ミニ・レビュー
2015年にデビュー11年目を迎えた女性シンガーの6作目は数々のタイアップ満載の全13曲。ストリングスが彩りを添えるエモーショナルなナンバーやスウィンギーなスタイル、ライト&メロウなシティ・ポップス調など多彩なサウンドに乗せた艶やかなヴォーカルは貫禄十分だ。
ガイドコメント
前作『DOOR』から約1年9ヵ月ぶりの6thアルバム。NHKドラマ『聖女』主題歌の壮大なバラード「ラストシーン」や揺れる女心を歌ったシングル「PLAYBACK」などを収録している。
収録曲
01ラストシーン
ドラマティックなサビからスタートする、哀愁漂うR&B曲。恋人との別れを決意した女性の、悲しく切ない、けれども潔さを感じさせる歌詞を、色香を感じさせるエモーショナルなヴォーカルで歌っている。作詞は松尾潔、作曲は川口大輔。NHKドラマ『聖女』主題歌。
02甜い罠
ゴージャスなビッグバンドを率いてのとびっきり大人でジャジィなナンバー。タイトルどおりセクシーなスリルを秘めた歌詞と“夜”を感じさせるムーディなホーン・セクションのアレンジに、シビれること間違いなし。作曲と編曲に玉井健二が参加。
03PLAYBACK
カイリー・ミノーグ風な軽快なダンス・チューン。はやる気持ちを抑えられない恋心を描いている。バラードやジャズ・カヴァーをメインとしてきたJUJUの新境地がここに。『第21回 東京ガールズコレクション 2015A/W』公式ソング。
04The One (I Want)
大沢伸一がプロデュースを手がけた、スタイリッシュなディスコ・ファンク。きらめく摩天楼を背景に好きな人と会う、高まる気持ちを見事に表現した、ハッピーなドキドキ感を存分に味わえる。“夜の大人の楽しみ”が詰まった一曲。
05君がついた嘘なら
“君がついた嘘なら信じる”という、恋人とさまざまな経験を乗り越えて達した境地ともいえる、絶大な信頼を寄せる女性の心情を描いたラヴ・バラード。JUJUの真骨頂といえる、美しく切ないメロディを紡ぐ艶やかなヴォーカルが冴える。
06予感
恋が始まらなければ誰も泣かずに済むけれど……。それでも恋してしまう女性の切ない心情を描いたR&Bテイストのバラード。恋人とのすれ違いを感じながらもどうにも動けないでいるもどかしく悲しい心情をみごとに描いている。
07始まりはいつも突然に (album mix)
2015年2月発表の28枚目のシングルのアルバム・ミックス。エレクトロな鍵盤音の無機質感とエモーショナルなヴォーカルの対比が妙に心地良い、4つ打ちのラヴ・ソングだ。フジテレビ系「めざましテレビ」金曜日デイリーテーマソング。
08Eternally
きらびやかなピアノとストリングスの音色と温もりあふれるメロディが全身を包み込むような、穏やかなバラード。コニカミノルタプラネタリウム“満天”10周年記念作品「One Planet the Earth〜未来は星空の中に〜」オリジナル・テーマ・ソング。
09Brand New Days Will Love You
躍動感あふれるストリングスが心地良い目覚めをアシストしてくれる、フジテレビ系『めざましテレビ』金曜日デイリーテーマソングのために書き下ろされた爽快なナンバー。ホーンがゴージャスに楽曲を盛り上げている。いしわたり淳治作詞、亀田誠治プロデュース。
10Unsatisfied
“不満足”という意味の言葉を冠した、ストレスフルな日常を生きる大人へ向けたスムースなR&Bダンス・チューン。ポジティヴな歌詞と明るいサウンドは、愚痴を言いたくなる状況も“まあいっか”と思わせてくれる緩和効果もあり。
11What You Want
日本テレビ系ドラマ『偽装の夫婦』のために書き下ろした同ドラマ主題歌。自分に自信がなく夢に向かって全速力で走れない人々へ向けた、潔い歌詞がとにかくかっこいい。諦めを覚えた大人こそ聴くべきな、躍動感に満ちたアップ・チューンだ。
12Hold me、Hold you
明るいメロディの軽快なミドル・チューンでありながら、なぜか泣けるのは切ない歌詞ゆえ。「冷たい過去」を抱えながらも、前向きに生きていく女性の姿を描いている。映画『娚の一生』主題歌。作詞作曲は玉井健二(agehasprings)。
13WITH YOU
亀田誠治がプロデュースを手がけた、しなやかなストリングスの音色と柔らかなメロディのバラード。TBS系テレビ『NEWS23』エンディング・テーマのためにJUJU本人が小林夏海と共作で書き下ろした、温もりあふれる歌詞に心が安らぐ。