ミニ・レビュー
ほぼメンバーだけで演奏するインスト曲で幕開け。バンドとしてTV露出する機会も増えた彼らだが、それ以上に一人一人の声が完全にキャラ立ち。グループとして理想の状態であり時期なのを感じさせる。EDM度ほぼゼロなのも、超正解。アイドル性と愛嬌とのバランスが抜群にいいこと含め、まさに旬の一作。★
ガイドコメント
前作『関ジャニズム』から1年ぶりとなるオリジナル・アルバム。シングル「言ったじゃないか」や「がむしゃら行進曲」をはじめ、OKAMOTO'SやKANA-BOONらの提供曲を収録している。
収録曲
[Disc 1]
01High Spirits
8枚目のオリジナル・アルバム『関ジャニ∞の元気が出るCD!!』の冒頭のインスト。パワフルなタイトルのアルバムの導入にふさわしく、跳ねたギターとゴージャスなホーンの音色が弾けたロック・チューンに仕上がっている。
02勝手に仕上がれ
ロック・バンド、OKAMOTO'Sのメンバーが詞曲・編曲を手がけた、不良っぽいハーモニカがエッセンスとなっているにぎやかなロック・チューン。ぶっきらぼうかつ温もりある歌唱&コーラスに“着いていきます!”と言いたくなる、“頼りがいのある”一曲だ。
03がむしゃら行進曲
丸山隆平主演の日本テレビ系ドラマ『地獄先生ぬ〜べ〜』の主題歌に起用の、爽快かつテンポ速めのポップ・チューン。誰もが聴き覚えのある学校にまつわるフレーズをメロディに挟み込むなど、遊び心あふれるサウンド・アレンジが楽しい。
04韻踏ィニティ
渋谷すばるが作詞をした、タイトルよろしくまさに韻を踏みまくりのユーモラスなポップ・ソング。小鼓などの日本の伝統音楽的フレーズをテンポ良く取り入れたアレンジもグッド。終始ハイテンションなサウンドで駆け抜ける。
05バリンタン
村上信五が作詞、安田章大が作曲を手がけたポップ・チューン。擬音語を多用したノリの良い関西弁で繰り出されるドタバタ劇のような展開の歌詞がユーモラス。コーラスや掛け声もお笑いの“ツッコミ”のようで楽しい。関ジャニ∞の真髄がここに。
06強く 強く 強く
ハモリが美しい切ないメロディと“空”を未来に例えた爽やかな歌詞が胸に沁みるミディアム・チューン。真摯でまっすぐな姿勢が伝わってくる。大倉忠義が出演する日本テレビ系ドラマ『ドS刑事』主題歌起用の32ndシングル。
07スペアキー
“残された”スペアキーについて綴り、恋が終わった切なさを歌ったラヴ・バラード。ピアノを基調にしたシンプルで穏やかなサウンドと柔らかいヴォーカルは、優しく包み込まれるような心地よさがある。作曲はマシコタツロウ。
08CloveR
大倉忠義主演の映画『クローバー』主題歌に起用の30thシングル。ゴキゲンなシャウトをちりばめたパワフルな歌だが、ストリングスの音色がいっそう胸を高ぶらせる。一歩前へ踏み出す勇気をくれるアッパー・チューンだ。
09ナイナイアイラブユー
どこか懐かしさを覚えるハートフルなグループ・サウンズ調のナンバー。ユニゾンや“my tender girl”などコーラスを多用し、君のいない人生なんてありえないとあざといほどに甘ったるく歌っているのも完成度の高さに一役買っている。
10WASABI
夜の匂いを感じさせる、疾走感あふれるダンサブルなファンク・チューン。彼氏がいる仲の良い女友達に片想いをしている男の、やるせなさと願望とヤケクソが入り混じった恋の歌。色香を感じさせるとともに爽快な一曲だ。
11ナントカナルサ
谷口鮪(KANA-BOON)が詞曲を手がけたゴキゲンなポップ・チューン。困難にぶち当たっても乗り越えられる秘訣を教えてくれるリラックスできる一曲だ。進学や就職などで新たな道へ踏み出すタイミングで聴くのも◎。
12前向きスクリーム!
祭り囃子のフレーズやコーラスを取り入れたにぎやかなロック・チューン。“前向き”が合言葉のゴキゲンな歌詞も相まって、突き動かされるように踊りたくなる。メンバー全員出演の「オロナミンC」CMソングに起用された33rdシングル。
13言ったじゃないか
宮藤官九郎が作詞、峯田和伸が作曲した、錦戸亮主演のTBS系ドラマ『ごめんね青春!』主題歌に起用のロック・チューン。女子の言葉に一喜一憂する男子の気持ちをコミカルに綴ったラヴ・ソングで、スパークするギターの音色にエモーショナルな気持ちが重なる。
14ふりむくわけにはいかないぜ
山口隆(サンボマスター)が詞曲を手がけた、ビシっとした男の美学を綴ったロック・ナンバー。夢と現実のはざまで踏ん張る男たちの内々に秘められたパワーが爆発したような、過剰なまでにエモーショナルなところにも感動してしまう一曲だ。
15元気が出るSONG
作詞作曲は関ジャニ∞名義という、メンバーで作ったラヴ・ソング。アコースティック・ギターを基調としたシンプルな演奏のミディアム・ナンバーで、メンバーが順番にソロ・パートを担当。それぞれのヴォーカルを比べて楽しめる。
[Disc 2]
01my store〜可能性を秘めた男たち〜
“関ジミ3”の丸山隆平、安田章大、大倉忠義が詞を手掛けたハイテンションなポップ・チューン。“顔と名前が一致しない”など、彼らがこれまで言われてきた言葉をちりばめながら、輝ける日を夢見る内容となっている。
02バナナジュース
パワフルなホーンの音色で幕を開ける、横山裕と錦戸亮の二人によるスカ・チューン。ジョークとダジャレを織り交ぜた軽薄ともいえるノリで突っ切る、カラフルでユーモラスなラヴ・ソングに仕上がっている。錦戸亮が作詞を担当。
03渇いた花
渋谷すばると村上信五による楽曲。渋谷の熱唱を際立たせるピアノを基調としたシンプルなバラード調でスタートし、エモーショナルなハーモニカが加わりジャズ・サウンドに変化すると、村上のぶっきらぼうな歌声が弾ける。今は泣かせてくれと懇願する悲しき男の歌だ。
04LOVE&KING
KING feat. 関ジャニ∞名義の楽曲。KINGこと村上信五がメインを務めたヒップホップ・ナンバーで、終始アゲアゲでハイテンションなラップを埋め尽くしている。KING目線のメンバー紹介箇所もあったりと、ベタなフレーズの連続につい頬が緩む。