ミニ・レビュー
小菅 優のベートーヴェン・プロジェクトの最終章は、初中期と晩年の傑作群。これを弾ききるのは、まさに“極限”。それにしても彼女のタッチは美しい。とくに聴き手を惹きつける弱音の効果がみごと。30〜32番では輝かしく厚みのある和音を聴かせ、未来への希望をつなぐようなアダージョの豊かな音の連なりが印象的だ。
ガイドコメント
世界を舞台に活躍するピアニスト、小菅優が2011年から着手したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集録音の最終巻。DISC 1に「悲愴」と「熱情」、DISC 2に後期三大ソナタを収録。DSDによるセッション録音が、その名演のすべてを捉えている。
収録曲
ベートーヴェン:
[Disc 1]
01ピアノ・ソナタ第8番ハ短調op.13「悲愴」
02ピアノ・ソナタ第12番変イ長調op.26「葬送」
03ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調op.54
04ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」
[Disc 2]
01ピアノ・ソナタ第30番ホ長調op.109
02ピアノ・ソナタ第31番変イ長調op.110
03ピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111