ガイドコメント
和楽器とバンドを融合させた“新感覚ロックエンタテインメントバンド”による、前作『ボカロ三昧』以来約1年4ヵ月ぶりとなる2ndアルバム。代表曲「千本桜」ほか「華火」「戦-ikusa-」「なでしこ桜」「華振舞」など未発表を含む全15曲を収録。
収録曲
01戦-ikusa-
映像シングルとしてリリースされたTVアニメ『戦国無双』オープニング・テーマ。歪んだギターを中心にメタル要素もはらんだ推進力の高いロック・チューンで、ロングトーンのメロディを多用したサビでの鈴華ゆう子の“コブシ”も見事に決まっている。
02星月夜
筝や尺八が響くゆったりとした導入が美しいロック・チューン。中盤では和太鼓のみの間奏を配しつつ、雄たけびを随所で上げながら、“ヨナ抜き”音階を基調にしたメロディに乗せて愛しき人への想いを高らかに歌い上げる。
03Perfect Blue
三味線や箏のアルペジオによるリフを中心に、色鮮やかかつ圧力高めのサウンドを作り上げたキラー・チューン。鈴華ゆう子と町屋のツイン・ヴォーカルに近い構成で、町屋の超高速ラップは圧巻。ブリッジからの転調など“おいしい”ポイントもしっかりと配置。
04追憶
君はもうここには居ないと知っているけれど、もう少しだけ思い出に浸らせて……後悔の念を抱えながら、しっかりと未来を見すえるミディアム・バラード。アレンジ含め王道といえる進行ながら、和太鼓による分厚いボトムや尺八のメロディが映える。
05鋼-HAGANE-
箏、尺八、津軽三味線、和太鼓のアンサンブルによるイントロから、どす黒いメタルの要素をはらんだバンド隊が合流、そこに演歌にも似た歌唱がなだれ込む究極のミクスチャー・ナンバー。おどろおどろしい雰囲気のなか、テクニカルな間奏が際立つ。
06風鈴の唄うたい
箏の流麗な音色を中心とした美しいバラード。風となって伝える大切な人への愛の言葉の数々を、ぽつりぽつりと自らの心境の吐露していくようなメロディに乗せて歌い上げる。鈴華ゆう子の圧倒的な歌唱力と表現力は見事のひと言。
07華火
初のオリジナル曲として映像シングルで発表されたロック・チューン。“華火”が炸裂したような冒頭のドラムのフレーズをきっかけに、複雑なアンサンブルを奏でながら疾走。どこか“許されぬ恋”を連想させるような気だるさも魅力的。
08郷愁の空
この町に別れを告げたあの日からどれだけ過ぎたろう……町屋をメイン・ヴォーカルに据え、都会の夜空の下で故郷に思いを馳せる姿を描いたミディアム・バラード。故郷の風景を描いたシーンでの和楽器サウンドとの親和性の高さはさすが。
09暁ノ糸
詩吟「事に感ず」の起句から幕を開ける冒頭に驚かされるナンバー。尺八をはじめ各パートが乱舞する前奏から、まさに吟じているかのようにたゆたう鈴華ゆう子のヴォーカルが合流。徐々に熱を帯びながら迎えるラストの高揚感は抜群。
10白斑
メタル・フレイヴァを色濃く帯びたギターのリフを中心としたアップ・チューン。メタル&和楽器という彼らならではの特徴に加え、変拍子を多用したトリッキーなアレンジ&メロディでさらに耳を惹きつけながら、色気が香るフレーズの数々を歌い上げる。
11なでしこ桜
ヴォーカルを含め各パートが洪水のように押し寄せる冒頭から、しっとりと歌うメロディの導入へ。流麗な旋律はもちろん、“侘び寂び”を体現するがごとき見事なアレンジが映えるミディアム・バラード。TVアニメ『戦国無双』エンディング・テーマ。
12反撃の刃
dTV『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙』主題歌に起用されたハード・ナンバー。楽曲のベースとなっているのはシンプルなハード・ロック。だからこそ、和楽器によるアクセントや和風のメロディが持つ影響を如実に感じさせる。
13千本桜
黒うさPが初音ミクを用いて発表、ネットシーンの象徴ともいえる支持を集めた楽曲の魅力を最大限に発揮した和楽器バンドならではのカヴァー。曲自体の完成度もさることながら、鈴華ゆう子の凛とした歌声やその歌唱法など、相性の良さは特筆もの。
14華振舞
道端に咲く名も知らぬ花に自身を重ねたストーリー性の高い物語を、高BPM&アグッレシヴな演奏で駆け抜けるキラー・チューン。尺八や三味線はもちろん、ベース・ソロやドラムの激しいキメを配するなど、それぞれのパートを最大限に引き出したアレンジが見事。