングを中心に、やや気だるくもスタイリッシュなサウンドスケープを描いたミディアム・アップ。フルートも取り入れた“エロい”サウンドに呼応して、“甘美な目眩”に溶けていくセクシーな恋物語をサラッと歌う姿がたまらない。
13マスカレード
佐藤万衣子ストリングスやPECKER(perc)を招いたゴージャスなサウンドで幕を開ける現代的ラテン歌謡といえるアップ・チューン。コーラスもどこか80年代歌謡を思わせるアレンジで、“かりそめの一夜”を楽しむキケンな二人を描く。
14MUSIC (Vocal:Kazunari Ninomiya)
南国の砂浜で気軽にセッションをしているかのような、トロピカルかつアコースティック風のサウンドで幕を開ける二宮和也のソロ・ナンバー。サビでは一気にエレクトロでバキバキなテイストへと変化しつつ、音楽用語を織り交ぜた楽しげ歌詞を歌い上げる。
15伝えたいこと
ピアノやブラス、ストリングス、鐘の音まで加わって多幸感に満ちたサウンドを奏でるハートフルなウェディング・ソング。“重ねてきた思い出は まだまだ終わらないよ”と、今までとこれからを描いた直球な歌詞、そして王道なメロディが高らかに響く。
16Japonesque
タイトルどおり“日本風”なテイストを随所に取り入れたエレクトロなダンス・チューン。王道的なファンキーなダンス・トラックながら、キメに用いられた鼓のような音色、“ヨナ抜き”のコーラスといった要素との親和性は抜群だ。
[Disc 2]
01僕らがつないでいく
ストリングスを取り入れたハートウォームなサウンドをバックにゆったりと歌い上げる感動的なバラード。誰かの想いや夢、希望を“つなぐ”彼らの矜持といえるメッセージに加え、分厚いコーラスワークも曲のもつ壮大さをさらに際立てている。
02the Deep End
お得意といえるファンキーなダンス・ナンバーだが、歪んだギターや重めのリズムでワイルドな魅力を強調。力強いヴォーカルで歌い上げる“ここでは場所へ 挑み続ける”というメッセージは、実践し続ける彼らだからこそ強力な説得力をもって輝く。
03Make a wish
弦一徹ストリングスを取り入れた爽やかで色鮮やかなサウンドともに、軽快に駆け抜ける“嵐らしさ”が詰まったポップ・チューン。超ポジティヴな姿勢で迷うヒマなく突き進めというメッセージが心地よい。不思議なリズムもアレンジに取り込んで魅せる佐々木博史の仕事も見事。
04ふるさと
『第61回NHK紅白歌合戦』で披露され、2013年には“NHK全国学校音楽コンクール”小学校の部・課題曲にも選ばれた楽曲。タイトルどおり“ふるさと”をテーマにしたナンバーで、オーケストラをバックにまっすぐ歌い上げる姿は感動的。